鍋島の化け猫騒動とは? 伝説の真相に迫る「秀林寺 猫塚」【佐賀】

秀林寺 猫大明神祠
佐賀県には日本で最も恐ろしく、最も有名な猫の伝説があります。有名な鍋島の化け猫騒動の地、秀林寺 猫塚を訪れました。化け猫騒動とはいったい何だったのか、その真相に迫ります。

鍋島の化け猫騒動とは何か?

秀林寺 猫大明神祠
その昔、佐賀藩藩主・勝重(かつしげ)が家臣・龍造寺又一郎(りゅうぞうじ またいちろう)と碁を打っていました。その時つい又一郎が「領地を取るのはお上手ですが、碁は今ひとつですね(←正直すぎ!)」と口をすべらせました。カッとした光茂はその場で又一郎を殺してしまいます。

飼い主の怨念を受け恨みをはらす化け猫

秀林寺 猫大明神祠
その首を飼猫のこまがくわえて又一郎の母のもとに届けると、母親は悲嘆のあまりに自害してしまいました。その怨念がのりうつったこまは化け猫となり、鍋島家に次々と不幸をもたらしました。勝重は病に倒れ、勝重の子は突然死、そして奥女中や家臣が身の丈5丈(15メートル)の怪猫に喉笛を噛み切られて惨殺されました。

千布本右衛門の化け猫退治

秀林寺 猫大明神祠
佐賀藩が怪異で揺れる中、千布本右衛門(ちぶ もとえもん)という家臣が、化け猫退治に寝ずの番をしました。すると突如勝重の側室である豊の方が本性を現し本右衛門に襲いかかりました。なんと化け猫・こまは豊の方を食い殺して乗り移っていたのでした。本右衛門は化け猫を斬り殺し、佐賀藩に平和が訪れたのでありました──。

化け猫の霊をなぐさめるための祠

秀林寺 猫大明神祠
けれども実はまだ呪いは続いていたのです。化け猫を退治した家臣の千布家には跡継ぎの男子が生まれなくなってしまいました。そこで化け猫を埋めたと言われるここ、秀林寺の境内に祠を立てて龍造寺家とこまの霊を慰めました。これが秀林寺の猫塚のいわれです。

化け猫騒動の矛盾

秀林寺 猫大明神祠
「鍋島の化け猫騒動」について調べると、妙なことに気づきます。碁を打っていたのが「鍋島勝茂」や「鍋島光茂」だったり、その相手が「龍造寺又一郎」や「又七郎」だったりとバラバラ。結末も藩主が生き延びたり、病気が回復したり、自殺していたり──とどうもはっきりしないのです。

鍋島の化け猫騒動は歌舞伎のお芝居

秀林寺 猫大明神祠
それもそのはず。実は鍋島の化け猫騒動は、歌舞伎のお芝居や講談のお話。つまりフィクションなんです。佐賀はもともと龍造寺家が豊臣秀吉より所領をたまわったのですが、徐々に勢力が衰えて1607年にお家断絶。かわって鍋島家が藩主をつとめることになりました。この時、佐賀藩の重臣たちが改革派と保守派に真っ二つに分かれたお家騒動が起こりました。

鍋島家のクレームにもかかわらず上演→大ヒット!

秀林寺 猫大明神祠
当時の歌舞伎の戯作者たちは、この騒動に化け猫を登場させてホラーテイストにアレンジ。1853年に作られた『花嵯峨猫魔稿史(はなのさがねこまたぞうし)』を中村座で上演しようとした時、鍋島家から「嘘八百を書くとは何事ぞ!」と強く抗議を受けました。けれども結局タイトルを変えて強行上演。かくして鍋島の化け猫騒動は、大ヒットホラーとなったのでした。

はたして化け猫はいたのか?

秀林寺 猫大明神祠
良かった……。かわいそうな猫はいなかったんだね。でもこの猫祠はいったい──? 現在秀林寺に残っている猫塚は、千布家の七代当主が1871(明治4)年に再建したものだそうです。はたしてこの祠の下に猫は葬られているのでしょうか。

あの世で猫缶を召し上がれ

秀林寺 猫大明神祠
しかしながら今も猫塚の前には、「銀のスプーン」や「とびっきりのおいしさ金缶」などが置かれています。お供えをしたのはきっと猫好きな方に違いありません。こういう日本人的な哀悼は心に沁みます。もし本当に飼い主思いの忠義な猫がいたならば、きっとあの世で美味しい猫缶を食べていることでしょう。にゃーん!(2015年01月02日訪問)【麻理】

参考文献

地図&情報

秀林寺 猫塚
住所 :佐賀県杵島郡白石町福田1644 秀林寺内
電話 :0952-84-4079
関連URL:白石町ウェブサイト 猫塚(秀林寺)
※情報修正2016年07月

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