重税のために殺人が行われていた場所「久部良バリ」【与那国島】

久部良バリ
沖縄県与那国島はダイバーに人気の楽園です。しかしこの美しい島には悲しく暗い歴史を伝える場所があります。久部良バリは背筋が凍るような恐ろしい事が起こった場所です。

久部良バリは「久部良割」とも表記される。

訪れる人はほとんどいない

久部良バリ
与那国島の西の端。久部良バリは目の前に大海原が広がる見晴らしの良い場所にあります。小さな説明書きがポツンと立っているだけということもあり、ここを訪れる観光客は多くはありません。私が足を運んだ時も他には誰もいませんでした。

離島の悪税・人頭税

久部良バリ
あなたは人頭税(にんとうぜい)を知っていますか? 以前宮古島の記事に書きましたが、これは1937年から1903年まで、260年以上も沖縄の人々を苦しめた重税。この税金を払うために沖縄の離島では間引きや殺人まで起こっていました。

過酷な税制が引き起こした悲劇「人頭税石(賦測石)」【宮古島】
   1637年〜1903年に260年以上も沖縄の人々を苦しめ続けた過酷な税金・人頭税。琉球王府が取り立てる税金はあまりに重く、離島では村人どうしの間引き、殺人まで行われました。

琉球人による搾取

久部良バリ
琉球王国が栄えた14世紀、与那国島は女酋長・サンアイイソバによって統治されていました。しかし中国やアジアの貿易が盛んになるにつれて、琉球人各離島に入り込むようになりました。この頃から沖縄の島々は琉球王府による搾取が始まりました。

翻弄され続ける人々

久部良バリ
そして1609年に薩摩藩が琉球に侵略し首里城を開城。薩摩藩は琉球王府を支配し圧力をかけました。そのため琉球王府は宮古・八重山の島々に重税を課すようになりました。それが人頭税です。

妊婦を飛び越えさせた岩の裂け目

久部良バリ
これが久部良バリです。この岩の裂け目は幅3〜4メートル、深さは7〜8メートルほどもあるでしょうか。写真の私と比べると大きさが分かりやすいと思います。人頭税に苦しんでいた島民が苦渋の末に選んだ解決法です。子宝に恵まれた妊婦はここに連れて来られ、この久部良バリの岩から岩へと飛び越えさせられました。

流産か転落死か

久部良バリ
身重の妊婦では仕事ができませんし、ぎりぎりの生活ではとても子育てなどできません。たとえこの岩を飛び越えられたとしても流産は免れられないでしょう。飛び越えられずにお腹の子供もろとも転落死してしまった女性も多かったと言います。

トゥングダへの死の招集

久部良バリ
また男性には人桝田(トゥングダ)という試練がありました。緊急徴集のドラや法螺貝の音がすれば、すぐにトゥングダという田んぼに走って行かねばなりませんでした。制限時間以内にトゥングダに駆けつけることができなかった男性は、労働力がないとみなされて処刑されました。

口減らしのための殺人

久部良バリ
体力のない人、家計を圧迫する子供、体の不自由な人、知的障害者、病人、怪我人、老人……。これらの人々はみな口減らしのために殺されました。人頭税は1903年まで──ほんの100年前まで沖縄の離島の人々にかけられていたのです。

暗い歴史の残る場所

久部良バリ
久部良バリの傍らには地蔵菩薩が祀られていました。ここは南の楽園・与那国島の印象とはまるで違う重々しい雰囲気に包まれていました。島の人はよく「沖縄本島の人間と自分たちは違うと考えている」と言いますが、歴史を考えると無理もないと思います。

離島の人々は古くは琉球人に搾取され、そののち琉球は薩摩人に支配され、現在は米軍基地問題、領土問題に翻弄され……どうして沖縄って昔から苦しいことばかりなんでしょうね。(2012年05月13日訪問)【麻理】

参考文献

地図&情報

久部良バリ
住所 :沖縄県八重山郡与那国町与那国
電話 :0980-87-2402(与那国町観光協会)
入場料:無料
時間 :見学自由
※情報修正2016年08月

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