純和風・禅寺の大寺院の中にあるローマ「南禅寺・水路閣」【京都】

南禅寺・水路閣
京都市左京区の南禅寺と言えば、高い格式を持つ禅寺。純和風建築のお堂や塔が並ぶ境内に、唐突に赤レンガ作りの水路橋が姿を現します。まるでローマの風景のよう。いったいなぜここに?

日本最初の勅願全寺・南禅寺(なんぜんじ)

南禅寺・水路閣
都ホテルや老舗料亭・瓢亭(ひょうてい)などがある静かな一画。臨済宗大本山・南禅寺(なんぜんじ)は亀山法皇の勅願によって正応4年(1291年)創建された日本初の禅寺です。重要文化財の三門(山門)は別名「天下竜門」とも言われ、日本三大門の一つに数えられます。

境内に唐突に現れる赤レンガの洋風建築

南禅寺・水路閣
そんな格式の高い南禅寺の境内に、いきなり赤レンガでできた洋風建築が現れるのだから驚きますよね。これは水路閣(疎水)。滋賀県の琵琶湖から京都に向けて引かれた水路で、明治18年(1885年)から工事が始まり、明治32年(1890年)に竣工しました。

ヨーロッパ各地に今も残る水路橋

南禅寺・水路閣
Photo via VisualHunt.com

水路閣はいわゆる水路橋のことで、水路を支える橋です。古代ローマの水道に使われた石造りのアーチ水路橋が有名ですね。この写真はフランス・プロバンスのポン・デュ・ガール(Pont Du Gard)ですが、このようなアーチ型水路橋はヨーロッパの各地に現在も残っています。

ローマの水道橋のデザインを元に作られた水路閣

南禅寺・水路閣
でも日本の、しかも京都のお寺の中にアーチ型水路橋があるなんて面白いですね。水路閣の全長は93.2メートル(幅4m、高さ9〜14m)。レンガや花崗岩で作られた風格のある建築物です。ローマの水道橋のデザインを元にしたというだけあって、お寺なのにここだけローマの風景のようです。

明治時代初期の大計画

南禅寺・水路閣
明治時代初期、京都の人々は長年に渡る水不足に悩んでおり、また京都の商工業の発展のために水力発電を取り入れたいと考えていました。しかしながら琵琶湖から水を引こうにも、京都は山が多いのでトンネル工事は難航すると考えられていました。

滋賀県の琵琶湖から運河を引く一大プロジェクト

南禅寺・水路閣
けれども明治17年(1884年)に琵琶湖疏水計画(びわこそすいけいかく)発足。滋賀県大津から京都市内へ全長20キロにも及ぶ運河を掘削する一大プロジェクトがスタートしました。そして長年の苦労の末に明治24年(1891年)、とうとう我が国最初の水力発電所が建設されたのでした。

今も水をたたえている水路閣

南禅寺・水路閣
この水路閣、上に登ってみるとこんなふうに水が流れているんですよ。水の音がいかにも涼しげで清々しい風景となっています。この水路をたどって上流へ散歩するのも楽しいですね。

京都の発展に大いに貢献した琵琶湖疏水

南禅寺・水路閣
京都から東京へ遷都した時、京都の経済人や政治家、会社も東京へ引っ越ししたために、京都の人口は激減し、農業・商業もジリ貧状態に。それを日本初の水力発電でV字回復に導いたのが琵琶湖疏水です。そのおかげで電力、船運、飲料水、農業用水が一度に確保できるようになりました。琵琶湖疏水は京都の発展に欠かせない壮大な計画だったんですね。

テレビドラマや映画などによく登場する水路閣

南禅寺・水路閣
人気観光地である南禅寺の境内にあることもあって、水路閣にはたくさんの観光客で溢れています。テレビドラマや映画にもよく登場するからでしょうね。みなさんアーチ型の赤レンガの下でポーズをつけて写真撮影をしていました。

ドラマ・映画・アニメの主人公になりきって一枚どうぞ

南禅寺・水路閣
訪れたのは週末だったのでなかなか観光客が途切れませんでしたが、ようやく1枚だけ例のポーズでパチリ。コスプレイヤーの方がいらっしゃることもあるみたい。みなさんもぜひドラマや映画、アニメなどの主人公になりきってどうぞ。

水路閣の設計者・23歳の田辺朔郎博士とは?

南禅寺・水路閣
ところでこの水路閣の設計者、驚くべきことに大学卒業したての23歳の若者だったんですよ! 琵琶湖疏水の父と呼ばれる田辺朔郎(たなべさくろう)博士です。そんな青二才(失敬)を大抜擢してしまう明治人ってスゴイ! 次回は引き続き田辺博士の偉業について書きます。(2017年02月26日訪問)【麻理】

参考文献

地図&情報

南禅寺・水路閣(なんぜんじ・すいろかく)
住所 :京都府京都市左京区南禅寺福地町
電話 :075-771-0365
休業日:12月28日~12月31日
時間 :(03月01日~11月30日)08:40~17:00 (12月01日~02月28日)08:40~16:30
入場料:方丈庭園、三門、南禅院は大人500円
駐車場:有料(2時間以内1000円)
関連URL:臨済宗大本山 南禅寺
※情報修正2017年06月

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