地獄への入り口? 小野篁の井戸があるお寺「六道珍皇寺」【京都】

六道珍皇寺
「子子子子子子子子子子子子」さて、何と読む? 答えは文中で。京都東山区の六道珍皇寺は冒頭の難問を見事解いた小野篁にゆかりのあるお寺です。 地獄の入り口という井戸も必見です。

平安貴族っぽくないオールマイティーの人

六道珍皇寺
その人は小野篁(おののたかむら)。篁は平安初期の宮廷官人で、勅撰集に12首も選ばれる名歌人、漢詩は「日本の白楽天」と呼ばれるほどの天才、そして当代きっての学者でした。さらに剣術・乗馬などの武芸に秀でた、身長六尺二寸(約188センチ)の大男。オールマイティーですごいけど、私が考える平安貴族のイメージとかなり違うなあ。

個人的な小野篁のイメージとしては百人一首の「わたの原 八十島かけて 漕ぎ出でぬと 人には告げよ 海人の釣り舟」の通り、才能はあったけど薄幸な印象です。

真夜中は別の顔

六道珍皇寺
実は彼には別の顔がありまして、昼の朝廷勤めが終わって夜になると、地獄へ行って閻魔大王に使えていたと言われているんです。篁が地獄へ通うための入り口として使っていたのが、この六道珍皇寺の井戸。

亡者の魂を呼び寄せる鐘

六道珍皇寺
境内には魂を迎えるための迎え鐘もありますが、これが変わっています。四方が壁に囲まれていて見えないようになっているのです。壁には穴があいていて、そこから鐘につながった綱を引くと鳴らすことができます。この鐘の音は十万億土の冥界まで届き、亡者の魂を呼び寄せるのです。

四方が壁に囲まれた閻魔大王と小野篁像

六道珍皇寺
また閻魔堂には小野篁と閻魔大王の木像もありますが、これも四方が壁に囲まれています。壁にあいた穴からのぞき見るとその姿を拝むことができます。閻魔大王に仕えていたというお話は、『江談抄(ごうだんしょう)』、『今昔物語』、『元亨釈書』など多くの文献に載っています。彼は神通力を持った人物として知られていたようです。

「無悪善」は何と読むか?

六道珍皇寺
冒頭のクイズですが、こんなエピソードに登場します。「無悪善」という落書きを見つけた嵯峨天皇、「誰かこれを読める者はおらぬか?」とたずねます。天才・小野篁は「さがなくばよからむ」、つまり嵯峨天皇を呪う言葉であると答えました。しかし逆に、すらすらと答えた小野篁が書いたのではないかと疑われるはめに。

あなたは読めましたか?

六道珍皇寺
篁は少しも慌てず「私はどんな字も読めるのです」と答えました。嵯峨天皇は「子子子子子子子子子子子子」と書き、答えを迫ります。篁、答えて曰く「ねこのここねこ ししのここじし(猫の子 子猫、獅子の子 子獅子)」。嵯峨天皇は篁を許しましたとさ。

これちょっと史実と合わないこともあって後世に作られた話のようですが、篁の天才性をうかがえるエピソードですね。

地獄と現世をつなく出口はどこに

六道珍皇寺
地獄への入り口という六道珍皇寺の井戸、賢明なあなたは「じゃあ出口は?」と疑問に思うでしょう。平安京には東西に冥界の出口と入り口になるお寺がありました。入り口は六道珍皇寺、出口は嵯峨の福生寺にあったと言われています。えっ、過去形?

そう、福生寺は明治時代に嵯峨薬師寺に吸収され廃寺となってしまったんです。だからこの井戸から入って地獄を見てみたいなんて思っちゃダメ。だって出口がないんですからね。(2006年05月14日訪問)【麻理】

追記:2016年02月15日

六道珍皇寺
長年謎とされていた、地獄の出口とされる黄泉がえりの井戸が2011年に六道珍皇寺に隣接する旧境内の土地から発見されました。2017年現在、地獄の入り口である冥土通いの井戸とともに一般公開されています。以前はガラス越しにしか見られなかった冥土通いの井戸も間近で見られるようになりました。ぜひ足をお運び下さい。

地獄の出口・黄泉がえりの井戸がついに発見!「六道珍皇寺」【京都】
   京都の六道珍皇寺には地獄への入り口・冥土通いの井戸がありますが、長年地獄の出口のありかは謎となっていました。しかし近年に黄泉がえりの井戸が発見されたため再訪してみました。

参考文献

地図&情報

六道珍皇寺
住所 :京都府京都市東山区大和大路町四条下ル4丁目小松町595
電話 :075-561-4129
休業日:12月28日~12月31日
時間 :09:30~16:30
拝観料:大人500円(※特別拝観の料金)
関連URL:大椿山 六道珍皇寺 公式サイト
※情報修正2017年07月

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