岡山県備前市の田倉牛神社にやってきました。山のようにどっさり積まれた備前焼のウシは願い事をする方が奉納していったもの。「星に願いを」ではなく「ウシに願いを」ですね。
のんびりした癒やしの風景の地
前回の鼻ぐり塚のウシつながりでやってきた田倉牛神社(たくらうしがみしゃ) 山をバックに山陽本線がすぐ近くを走っていて、のんびりした風景に心癒されます。
神殿なく神職もいない神社
入口に鳥居はあるのですが、神殿がなく神職もいない一風変わった神社。地元の方が交代で清掃や整備をしているそうで、ゴミ一つ落ちていないきれいな境内です。鳥居をくぐると石段が長く続いています。
備前焼の牛を奉納
境内にはたくさんの備前焼の牛が奉納されています。この大きな牛の足下をご注目。これ石じゃないんですよ。
備前焼の牛を奉納
みんな牛の形をした焼き物です。ここは鼻ぐり塚のように牛の供養をしているのではなく、人間が願い事をするために牛の焼き物を奉納しています。
陶器の牛が何十万!
石段を上りきった先にある備前焼の牛の山! 鼻ぐり塚では牛の鼻輪がどっさり積まれていましたが、ここでは陶器の牛が何十万と積み重なっていますね。なんでも30万個もあるんだとか。
参拝・祈願の仕方
田倉牛神社の参拝方法。願い事のある人は神社の入り口で備前焼の牛を買い、山になっている牛の中で「これだ!」と思う一体を探します。そしてその牛と購入した牛を交換して持って帰ります。その後大願成就した時に、借りた牛に新しい牛を一つ加えた2体を返すことになっています。
家内安全、商売繁盛、健康祈願など
願いが叶った人が倍にして返すので、どんどん牛像が増えていくんですね。もともとは農耕の神として飼い牛の病気平癒を祈願したようですが、今は家内安全、商売繁盛、健康祈願などいろんなお願いができるみたい。
頑丈な鉄柵とのコントラストが面白い
丸っこくて可愛らしい牛の備前焼が、黒々とした頑丈な鉄格子に囲まれているというコントラストが実に面白い。もちろん崩れ落ちないようにするための柵なんですが、牛が逃げ出さないように厳重に警備しているみたいに見えます。
気軽に持ち帰らないこと!
でも「こんなにたくさんあるんだから一個ぐらいいいよね」なんて牛を気軽に持ち帰らないこと。こんなお話もあるんですよ。
牛神社の神域では、一切の樹木の伐採がタブーとされ、禁を犯すと覿面に神罰がくだるとされる。「樹木ばかりじゃないです、こないだも祈願牛を不敬なやり方で持ち去ろうとした者が事故で酷い目に遭いましてねえ……」
生贄を求めてやまない牛塚の霊威は、ますます盛んのようだ。
大祭にはたくさんの人が訪れる
境内は参拝者も観光客も他に全くおらず、ひっそりとしていました。でも3月・5月・9月の5日の大祭、他の月の5日は小祭には屋台なども出て、たくさんの人が訪れるそうですよ。
あなたの願いが叶いますように
地元では牛神様として親しまれているそうです。神社の入り口にお供え用の牛が売られていました。もちろん無人販売。あなたの願い事も叶いますように☆(2008年05月05日訪問)【麻理】
参考文献
地図&情報
田倉牛神社(たくらうしがみしゃ)
住所 :岡山県備前市吉永町福満898-3
電話 :0869-84-2513(備前市吉永町観光協会)
時間 :参拝自由
駐車場:なし