船に乗り、鳥となって黄泉の国へと旅立つ「弁慶ヶ穴古墳」【熊本】

弁慶ヶ穴古墳
熊本県山鹿市の弁慶ヶ穴古墳は6世紀に作られた円墳です。チブサン古墳と同じく彩色が施された装飾古墳の一つ。古代ロマンにあふれる古墳壁画にワクワクしながら足を運びましたが……。

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1600年前の古墳時代後期の円墳

弁慶ヶ穴古墳
弁慶ヶ穴古墳は住宅街と森に挟まれたお墓の中にある古墳です。上空から見て分かる通り円墳で、今から1600年前の古墳時代後期のもの。内部に石を組み合わせた石室が作られています。

直径15m、高さ6mの円墳であるが、もともとは前方後円墳であったという説もある。
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高松塚古墳とは違い、プリミティブなタッチの壁画

弁慶ヶ穴古墳
一般に古代の古墳壁画と言って想像されるのは、奈良県の高松塚古墳ではないでしょうか。優美な女性たちが描かれた西壁女子像は、貴族文化を感じさせる洗練された美があります。でも弁慶ヶ穴古墳の壁画はもっとプリミティブで力強いタッチの絵なのです。これは見てみたい!

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奈良県の飛鳥奇石群シリーズ、第8弾は猿石です。明日香村の吉備姫皇女王のお墓の中にある4体の奇妙な石。サルに似ているから猿石と呼ばれていますが、サル……に見えるかな?

熊本県下最大級の規模の古墳

弁慶ヶ穴古墳
草をかき分けてお墓の中を進んでいきましょう。弁慶ヶ穴古墳の横穴式石室は、巨大な阿蘇凝灰岩の板石を使ったもので、熊本県下では最大級の規模と言われています。これは期待が高まります!

鳥に变化し、船に乗って黄泉の国へ旅立つ

弁慶ヶ穴古墳
前室の側壁には赤、白、灰色で船と荷と鳥、そして船に乗せた馬が描かれています。中でも最も特徴的なものは船と鳥でしょう。棺を積んだ船に止まっている鳥は、古代の人々の死生観を表しています。

ヤマトタケルノミコトは最期に旅先で亡くなるのですが、真っ白な鳥に変身して故郷の大和の国へと飛んでいくのです。きっと壁画を描いた人も、死者が鳥になって黄泉の国へと旅立つことを祈ったのでしょう。また船は海の彼方にあるという黄泉の国へ船で渡る「船葬思想」もあるのでしょう。

あれ? 扉が閉まってるんだけど……

弁慶ヶ穴古墳
ああ、なんてロマンあふれる壁画でしょう──と思いながら入り口に来ると、扉が閉まっています。えっ。私が持っている資料(小学生の時に購入した学研『ムー』)には直接見られるって書いてあったんだけど……。

弁慶ヶ穴古墳の説明書き

弁慶ヶ穴古墳
入り口の説明書きにはこうあります。

お願いとお知らせ

弁慶ヶ穴古墳は、人が入ると外の空気が古墳内部に入って内部の乾燥が進み、装飾が劣化してしまう恐れがあるため、古墳内部の一般見学をとりやめています。装飾保護のため、ご理解とご協力をお願いいたします。

ガーン! ショック!

山鹿市サイトの写真で御覧ください

弁慶ヶ穴古墳
またしても空振りであります。ううう。残念無念。山鹿市のサイトの弁慶ヶ穴古墳のページには、力強い彩色の壁画の写真が掲載されていますので、ぜひご覧になってください。1600年前の鮮やかな朱色に驚かれると思いますよ。(2017年05月06日訪問)【麻理】

参考文献

地図&情報

弁慶ヶ穴古墳(べんけいがあなこふん)
住所 :山鹿市熊入町字竹の下
電話 :0968-43-1145(山鹿市立博物館)
駐車場:なし
関連URL:弁慶ヶ穴古墳 | 山鹿市
※情報修正2017年12月