鳥取県境港市の海とくらしの史料館は日本一の規模を誇る水のない水族館──つまり魚の剥製を展示しているユニークな施設。700種類、4000点の魚類、甲殻類の剥製が見られます。
700種類、4000点の剥製
海とくらしの史料館には700種類、4000点の魚類、甲殻類の剥製がコレクションされています。剥製の魚というと、長崎の島の館・シーファンタジックアリーナを思い出します。

大型の剥製に驚く
島の館も度肝を抜かれましたが、こちらの史料館にもさらに驚かされました。ぶら下がったり、床に置かれた剥製がデカイ! 多い! そしてなぜかハリセンボンがびっちり天井を覆っています。
色鮮やかな剥製
私が目を見張ったのは色の鮮やかさ。実は私は最近標本作りに目覚めまして、実際に作ったり資料を読んだりしているのですが、魚の標本作りはかなり難しいんですよ。特に生きているときそのままの色を保つのが難関。生き物は命がなくなると色があせてしまうんですよね。
種政幸氏開発の独自の技法
これらは境港の水産会社に勤務されていた種政幸(たねまさゆき:現・瀬戸内海水産美術工芸研究所所長)さんが、「子供たちにたくさんの魚を見せてあげたい」という思いから、30年以上の年月を掛けて開発されたという素晴らしい剥製です。
チョボリンは2.8メートルのマンボウ
樹脂で固められた剥製は表面がぬらぬらと光っていて、まるで海の中の魚そのもの。こちらの巨大マンボウは、浜村小学校の平尾あいさんが命名した「チョボリン」。平成18年から展示されています。名前は可愛いけど、実物は2.8メートルもあるんですよ。
ハリセンボン通りのトンネル
ハリセンボン通りというトンネルも作られています。さっきも天井びっちりハリセンボンがぶら下がっていたけど、なぜこんなにハリセンボンばかりなのか。種氏がハリセンボン好きなんでしょうか。
ハリセンボン豆知識
ここでちょっと豆知識。針千本(ハリセンボン)という名前ですが、実際のトゲは350~400本ぐらいなんですって。この針はウロコが変化したもので、危険が迫ると大量に水を飲んで身体を膨らませて針を立たせているんですよ。ウンチク終わり。
剥製アートギャラリー
剥製をアートとして飾ってあるギャラリーコーナもあります。これ欲しいー! ニシキエビなんか、これそのままの色ですよ。ペイントしてあるわけじゃないんです。カラフルー&ゴージャス。かっこいいなあ。
観光客のみなさんは別のスポットへ
私的にはこの剥製制作テクニックを真似したいと、鼻息荒くウホウホ見ていたのですが、観光客の皆様はここを二の次三の次にして別の観光地へ急がれているご様子。そう、境港市自慢の最もメジャーなスポットはすぐ近くの水木しげるロードだからなんですね。(2008年05月05日訪問)【麻理】

参考文献
地図&情報
海とくらしの史料館(うみとくらしのしりょうかん)
住所 :鳥取県境港市花町8-1
電話 :0859-44-2000
入館料:大人410円
時間 :09:30 ~ 17:00(入館16:30まで)
休館日:火曜日 (祝日の場合は翌日)・年末年始
駐車場:無料
関連URL:海とくらしの史料館