悪い男と縁切りできる、知る人ぞ知るレアスポット「鉄輪の井戸」【京都】

鉄輪の井戸
別れたい男性がいる? 恨めしい男に一泡吹かせてやりたい? そんな暗い欲望を心に秘めた女性は京都市下京区の鉄輪(かなわ)の井戸へどうぞ。ただしびっくりするような場所にありますよ。

命婦稲荷社はいったいどこ?

鉄輪の井戸
おどろおどろしい言い伝えの残る縁切りの神社・命婦稲荷社(みょうぶいなりしゃ)があるときいて、下京区堺町通にやってきました。あたりは民家が建ち並んでおり、鳥居や拝殿などそれらしいものは全く見当たりません。実は神社の入り口はこの赤い矢印のところ。

鉄輪の井戸の入り口はここにあります

鉄輪の井戸
「住所はこのあたりなんだけど……」とあっちへうろうろ、こっちへうろうろ。とうとう見つけたのがこの小さな案内板。「鉄輪ノ井戸 入り口」と書かれていますが、表札もかかっているしどうみても普通の民家の裏路地です。

細い裏路地を首をかしげつつ進むと……

鉄輪の井戸
首を傾げつつも玄関の扉をくぐって狭い路地を進みます。隣が外壁工事をやっていたので道幅は50cmほどしかなく、本当にこんなところに神社があるのかとますます不安になってきました。

京都在住の方でも知る人は少ないのかもしれない

鉄輪の井戸
すると突然朱い鳥居が現れました。良かった。たしかにここで間違いありません。でも突き当りも一般の方がお住いになっている民家ですし、勝手に敷地内に入り込んでいるような気がして恐縮しました。これは京都に住む方でも知る人は少ないのかもしれませんね。

鉄輪の井戸にまつわる恐ろしい伝説

鉄輪の井戸
この鉄輪の井戸(かなわのいど)に伝わるのはこんな伝説です。

平安時代、仲睦まじい夫婦がいました。けれどもやがて夫は心変わりし、自分を捨てて他の女の元へ去ってしまいました。妻が夫の愛を取り戻そうと貴船神社で一心不乱に祈ると「二十一日間鬼となってここに通い、貴船川の水に浸るべし」とお告げがありました。

謡曲や能の物語として今も伝わっている

鉄輪の井戸
妻は鉄輪(かなわ)を逆さまに頭につけて鉄輪の足に松明をともし、鬼の形相で貴船神社まで毎夜通いました。すると夫は毎晩悪夢に苦しむようになり陰陽師・安倍晴明に助けを求めました。安倍晴明は妻の呪詛を見事跳ね返し、精魂尽き果てた妻は家の近くの井戸に身を投げました。

これが謡曲や能の物語にもなっている鉄輪の井戸の伝説です。妻、かわいそう……。

鉄輪とは足のある金属製の輪で、五徳(ごとく)のこと。火鉢や炉などに置いて上にやかんや鍋を載せるための道具。恨みを持つ相手を呪う丑の刻参りの儀式にも使われる。

井戸水を汲んで相手の男に飲ませると縁が切れる

鉄輪の井戸
また別の説では鬼となった女を弔うために、かぶっていた鉄輪を埋めたのがこの井戸だとも、恨みを持つ女が持ち寄った鉄輪で築かれた塚があったとも言われています。そのためここは縁切りの井戸とも呼ばれていて、井戸水を汲んで相手に飲ませると悪縁が切れる、相手に呪いがかかる──と信じられていました。

現在は井戸の水を汲めないように金網がかぶせてある

鉄輪の井戸
でも幸か不幸か、現在は金網が被せられていて井戸の水を汲むことはできません。誰ですかホッとして胸をなでおろしている男性は? でも悪縁切りの霊験はあらたかなので、悩みを持つ女性はお参りしてみてはいかがでしょう。

手水鉢の水を汲んで飲ませるのは絶対ダメ!

鉄輪の井戸
ただ……。「何が何でもあの男に縁切りの水を飲ませてやる!」と恨み骨髄の女性が後を絶たないらしく、横にある手水鉢には「この手水鉢の水を飲んだり、お持ち帰りにならないでください」という注意書きがあります。そこまでして──と背筋がゾクッとしました。

地元の方の協力で昭和11年に再建された神社

鉄輪の井戸
実はこの命婦稲荷社は明治10年(1877)に市中の小祠廃止の府令で閉鎖され、長く忘れ去られた存在でした。しかし58年後の昭和10年(1935)に御神体が町内で発見されたことから、地元の皆さんの協力で昭和11年に再建されたのでした。なるほどそれでこんな住宅地にあるんですね。

お薦めは黄昏時、丑三つ時はやめたほうがいいかも

鉄輪の井戸
私が訪れたのはまだ日も明るい15時ごろでしたが、ここは夕闇迫る黄昏時にお参りすると雰囲気があって良いかもしれません。でも丑三つ時にはお薦めしませんよ。鉄輪を頭にのせた鬼の形相の女性とばったり出くわしてしまうかもしれませんからね。(2017年02月26日訪問)【麻理】

参考文献

地図&情報

鉄輪の井戸(かなわのいど)命婦稲荷社(みょうぶいなりしゃ)
住所 :京都市下京区堺町通松原下る鍛冶屋町
電話 :090-3973-5963(鍛治屋町町内会長 岡本有司さん)
休業日:年中無休
時間 :拝観自由
駐車場:なし
関連URL:京都観光Navi:命婦稲荷社
※情報修正2017年06月

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