あまりにも美しすぎる洞穴井戸「ぶとぅらがーと大和井」【宮古島】

ぶとぅらがーと大和井
宮古島の井戸の跡は水汲み作業がどんなに過酷な重労働だったかを実感できる場所です。でも下から見上げる地上の光は美しく、木の根が岩肌を這っている様はファンタジックです。

井戸か洞井から生活用水を得る

ぶとぅらがーと大和井
サンゴ礁でできた島・宮古島の地層は堅い石灰岩でできています。地下には豊富な地下水があるものの、水を得るのは容易な作業ではありません。1967年に島に水道網が敷かれるまでは、宮古島の人々は石灰岩の硬い岩盤を掘り進むか、自然に作られた洞穴から生活用水を得ていました。これを地元の言葉で降り井(うりがー)と呼びます。

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庶民の井戸・ぶとぅらがー

ぶとぅらがーと大和井
ここはぶとぅらがーという庶民が使用した井戸です。自然の洞穴の石灰岩に溜まった水を汲み上げる施設で、村人が階段を作って水を汲み上げやすくしたもの。現在は史跡として保存されていて、実際に水汲み作業が行われているわけではありませんが、今も地下水は井戸の底に溜まっています。

40キロを担いで運ぶ女性や子供

ぶとぅらがーと大和井
この水くみは誰がしていたと思いますか? それは主に女性や子供たちの仕事でした。天秤棒の両端に桶を吊るして、この深い穴を降りて水をくみ、そしてまた上がって家まで運ぶ。その重さは約40キロ。自分の体重と同じぐらいの重さの水を女子供が担いで運んだのです。

堅い石灰岩さえ磨耗する重労働

ぶとぅらがーと大和井
この石段を見てください。お分かりになりますでしょうか、それぞれの石段に足型がついています。これは毎日毎日、長年人々が水を運び続けた足の跡。堅い石灰岩でさえすり減ってしまうほどの重労働なのです。また湿った石段はとても滑りやすく、周りは堅い岩だらけですから危険な作業でもありました。

これ毎日、何回もやるのか……

ぶとぅらがーと大和井
井戸の一番下です。水が溜まっていますね。この暗い洞穴井戸の底でしゃがんでみました。「こんな真っ暗な地の底で、来る日も来る日も水汲み労働か……」 なんとも重苦しい気分になってきます。昔の人は大変だったんだね。

ファンタジックで美しい光景

ぶとぅらがーと大和井
でも下から見上げる地上の光は本当に美しく、木の根が地下水を求めて岩肌を這っている様など、まるで『天空の城ラピュタ』のような世界で、ファンタジックでもあるのです。水汲み作業をしていた人々に、この美しい光が少しでも息抜きになっていたらいいなあと思います。

役人用の井戸・やまとがー

ぶとぅらがーと大和井
さて、庶民の井戸・ぶとぅらがーのすぐ近くには、大和井(やまとがー)と呼ばれる大きな井戸があります。こちらは1720年頃に掘られた、宮古島の井戸の中で最も大きな井戸です。国指定の重要文化財になっています。

首里王府や薩摩藩の役人専用

ぶとぅらがーと大和井
美しい石組みの技術が駆使された、大変立派な井戸です。なぜ「大和」という名がついているかは、井戸の構築に関わった職人が大和人だったからとか、首里王府や薩摩藩から派遣された役人が使ったからとか諸説あるようです。切り出した石が円形にぴったりと積まれていて、当時職人の技術力の高さが伺えます。

ツタや植物に覆われた美しい井戸

ぶとぅらがーと大和井
こちらの井戸は上層役人だけが占有していたので、庶民が使うことは許されませんでした。門の跡も残っていて、当時は番人が目を光らせていたようです。ったく、ケチだなーお役人は。こちらの井戸もツタや熱帯植物に覆われていて、実に美しい風景。晴れた日の朝に訪れてほしい場所です。(2011年04月18日訪問)【麻理】

参考文献

地図&情報

ぶとぅらがーと大和井
住所 :沖縄県宮古島市平良字西仲宗根土川・不佐手
電話 :0980-73-1881(宮古島観光協会)
入場料:無料
時間 :見学自由
駐車場:無料
※情報修正2016年06月

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