一年に一度だけ海底から浮上する幻の島「八重干瀬」【池間島】

八重干瀬
一年に一度だけ現れるという幻の島・八重干瀬(やびじ)。沖縄県宮古島北に位置する池間島から北東15kmの場所にあります。サンゴと熱帯魚いっぱいの島でシュノーケリングを体験。

八重干瀬……同じ宮古島でも、やえびし、やびし、やえびせなど様々に呼ばれています。

幻の島の正体は……?

八重干瀬
以前カツオモニュメントで紹介した池間島。周囲はおよそ10キロ。人口800人に満たない小さな島です。その北に広がるのが、南北10キロ、東西7キロにわたる広大なサンゴ礁。

そう、最初にネタバレしてしまうと、大潮で海面が下がった時に出現するサンゴ礁が幻の島・八重干瀬の正体なのです。

宮古島の珍モニュメント4「池間島のカツオ」【池間島】
    宮古島の4つ目のモニュメントは池間島のカツオ。公園のベンチの屋根部分なのですが、カツオだけでなく波も造形されていて、生き生きとした動きのあるモニュメントになっています。

運が良ければ年に数回見られます

八重干瀬
そしてもう一つネタバレ。「一年に一度、旧暦3月の大潮」というのはあっちこっちのツアーパンフレットに書かれていますが(この記事タイトルに使いました)、実は年に数回、春から夏にかけて大潮の日に八重干瀬が海面に現れます。だからたった一日だけというわけではありません。

私が訪れた時もちょうど八重干瀬が見られるというので、地元のマリンショップ・カルトマリーヌさんにお世話になって船を出してもらうことにしました。

お世話になったカルトマリーヌさん

八重干瀬
南欧風のハウスは2007年に新築されて、パウダールーム、シャワールームもピカピカ。代表の奥平健人さんはまだお若いながらも43フィートの船・ラポール号のオーナーさんです。船にはシャワーもトイレもあってとても快適に過ごすことができました。八重干瀬を見たい方にはカルトマリーヌさんを強力に推薦いたしますよ。

カツオも跳ねてるよ

八重干瀬
さあハウスでウェットスーツに着替えたら、八重干瀬に向かっていよいよ出発。これから約20分の船旅です。天気は快晴! カツオモニュメントも元気にピチピチ跳ねて応援してくれているようです。

船で八重干瀬へ向かう

八重干瀬
後ろに見えるのは、全長1425メートルの池間大橋。島からどんどん遠ざかっていきます。そう、八重干瀬は陸地から遠く離れた場所にあるというのがポイント。巨大なサンゴ礁では魚がたくさん採れるので陸地に近いと荒らされてしまうことがあります。しかしこの遠さが八重干瀬のサンゴ礁の生態系守ることになったのです。

海の畑・インヌバリ

八重干瀬
八重干瀬は14世紀から漁場として利用されていた歴史があり、地元の漁師さんたちは、「インヌバリ(海の畑)」と読んで大切にしてきました。八重干瀬のそれぞれのサンゴ礁は、漁師さんたちによって地形や海産物にちなんで様々な名前がつけられています。ウッグス・ヌ・スゥヒダ、サイヌバ・トゥガイ、カマナラ、キジャカ──サンゴ礁の名前は130以上もあるんですって。

誰もいない、幻の無人島!

八重干瀬
午前中だったからか誰もいません。無人島状態です。旧暦3月の大潮には1日に何百人も観光客や地元の人々が訪れると言われているのでかなりラッキー! でも私はサンゴ礁の上には立たずに、スキンダイビングのみで八重干瀬を楽しみました。だから実は上陸はしてないんです。

極力サンゴの上には上がらないこと

八重干瀬
というのも一時期あまりに人が押し寄せたため、2004年には平良市と宮古観光協会から「観光振興と環境保全のガイドライン」が発表されたからです。サンゴを踏みつぶさないこと、生き物を採取しないこと──などの注意事項が掲載されています。以降極力サンゴの上に上がらないように観光客も地元の方も気をつけています。

スノーケルだけでも大丈夫

八重干瀬
ダイビングとか潜るの苦手という人も大丈夫。サンゴ礁がかなり浅いところに現れていて、それにともなって魚たちも浅瀬に上がってきています。しかもこのあたりの海はびっくりするほど透明度が高いのです。スノーケリングで海水面を漂っているだけでも、色とりどりの魚の群れをたくさん見られるんですよ。

複雑な生物相を形成

八重干瀬
八重干瀬は固まってサンゴが密集しているわけではなく、迷路のようにサンゴが点在しています。それによって複雑な海流が発生し、様々な魚・甲殻類、サンゴによる多様性のある生物相が形成されています。

だからほんのちょっとポイントを変えるだけで、まったく違った景色が楽しめますよ。そして入り組んだサンゴ礁が防波堤のようになっているから波もおだやかで安心。

夢の様な風景が見られる幻の島

八重干瀬
サンゴ礁の地域は海全体でみるとたった0.2%しかありません。しかし海洋魚類の実に25%が生息する場所となっています。サンゴの光合成による有機物の生産量は、熱帯雨林に相当する量なんですよ。サンゴはまさに命の森、海の熱帯雨林。

色とりどりの魚たちを眺めて水中に漂っているのは夢のような体験でした。こんな幻想的な風景が見られるなんて「幻の島」と呼ばれるのも納得です。

見せていただく気持ちで楽しみましょう

八重干瀬
宮古島では、旧暦三月三日の春の大潮の日は、豊漁を願い感謝する大切な行事・サニツが行われます。ちょうど同じ時期に八重干瀬が現れるのですから、地元の人にとっても大潮の日はとても楽しみな日となっています。くれぐれも八重干瀬の自然を壊さないように「見せていただく」という気持ちで、サンゴや魚たちを楽しみましょう。(2011年04月19日訪問)【麻理】

参考文献

地図&情報

八重干瀬専門カルトマリーヌ
住所 :宮古島平良字前里 317-3
電話 :0980-75-2939
関連URL:Carte Marine
※情報修正2016年07月

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