広島県の福山自動車時計博物館は仰天のミュージアム。クラシックカーやレトログッズコレクションは全て試乗、タッチOKという気前の良さ。蝋人形のオバマ元大統領、ペリーもいますよ。
福山市の住宅街にあるレトロな博物館
福山市の住宅街にある福山自動車時計博物館(ふくやまじどうしゃとけいはくぶつかん)は、公益財団法人・能宗文化財団が運営する私設博物館です。私が訪れた日はゴールデンウィークということもあって、お客さんがどんどん吸い込まれるように入館していました。
ずらりと並んだクラシックカーにびっくり!
中に入ってびっくり。広々とした館内にずらりと並んだクラシックカー。そして壁を埋め尽くす時計! 昔懐かしいおもちゃや家財道具があっちにもこっちにも。でも写真に写っているものは福山自動車時計博物館のほんの一部でしかないのです。
博物館のモットーは「のれ!みれ!さわれ!写真とれ!」
博物館のモットーは「のれ!みれ!さわれ!写真とれ!」 収蔵品は全て自由に乗ったり触ったりできます。SNS盛んなこの時代、自由に写真をお撮りください──どころか「撮れ!」とまで言ってくださるミュージアムはありがたい存在ですね。クラシックカーはカラフルで実にインスタ映えしますよ。
試乗OKの自動車博物館は初めて!
私もT型フォード、ダットサンフェートン、マツダの三輪乗用タクシー、馬車に乗ってみました。自動車系の博物館はこれまでいくつか訪れましたが、試乗OKなのは初めてです。しかもどれもピカピカに磨かれていて美しい状態。クラシックカーマニアにはたまりません!
迫力の機会式時計コレクション
福山自動車計博物館の名前通り、クルマだけでなく時計のコレクションもなかなかのものです。1780年頃の時計塔のメカニズムは迫力があります。この大きな鐘が耳元で鳴ったら鼓膜が破れそう!
【動画】今も動いているスチームパンクな時計
時計コーナーの動画をご覧ください。巨大な時計がこんな風に今も動いているなんてすごいですね。歯車を組み合わせた機会式時計ってなんて美しいんでしょう。スチームパンク趣味の方ならきっとワクワクしてしまうに違いありません。
壁一面のボンボン時計コレクション
壁一面のボンボン時計は文字通りボーン、ボーンと鳴って時刻を知らせるものです。実際に使っていたわけではないのですが、とても懐かしい気持ちになりました。昔は一家に一台しか時計がなかったので、家中に時刻を知らせることができるよう大きな音が鳴ったんですね。
あちこちに展示されている蝋人形たち
この博物館が珍スポットとしても有名なのは、蝋人形があちこちに展示してあるからです。入り口にある黒船のペリー提督と老中・福山藩主阿部正弘は当時和時計や望遠鏡などを交換しあったからなんとなくつながりはある気がしますが、マッカーサー、吉田茂、ワシントン、リンカーンが集っている理由はよく分かりません。
このごちゃまぜ感がユーモラス!
発明王エジソンは博物館の趣旨に合っていそうなものの、クリントン米国元大統領、バラク・オバマ元大統領、ジェームス・ディーン、エルビス・プレスリーまでくると何が何やら。でもこのごちゃまぜな感じが珍妙でユーモラスです。古今東西の著名人と肩を組んで記念撮影できるのがいいですね。
博物館館長・能宗孝さんのご著書
それにしてもいったいこの博物館は誰が何のために建てたのか? こちらは館長の能宗孝(のうそうたかし)氏のご著書。調べてみると能宗さんは福山市の実業家で自動車愛好家なんですね。タイトルに『備後・福山の暴れン坊 福山市の「天敵」!』と書かれていて穏やかではありませんが、福山の行政のご意見番としても活躍されているみたいです。
なんとほとんどのクルマが自走可能
能宗さんは昭和41年(1966)から集め始めたコレクションを元に、平成元年(1989)07月04日に福山自動車時計博物館をオープン。驚くべきことにこれらの自動車のほとんどは現在も自走可能で、映画やドラマの撮影にも積極的に貸し出されているんですって。特別期間にはボンネットバスの試乗会も行われていますよ。
博物館本館から離れた場所にもクルマコレクションが
博物館本館から少し離れたところにも能宗さんのコレクションがあります。こちらにはレトロな商用車やバスなどがたくさん並んでいます。どうもこの一帯の大地主さんのようで、博物館と同じ外観の大きなマンションも建っていました。いやはや、能宗さんはすごい大富豪なんですね。
貴重な古典消防車・バス・商用車
これらのコレクションの中でも特に貴重なのが昔の消防車です。確かに他の博物館ではほとんど見たことがありません。シャッターも何もない天井だけの駐車場にたくさんのレトロ自動車が停まっていて、防犯上大丈夫なのかしらと心配になってしまうほどです。広島の人はおおらかなんだなあ。
カンザス大学留学の体験が原点なのかも
能宗さんは若い頃に外務省の私費留学生としてアメリカ・カンザス大学に留学されていました。ワシントンのスミソニアン博物館を訪れた時に日本の和時計や浮世絵などの展示を見て、日本の技術力・文化に感動を覚えたそうです。きっとこの時の体験が福山自動車時計博物館の設立のきっかけになったのでしょうね。
五感を使うことこそ人が自信を得ること
パンフレットに館長・能宗さんの熱い言葉がありました。
資源の乏しかった頃は、教育こそが物的資源に勝る資源でした。そのことは、豊かになりすぎた現代に置いて思い出すべきことです。
五感を使うことこそ、人が自信を得ることだと思います。福山自動車時計博物館は「のれ・みれ・さわれ・写真とれ」をモットーにしており、自信を得ることができる体験博物館です。
日本を良くするために情熱を持って活動している能宗孝さん。今後のご活躍も期待しています。(2017年05月03日訪問)【麻理】
追記
ここを訪れた時のツイートに、福山自動車博物館公式ツイッターの方がリプライをくださいました。「福山市の天敵」ではなくて「福山市が天敵」なんですね。す、すごい。
福山自動車時計博物館の創設者のご著書。
ものすごい富豪っぽいんだけど、本の副題に「福山市の天敵」とか書いてあるのなんでなん? pic.twitter.com/3e7cA2gla2
— 五十嵐 麻理 Mari Igarashi (@IgarashiMari) 2017年5月3日
ご来館ありがとうございました!
正しくは…福山市“が”天敵…らしいです。— 福山自動車時計博物館 (@FACM_0849228188) 2017年5月3日
参考文献
地図&情報
福山自動車時計博物館(ふくやまじどうしゃとけいはくぶつかん)
住所 :広島県福山市北吉津町3-1-22
電話 :084-922-8188
休業日:年中無休
時間 :09:00~18:00
入場料:大人900円
駐車場:無料
関連URL:福山自動車時計博物館