一夜城伝説は本当か? 史実の一夜城と全く違う「墨俣一夜城」【岐阜】

墨俣一夜城
岐阜県大垣市の墨俣(すのまた)一夜城はB級的には非常に美味しいけど、「これはちょっと怪しいお話だぞ?」と首をひねらずにはいられない珍物件。秀吉の一夜城の謎に迫ります。

秀吉が築いた一夜城伝説の地

墨俣一夜城
長良川の隣にそびえる立派な天守。四層六階建てのお城であります。墨俣と言えば、ご存じ木下藤吉郎こと後の豊臣秀吉が一夜にして築いた墨俣一夜城。「えーっ! この立派なお城をたった1日で作っちゃったってこと!?」と思うのはちょっと待った。

現代の技術でもそりゃ無理

墨俣一夜城
いくら天才秀吉と言えどもそりゃちょっと無理。鉄筋コンクリート造りのこんなお城は、現代の技術をもっても一晩で造ることは不可能です。展示物に1566年当時を再現した一夜城の模型がありますので、写真を見ながらご説明しましょう。

実際の一夜城はこんな感じ

墨俣一夜城
矢印の部分をご覧ください。これが殿様御屋敷つまりお城です。ほったて小屋じゃん……。一応周りに柵があるものの、実際の一夜城は立派な天守閣とはほど遠いお城なのであります。でも勘違いしちゃうよねえ。

一夜城の真偽は不明

墨俣一夜城
その上、そもそも「秀吉が一晩で城を築いた」ことも歴史的事実かどうかは不確か。その方がお話的に面白いから後世の人々が話を脚色した疑いも濃厚。一応ここの展示物は愛知県の江南市に伝わる前野家古文書をもとにしてあるのですが、一夜城の真偽は未だ不明であります。

織田信長の時代の史料『信長公記』(太田牛一)には、墨俣に砦があったことは記されているものの、この砦は秀吉とは一切関係がない。秀吉とともに城を築いたと言われる蜂須賀家の史料にも一夜城の記述は全くない。

墨俣の一夜城が初めて登場するのは、江戸時代後期の『絵本太閤記』であり、明治時代以降に広まった話であることから、墨俣一夜城は後世のつくり話である可能性が高い。

前野家文書は偽書の疑いが出ているが、所蔵者が公開を許可しておらず、科学的鑑定が行われていないため、真偽の論争は今も続いている。

地域住民の長年の夢によって完成

墨俣一夜城
まあ百歩譲ってマンボ踊って(by伊集院光)砦のようなお城を短期間で完成させたとしても、天守閣の建造物ではありえません。が、なぜこんなルックスのお城になったかというと「地域住民の長年の夢」であったからとパンフレットには書かれています。

夢……か……(遠い目)。

珍スポにつきものの純金

墨俣一夜城
エントランスホールには墨俣一夜城金鯱の5/1ミニチュア。珍スポにつきものの純金製です。金鯱は火災よけのまじないです。しかし、くり返しますが、実際の一夜城に金鯱が据え置かれていたわけではありません

お城の中は博物館

墨俣一夜城
1階は墨俣の文化、郷土史、2階は秀吉の一夜城伝説、3階は築城後の秀吉の活躍、4階はギャラリーとなっています。展示品はパネル中心。パネルは綺麗に作ってあって分かりやすいですが、資料はやや少なめ。

アットホームな展示

墨俣一夜城
ギャラリーは近くの小学校の図画作品や、地域の方の俳句コンテストの出品作品が飾られています。これもアットホームで良い感じなのですが、せっかくの天守閣なのだから秀吉関連でまとめた方がよかったのでは。

出ましたふるさと創生資金

墨俣一夜城
そして最上階。展望室です。以上。四方が窓になっていて他に何もありません。ちなみにこの墨俣一夜城、竹下内閣のふるさと創生資金が元になっています。ああ、一夜城よ、お前もか。(2007年12月02日訪問)【麻理】

参考文献

地図&情報

墨俣一夜城
住所 :岐阜県大垣市墨俣町墨俣1742-1
電話 :0584-62-3322
時間 :09:00~17:00(受付は16:30まで)
休館日:月曜、年末年始
入場料:大人200円
駐車場:無料(数台)
関連URL:墨俣一夜城(大垣市墨俣歴史資料館) | 大垣市

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