美麗で画期的……でも、これでいいの?「武雄市図書館」【佐賀】

武雄市図書館
2013年に一躍有名になった佐賀県武雄市図書館。TSUTAYAやスターバックスを併設したオシャレ図書館として話題になりました。活字中毒の私も足を運んでみたのですが……。

武雄市図書館は館内撮影禁止であるため外観の写真しかありません。

2013年CCCの運営によって全面改装

武雄市図書館
武雄市図書館の歴史は古く、その前身は1916年(大正5)に杵島郡教育会によって設立されました。2013年にTSUTAYAレンタルチェーンの母体であるカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が指定管理者となり、全面的に改装。開館時間の延長や休館日の廃止など画期的な運営方法で注目を浴びました。

これぞ図書館の新時代!

武雄市図書館
天井まで届く美麗な書架、コーヒーの香り漂う閲覧室、蔵書数約20万冊、日本十進分類法でなく書店方式に並べられた書籍、日本国民なら全員貸出可能──なんて素晴らしい図書館! これぞ図書館の新時代! ともてはやされました。

図書館の個人的な思い出

武雄市図書館
以下個人的な事を書きます。

子供の頃からずっと図書館とともに生きてきました。育った土地には市の図書館がありませんでした。私は活字に飢えていました。小学校の図書室の本は全て読破。でも「もっと大人の本が読みたい」と大きな図書館に憧れを抱いていました。

新しい図書館に狂喜乱舞

武雄市図書館
両親はあまり本を読まず、本を買うお小遣いも乏しく、もちろん当時はインターネットもありませんでした。だから毎年新学期に教科書(私だけの本!)がもらえるのを心待ちにしていました。

中学生になって引っ越しをした先に、新しく図書館ができました。一度に7冊まで貸出していたので毎日学校が終わると図書館に走って行って7冊借りて帰りました。本が読めることが嬉しくて嬉しくて仕方ありませんでした。

図書館は私の友達

武雄市図書館
友達もほとんどおらず、先生も全く尊敬できませんでした。図書館は私の唯一の友達であり、先生であり、学校でした。文字をこんなにたくさん無料で(市民が税金を払ってはいますが)読めるなんて、まったく天国そのものでした。図書館があったから私は真っ暗な子供時代を生き抜くことができました。

大人になったら好きなだけ本を読むのだといつも願っていました。以来、私は社会人になっても必ず図書館の近くの家を借り、今も図書館の近くに住んでいます。物心ついてから本を読まなかった日は一日もありません。

図書館に関して思うこと

武雄市図書館
このブログは自腹で旅をした趣味の旅行記を更新し続けています。全く政治的な意図はありません。以下はあくまで私個人の感想として受け取っていただけると幸いです。

確かに美しく素晴らしい運営方法だけど

武雄市図書館
武雄市図書館の建築は確かに美しく素晴らしい。運営方法も画期的。でも20万冊の図書には10年以上前に出版された実用書や、武雄市から遠く離れた土地の本などが数多く含まれていたことで大問題になりました。

武雄市図書館の図書がネット古書大手ネットオフから多く購入されたことからも分かる通り、図書のラインナップはどこにでもある普通の書店の棚とそれほど変わりありません。天井まで届く書架は本当に美しいです。惚れ惚れするほど絵になります。しかし棚の上の方はほとんど本の形をした箱。ハリボテの本でした。

図書館の良さとは

武雄市図書館
カフェを併設しているため館内はかなり騒がしかったです。好きか嫌いかの問題ですが、私は本を読みに図書館へ通っているので思考を邪魔するような騒音は大嫌いです。図書館は静かであってほしい。

私が考える図書館の良さは、新刊本の隣に「ベストセラではないけれど味のある本」「絶版本」「稀覯本」が並んでいることです。図書館には思いがけない本との出会いがある。図書館は書店では決して体験することのできない知の冒険ができるのです。

ブックオフやTSUTAYAと同じなら図書館には行かないと思う

武雄市図書館
今はアマゾンで注文すれば翌日に本が届きます(私が子供の頃は1ヶ月もかかっていた!)、ネットにも文字は溢れています。でもきっと日本国中に「ああ、もっと本が読みたい!」と活字に飢え続けている人(特に子供)はたくさんいると思います。そういう人のためにも図書館は必要です。

でももし図書館がブックオフやTSUTAYAの本屋と変わらないのだったら、私はその図書館に足を運ぶことはないと思います。繰り返しますが、この記事は単なる私のエッセイです。「そう思った」というだけのことです。(2015年01月02日訪問)【麻理】

追記

今回の記事がなんとなく歯切れが悪い理由。それでも武雄市の子供たちには武雄市図書館しかないからです。子供は交通手段も自由になるお金も大人ほど持っておらず、地元の図書館に通う他に自由に本に触れる機会がありません。でも自分が通う図書館が非難轟々のがっかり図書館だったら辛すぎます。

「ないよりはマシ」というご意見もいただきましたが、飢えるよりはマシ──とジャンクフードばかり食べるのは間違っています。特に子供には栄養たっぷりの食材で作られたものを食べてほしい。薄っぺらい流行本ばかりでは心がちゃんと育ちません。ツイッターで「武雄市図書館は誰も読まないからと価値ある資料を破棄していた」という情報もいただきました。図書館を愛する一人として本当に本当に悲しいです。

参考URL

1630冊、誰も借りず 武雄市図書館の民間納入本 – 産経WEST(リンク切れ)
武雄市図書館にTSUTAYAの在庫が押しつけられる? – Togetterまとめ
武雄市図書館の選書でCCCが異例の「反省」 愛知県小牧市「TSUTAYA図書館」計画は住民投票へ
武雄市図書館 – Wikipedia

参考文献

地図&情報

武雄市図書館(たけおしとしょかん)
住所 :佐賀県武雄市武雄町大字武雄5304-1
電話 :0954-20-0222
休業日:年中無休
時間 :09:00~21:00
関連URL:武雄市図書館
※情報修正2017年07月

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