美女がヘビに引きずり込まれる底なし沼とは「浮島の森」【和歌山】

浮島の森
「街のど真ん中に底なし沼がある」という噂を聞いてやってた、和歌山県浮島の森。周りは家ばかりで普通の市街地にしか見えないのですが、唐突に森が出現したではありませんか!

国指定天然記念物「浮島の森」

浮島の森
国指定天然記念物となっている浮島の森は、なんと森まるごと一つが、ぷかぷかと水に浮いているんです。正式には新宮藺沢浮島植物群落(しんぐういのそうきしましょくぶつぐんらく)といいます。このあたりは今は住宅街ですが、縄文時代には海、そしてその後はわき水に恵まれた湿地帯になりました。

泥炭によって浮き上がる

浮島の森
浮島が形成される仕組みをご説明します。湿地に生息するヨシやカサスゲなどの水生植物が枯れて積もり、完全に分解されないまま次々と堆積します。堆積した泥炭は水よりも比重が軽いため水に浮き上がります。その上に植物の種が運ばれ次第に森になっていったと考えられています。

北方系の植物から亜熱帯系植物まである植物群

浮島の森
浮島の森は単に浮いているというだけではありません。温暖な和歌山の地にあるものの、北方系の植物から亜熱帯系植物までバラエティに富んだ植物群が生息している、とても珍しい森なんですよ。

くれぐれも木橋を降りないこと

浮島の森
100メートル四方の池の中に96×55メートルの森が浮かんでいます。橋を渡って森の内部へ入ってみましょう。おっと、お気をつけて。決して木の橋を降りたりしないこと。ずぶずぶと沈んでしまいますよ。

底なし沼「蛇の穴(じゃのがま)」

浮島の森
そう、この森の中には底なし沼と言われる蛇の穴(じゃのがま)があるんです。実際、竿を地中に押し入れると10メートルに達してもまだ底に届かないんだとか。森の中を木橋がめぐっていますが、絶対に下の沼に降りてはいけません。

美しい娘・おいのと哀しい伝説

浮島の森
この蛇の穴にまつわる哀しい伝説をご紹介しましょう。昔おいのという評判の美女がこのあたりに暮らしていました。ある日おいのは父と一緒にこの島にまきを取りに行きました。昼時になってお弁当を食べようとしたところ箸を忘れたことに気づき、おいのはカシャバ(アカメガシワ)の枝を求めて森の奥へ入りました。

大蛇に呑まれ底なし沼へ消える美女

浮島の森
しかし待てども待てどもおいのは戻ってきません。心配した父親が探しに行くと、おいのは大蛇に呑まれ、今しも蛇の穴に引きずり込まれようとしているところでした。必死で娘の手をつかもうとする父。しかしおいのはとうとう底なしの沼へ姿を消したのでした。

上田秋成『雨月物語(蛇性の淫)』の元になる

浮島の森
その後「おいの見たけりゃ 藺の沢(いのど)へござれ おいの藺の沢の 蛇の穴(じゃのがま)へ」という俗謡が残り、それを元に上田秋成は『雨月物語(蛇性の淫)』を書いたと言われています。

薄暗く不気味な浮島の森

浮島の森
森の中は薄暗く、不気味な伝説そのものの雰囲気です。私も美女好きの大蛇に引きずり込まれないかとビクビクしていたのですが、全く何にも起こらず無事に森を脱出。まったく見る目のない大蛇だわね。(2006年10月09日訪問)【麻理】

参考文献

地図&情報

浮島の森(新宮藺沢浮島植物群落)
住所 :和歌山県新宮市浮島3-38
電話 :0735-21-0474(浮島の森案内所)
時間 :09:00~17:00(12~2月は16時まで)
入場料:100円
休業日:年中無休
駐車場:無料(6台)
関連URL:浮島の森|自然・景観|和歌山県フォト博物館
※情報修正2016年07月

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