(閉館)壁に顔!? 強烈インパクトの幻想アート「恵子美術館」【宮古島】

恵子美術館
壁一面、顔、顔、顔! ここは沖縄県宮古島の恵子美術館。カラフルな原色を使った顔タイルの背景に、赤と黄色の文字が眩しい。目がチカチカするのは、宮古島の強烈な日差しのせい?

読者の方より頂いた情報によりますと、恵子美術館は2015年に館長・広報の山田八郎さんのご逝去により閉館となりました。垣花恵子さんの作品は日本各地の美術館に寄贈されましたが、この建物は取り壊しが検討されているそうです。大変残念です。楽しい思い出をありがとうございました。

目がチカチカするほどの建物

恵子美術館
宮古島の観光地に置いてあるフリーペーパー『ガイドブック宮古島』をめくっていると恵子美術館の記事が目に止まりました。「全国でも珍しい超現実・幻想美術館。物語のある美術館、怖くて不思議な美術館として開館12年の人気観光スポット」──そして、行ってみたらアゼンとしてしまいました。こ、この外観は!?

観光客はたくさんいるみたい

恵子美術館
壁の窪みの展示スペースには、抽象的な立体作品と恵子美術館を訪れた人たちの記念写真が飾られています。観光客のみなさんは笑顔でVサインなどしているし、たくさんマスコミ取材をされているようだし、入っても大丈夫だよね。

入館を躊躇してしまうけど……

恵子美術館
ううっ、これは入りにくい。入り口にも新聞の切り抜きや広告などが隙間なく貼ってあるので中はよく見えません。この建物の強烈なインパクトに入館を躊躇しましたが、好奇心には勝てずえいやっと入ってみました。

中はごく普通のギャラリー

恵子美術館
予想に反して中はごく普通のギャラリー。大きな絵がたくさん飾られています。オフシーズンだったから他にはお客さんはいませんでしたが、表の写真からすると普段はもっと人がたくさんいるみたいです。途中近所のちびっ子が「お水ちょーだーい」と入ってきたので、地元の方にも親しまれている様子。

シュールレアリスムを学ぶ

恵子美術館
私は超現実主義はさっぱりなのですが、ありがたいことに恵子美術館・広報の山田八郎さん(※)が美術館のなりたちや作品の解説をしてくださいました。シュールレアリスムに明るくない私にもよく理解できる丁寧な解説でとても勉強になりました。入館前はおっかなびっくりだったのが申し訳ないです。すみません。

1998年01月07日の琉球新報「恵子美術館オープン」の記事によると垣花恵子さんの夫なのですね。山田さんのコレクション14点も展示されているそうです。

日本最南端の私設美術館

恵子美術館
ここは主に垣花恵子(かきのはな けいこ)さんという芸術家の作品を集めた個人美術館です。1998年、日本最南端の私設美術館としてオープンしました。

垣花さんは1959年沖縄県平良市(現宮古島市平良下里)に生まれ。子供の頃から絵の好きな子供でしたが、スチーブンス・ジョンソン症候群と結核を患い、失明や命の危険に追い込まれながらも制作活動をつづけました。

おばあさまをモデルにした作品

恵子美術館
垣花さんの作品のいくつかは彼女のおばあさまをモデルにして描かれています。「人魚伝説」「榕樹(がじゅまる)の記憶」「仮説Ⅱ」などです。

深く刻まれたシワや落ち窪んだ目、不思議な色合いの皮膚に思わず見入ってしまって目が離せません。子供の頃に見た恐ろしい夢が、心の底からじわじわと浮かんでくるような気がします。

子供の頃の怖い思い出

恵子美術館
なんでも垣花さんが子供のころ、おばぁが毎晩寝る前にお話をしたのが怖くてしかたなかったんだそうで、そのイメージが絵に現れています。おばあさまは100歳を超えて大往生なさったそうですが、垣花さんの強烈な創作原動力になっていたんですね。

アクリルやクレヨンによる作品

恵子美術館
建物の外に貼りつけてある顔のタイルはこの絵がもとになっています。タイトルは「孤独」。病気で視力が落ち、長時間の制作に耐えられなかった時、小さい絵ならとコツコツ描き続けた絵をコラージュのように貼りあわせた作品です。クレヨンやアクリル絵の具を使った力強いアートですね。

和紙など使った立体コラージュ

恵子美術館
近づいてよく見ると絵は立体的で、表面がデコボコとしています。端っこは紙をくしゃくしゃにしてはりつけて色を塗ったものですね。これも目が不自由な時に、視力のかわりに手の感覚を研ぎ澄ませて作り上げたものだそうです。ランダムに刻まれた紙のシワに不思議な味わいを感じます。

帽子落としの絵

恵子美術館
こんな作品もありますよ。「仮説XI」。床に置かれた額縁には鏡が入っています。中を覗き込むと、天井に取り付けられた作品がちょうどこの鏡に写り、覗いた自分自身も絵の登場人物となるユニークな作品。上を見上げるとかぶった帽子が落っこちるので、別名「帽子落としの絵」って言われてるんです。

引きこまれてしまう不思議な魅力

恵子美術館
他にも国内の幻想美術作家の作品が入れ替わりで展示されています。垣花さんの作品は、一見するとおどろおどろしくて、気味の悪い、恐ろしい絵に見えますが、見れば見るほど引きこまれてしまう不思議な魅力がありました。極めてまっとうな個人美術館です。うん、でもこの外観はかなりな珍スポットだと思うなあ……。(2011年04月18日訪問)【麻理】

参考文献

地図&情報

恵子美術館(けいこびじゅつかん)

読者の方より頂いた情報によりますと、恵子美術館は2015年に館長・広報の山田八郎さんのご逝去により閉館となりました。垣花恵子さんの作品は日本各地の美術館に寄贈されましたが、この建物は取り壊しが検討されているそうです。大変残念です。楽しい思い出をありがとうございました。

住所 :沖縄県宮古島市平良字下里592
電話 :0980-73-0388
時間 :12:00~19:00
休業日:水曜
入館料:大人500円
駐車場:無料
※情報修正2017年08月

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