なでると一つだけぬくもりを感じる像「喜多院・川越大師」【埼玉】

喜多院・川越大師
川越大師の名前で人気のお寺、埼玉県喜多院にはさまざまな七不思議が伝えられています。七不思議の一つ五百羅漢は、なでるとたった一つだけぬくもりを感じる像があるんですよ。

観光客いっぱいのご利益の総合デパート

喜多院・川越大師
喜多院(きたいん)は平安時代(830年)に慈覚大師(じがくたいし)によって開かれた天台宗の関東総本山です。ご利益の総合デパートと言ってよいほど、ありとあらゆる功徳があるというお寺。週末ともなると主に年配の観光客でいっぱいになります。そんな喜多院には古くから七不思議が伝えられています。

七不思議:潮の音が聞ける潮音殿

喜多院・川越大師
七不思議の一つ、潮音殿(ちょうおんでん)。大師堂は別名・潮音殿と呼ばれています。このお堂の中に入って耳をすますと潮の音を聞けるという不思議現象。やってみたのですが、あまりに観光客が多くざわざわしているので潮の音は聞けず……。朝か夕方のあまり人がいない時間に訪れたほうがいいのかも。

七不思議:五百羅漢

喜多院・川越大師
山門の右手にある五百羅漢も七不思議に数えられています。実際には535体あります。五百羅漢のあるお寺はこれまでもたくさんご紹介しましたし、喜多院の羅漢像は江戸時代末期の文政8年(1825)に完成した比較的新しいものなのでそれほど珍しいというわけではないのですが──

なでるとひとつだけ暖かく感じる像がある

喜多院・川越大師
喜多院の羅漢像が不思議なのは、一つ一つ頭をなでると一体だけ暖かさを感じる像があると言われているからなんです。535体の像はどれも全て違った顔をしていますが、ぬくもりを感じる像に印をつけておいて夜に見に行くと、親しい故人の顔に変わっているというのです。

夜中に試すことはできません

喜多院・川越大師
ただ残念ながら、現在は夜に拝観することはできませんから確かめることはできませんし、文化財である羅漢像に印をつけるなんて言語道断。触るのも本当はだめなんじゃないかなと思います(みんなが触ってたら像が破損しちゃうかも)。

苔むした像を見るだけでも穏やかになれる

喜多院・川越大師
亡くなった方を偲んで訪れる人々も多いようです。せめてひと目でもあの人に会いたい!という方は足を運んでみてください。苔むした五百羅漢像は見ているだけで穏やかな気持になれるような気がしました。

七不思議:鐘楼門の鷹

喜多院・川越大師
そしてこちらも七不思議の一つ。山門左側にある鐘楼門(しょうろうもん)には、表には龍、裏側には鷹の彫刻が左右にひとつずつあります。これらの彫刻は、かの有名な左甚五郎(ひだりじんごろう)の作だと言われています。左甚五郎の作品は山梨の夫婦木神社姫の宮にもありましたね。

女性器そっくりの巨木がご神体の神社「夫婦木神社姫の宮」【山梨】
前回ご紹介した山梨県の夫婦木神社は男神(おがみ)の宮ですが、2キロほど離れた夫婦木神社姫の宮は女神(めがみ)の宮とされています。両方でペアのようになっている神社です。

鳩が絶対に寄り付かない鷹の彫刻とは?

喜多院・川越大師
なんでもこの鐘楼門だけは鳩は絶対に寄り付かないのだそうです。左甚五郎の彫った鷹があまりに素晴らしすぎて、鳩が怖がって近づかないとか。しばらく観察していましたが鳩が止まったりする様子はありませんでした。なんでだろ? たまたまかな?

喜多院の七不思議は三不思議しか見られません

喜多院・川越大師
他の七不思議は

■大蛇が現れたことから蛇を呼ぶを境内で鳴らすことを禁じている

■本堂の床下に龍を閉じ込めた巨大な穴がある(見学不可)

■凶事が起こるのでほうきを寝かせておいたり、柄を上にして置いてはならない。またはすり鉢とすりこぎと一緒に置いてはならない。

■血を流すお化け杉と人が死ぬと足跡がつく亡者杉があった(両方とも消失)

という見ることができない、試すことができない七不思議なので、見学できるのは三不思議だけです。ありゃ、ちょっと残念。(2016年07月18日訪問)【麻理】

参考文献

地図&情報

喜多院(きたいん)・川越大師(かわごえだいし)

住所 :埼玉県川越市小仙波町1-20-1
電話 :049-222-0859
休業日:12月25日~1月8日、2月2日~4日、4月2日~6日、4月下旬~5月上旬の宝物特別展開催日の前後日、8月16日。
時間 :08:50~16:50(※季節によって変動。公式サイト参照)
入場料:大人400円
駐車場:有料
関連URL:川越大師 喜多院

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