福井県敦賀市の氣比神宮。主神は伊奢沙別命(いざさわけのみこと)。大鳥居は木造の朱塗り鳥居では広島の厳島、奈良の春日と並んで日本三大鳥居に数えられています。
参拝の際には「長命水」をチェック
拝殿も立派ですね。参拝の際にチェックすべきは長命水。獅子の頭に亀の体という変わった像から水が噴き出しています。西暦702(大宝2)年、氣比神宮の造営中に突然涌きだしたんだそうですよ。目立たないところにあるのでご注意。
ちょっと変わった土公塚を見るため
観光地としても大人気の氣比神宮。福井の観光ガイドブックには必ず載っています。なのになぜ珍スポ好きの私がここを訪れたのかというと、この神宮の片隅にある土公塚(どくう・どこう・ろっくう……読み方いろいろ)を見てみたいなと思ったからなんです。
伊奢沙別命降臨の地
東参道の駐車場の隣にあるのが土公です。目立たない場所にありますが、実はこっちこそが氣比之大神、伊奢沙別命(いざさわけのみこと)降臨の地。また弘法大師・空海にゆかりがある場所でもあります。空海が唐に渡る前にこの氣比神宮を訪れ、航海の安全を祈るためが祭壇を設けて7日7夜の大業を修した場所だと言われています。
戦後の土地計画法によって譲渡
しかし戦後の土地計画法によって境内が学校用地として譲渡された際に、この土公も小学校の土地になってしまったんですよ。重要な聖地でありながら、小学校の校庭内にぽつんと隔離されてしまっています。なんともはや。
土を司る神・土公神
さて、土公とはいったい何なのかというと、土公神(どくじん・読み方いろいろ)のことです。春は竈、夏は門、秋は井戸、冬は庭というように四季により位置を変える、土を司る神です。陰陽道ではこの神の居ないときに土を犯すと大変なたたりがあるとされ、氣比神宮の社家文書にも「触るべからず、畏み尊ぶべし」と言い伝えられています。
土用に関する陰陽道のしきたり
私たちの日常でかかわりがあることと言えば、ウナギを食べる土用の丑の日なんかが有名ですね。土用は夏だけでなく春夏秋冬あります。土用は土公の神様が支配する期間といわれているので、土用の間は土を動かすようなこと、例えば春に竈(台所)のリフォームをしたり、冬にガーデニングをしたりというのは陰陽道的には凶ってわけ。
土の神が封じ込められた土公塚
土公神が封じ込められているという氣比神宮の土公塚は、木々がうっそうとしていてちょっとした森みたい。校庭で元気に走り回る子供たちを暖かく見守っている土の神様が見えるような気がしました。(2007年06月09日訪問)【麻理】
参考文献
地図&情報
氣比(気比)神宮(けひじんぐう)・土公塚
住所 :福井県敦賀市曙町11-68
電話 :0770-22-0794
休業日:年中無休
時間 :09:00〜17:00
駐車場:無料
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