いろいろ不憫……世界一巨大な蛾「アヤミハビル館」【与那国島】

アヤミハビル館
世界最大の蛾ヨナグニサンを学びに、アヤミハビル館を訪れました。与那国島は日本最西端の島。人口約1600人。昔は「渡難(どなん)」と呼ばれていました。渡るのが難しいからですね。

大好きな昆虫・ヨナグニサン

アヤミハビル館
個人的な話で申し訳無いのですが、私は壁一面に昆虫の標本をコレクションしています。一番のお気に入りはヨナグニサン。中央の一番目立つ位置に飾っています。昆虫の標本採集について賛否両論あるのは十分承知しているものの、それでも蝶の持つ美しさには惹かれずにはおれません(※)。

ヨナグニサンは現在沖縄県指定天然記念物であり、絶滅危惧種に指定されています。捕獲はもちろん禁止。私の標本は天然記念物に指定された1985年よりも前に作られた、アンティークの標本をオークションで手に入れたものです。

ヨナグニサン=アヤミハビル

アヤミハビル館
広々とした敷地にこぢんまりとたたずむアヤミハビル館。入り口にはアヤミハビルや与那国島の自然を描いたモザイク画がありました。与那国島の方言で言う「アヤミハビル」とはヨナグニサンという巨大な蛾のことなのです(以下アヤミハビル)。「アヤミ」が模様のある、「ハビル」が蝶。

25センチもの巨大な蝶

アヤミハビル館
アヤミハビルはヤママユガ科の仲間で、翅をいっぱいに広げると25センチほどにもなります。世界一巨大と言っても過言ではありません。アヤミハビルは与那国島だけでなく、石垣島、西表島、また中国、東南アジアでも見られます。しかし大きさや色彩は与那国島産のものが秀でていると言われます。

与那国島の自然についての展示

アヤミハビル館
アヤミハビル館にはアヤミハビルのことだけでなく、与那国島の自然、歴史、生息するその他の動植物についての展示や、体験学習施設があります。私は閉館時間間際に駆け込んだのですが、係員のお兄さんは快く館内を案内してくださいました。

与那国島の恋の歌

アヤミハビル館

待てよ 待て 蝶
伝言 たのむ 蝶
ソーリ ササ ソラ ササ
吾が 思いは ナァ 蝶
伝言 届けて たもれ
ソーリ ササ ソラ ササ

これは与那国島の人々がアヤミハビルに想いを託して歌った恋の歌だそうです。蝶が恋心を運んでくれるなんてロマンチック。……いや、ほのかな恋を託すにはちょっと大きすぎる気もするけど。でもこれだけ巨大な蛾ですから、恋する人への思いはガッツリ伝わるでしょうね。

動画で見る、アヤミハビルの大きさ


さっきから巨大、巨大と言っていますが、どのくらい大きいのかちょっと伝わりにくいですね。これは与那国島のアヤミハビルではないようですが、雌を手に止まらせている動画。かなり大きいことが分かりますよね。アヤミハビルは顔に止まったら顔一面隠してしまうぐらいの大きさなんですよ。エイリアンのフェイスハガーを想像してもらうといいかも。昆虫嫌いの人は失神しちゃうね。

雌と雄の見分け方

アヤミハビル館
アヤミハビル館で確かめたかったのが、私の標本が雄なのか雌なのかということ。雄は翅の上の方の白い部分が三角形の形(雌は台形)、それと触覚が雌よりも太いんですよ。てなわけで私の標本は雌だということがはっきり分かりました。実物を見てやっとすっきりしました。

成虫が見たい人は7、8月がお勧め

アヤミハビル館
私が熱心にメモを取っていたからか、お兄さんが研究室の中を案内してくれました。研究室ではアヤミハビルの飼育をしているのですよ。ヒャッハー! 生きてるアヤミハビルが見られる!……と喜んだのですが、残念ながら私が訪れた時はまだ黄緑色の幼虫でした。うう、モフモフのお腹触りたかったな。どうしても成虫が見たいという人は、7〜8月に訪れるのが吉

口がないので食べられない

アヤミハビル館
アヤミハビルは羽化して成虫になるとすぐに交尾して産卵します。成虫の寿命は雌で5日〜9日、雄で4日〜5日。成虫は口が退化しているので蝶のように蜜を吸うことはできず、1週間ほどで餓死して死んでしまうのです。かわいそすぎ……。その代わりに幼虫の間はもりもり葉っぱを食べて、もりもりフンをします。

幼虫の大きさは10センチもある

アヤミハビル館
こっちは孵化して間もない幼虫。まだ白い色です。幼虫はサナギになるまで、5回脱皮をくりかえします。最終的には体長が10センチにもなるんですよ。

そうそう、ヨナグニサンは一度着地に失敗したら、巨大すぎて二度と飛び上がれないんですって。絶滅危惧種で、食べることができなくて、寿命短くて、飛ぶのが大変で──なんかいろいろと不憫だね……。

臭い蛇、ヨナグニシュウダもいるよ

アヤミハビル館
またアヤミハビル館には与那国島特有の動物も飼育されています。これは「どぅなんちまぬ生てぃむぬんた(与那国島の生き物)」コーナーにいるヨナグニシュウダ。体長170〜200センチの蛇。総排泄孔から臭いにおいを出すので、シュウダ(臭蛇)と呼ばれるんですね。結構性格が荒いので要注意。

いつかは見たい生きているアヤミハビル

アヤミハビル館
ビデオ室では「世界最大の蛾・ヨナグニサン」が上映されていて、アヤミハビルの一生を学べます。アヤミハビル館の外にあるふれあい広場では、野生のアヤミハビルも毎年観察されています。生きている巨大なアヤミハビルをいつかこの目で見てみたいなあ!(2012年05月14日訪問)【麻理】

参考文献

地図&情報

アヤミハビル館
住所 :沖縄県与那国町与那国2114
電話 :0980-87-2440
時間 :10:00~16:00
料金 :大人500円
休業日:火曜日・祝祭日・年末年始
関連URL:与那国観光WEB » アヤミハビル館
※情報修正2016年07月

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