住職を次々喰らう妖怪・蟹坊主のなぞかけとは?「長源寺」【山梨】

長源寺 蟹坊主
山梨県にある長源寺の怖い言い伝えをご紹介します。昔々、住職が次々と姿を消すという奇っ怪な噂がありました。新しい住職がやってきても、人知れずいなくなってしまうのです。

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住職が行方不明になる寺

長源寺 蟹坊主
そのうち村人も怖がって近づかなくなり、長源寺は住む人のいない廃寺になってしまいました。そこへ旅の高僧が訪れ何人もの住職がいなくなるという恐ろしいうわさ話を耳にします。

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四手八足両眼天に指すは如何?

長源寺 蟹坊主
高僧は謎を解くために長源寺で一夜の宿をとることにしました。そして真夜中。見るからにアヤシイ怪僧が現れました。怪僧は

四手八足両眼天に指すは如何?(または「両足八足大足二足横行自在、また両目は天を指す。何者か?」)

と問いかけました。

蟹なり!

長源寺 蟹坊主
「蟹なり!」と叫ぶやいなや、高僧は独鈷杵(とっこしょ)を振り上げて、怪しい坊主に投げつけました。独鈷杵がぐさりと背中に刺さり、慌てふためいて逃げ出す怪僧。はたしてその正体は?

血の跡の先にあったものは……

長源寺 蟹坊主
次の日、怪僧の残した血の跡をたどると、その先には二間四方(1間は1.8メートル)もの巨大な甲羅を持つ蟹の死骸がありました。この大蟹・蟹坊主は、長源寺の住職を喰らう妖怪だったのです。その後高僧は廃寺となっていた長源寺の住職となったそうです。

『不思議の旅ガイド(多田克己・村上健司)』参考

巨大な蟹が投げつけた奇石

長源寺 蟹坊主
旅の高僧と蟹坊主の一騎打ちを物語る不思議な石が境内にあります。それは巨大な蟹が投げつけたと言われる奇石。1メートル以上あるでしょうか。かなり大きいのですが甲羅が2メートルもある巨大蟹なら軽々持ち上げられそう。

蟹の爪が突き刺さった跡

長源寺 蟹坊主
正面から見て左側に二つの穴が開いています。これ、ハサミ状になっている蟹の爪が突き刺さった跡なんだそうです。確かにざっくりえぐれていますよ。

千手観音? 妖怪?

長源寺 蟹坊主
一説には、独鈷杵が突き刺さった大蟹の甲羅から千手観音が現れたとも言われています。『不思議の旅ガイド』には長源寺に伝わる掛け軸の絵が載っています。蟹坊主から立ち上る煙の中に千手観音の絵が描かれているんですよ。

残念ながら掛け軸は見られず

長源寺 蟹坊主
以前長源寺には蟹坊主の甲羅が残されていたそうです。でも現在は紛失してしまったんだとか。仏の化身なのか、はたまた人食い妖怪なのかどちらなんでしょうね。私が訪れた時ご住職はお留守のようだったので掛け軸を見ることはできなかったのですが、ぜひにという方は事前に問い合わせをしましょう。

民話の世界そのものの風景

長源寺 蟹坊主
あたりは民話の風景そのものののんびりした田園が広がっています。近くを流れる小川を見て「ここから這ってきたのかな」と思いました。(2007年04月14日訪問)【麻理】

参考文献

地図&情報

長源寺(ちょうげんじ)

住所 :山梨県山梨市万力3200
電話 :0553-22-2748
時間 :拝観自由
駐車場:無料
関連URL:蟹沢山長源寺

※情報修正2018年04月