吊り橋理論をご存知ですか? 渓谷にかかる揺れる吊り橋で話をした男女が恋に落ちやすいという学説。福井県にあるのですよ、うってつけの揺れる吊り橋が。その名もかずら橋です。
うってつけの揺れる吊り橋・かずら橋
吊り橋理論によると揺れる吊り橋の緊張感によって恋愛感情が高まるらしいのですが、私がこの学説を聞いた時は「今時あぶなっかしい吊り橋なんかめったにないし、そもそも吊り橋が架かってるような秘境に一緒に行ってくれる異性は、すでに好意があるでしょ」って思ったものです。
かずら橋というと、徳島県のかずら橋が有名ですが、サルナシ(シナチクカズラ)などの葛類で作られた吊り橋はみな「かずら橋」と呼ぶんですね。
アドベンチャーボートと一緒にどうぞ
福井のかずら橋は、前回の記事のアドベンチャーボートが行われる場所からクルマで10分ほどの場所、お蕎麦屋さん・そば道場の裏にあります。写真中央やや左の、日本庭園の奥にある三角形の木がかずら橋の端っこ。アドベンチャーボートで下った足羽川(あすわがわ)の上に架かっています。
ただ単に渡るだけの橋
橋の渡り賃は大人300円。この橋は渡ってどこかに行くためのものではないので、行って帰っての往復の料金です。小さな木の小屋でチケットを買っていざ出発。
昔話に出てくるような架け橋
かずら橋の全長は44メートル。高さは12メートル。平成22年の4月に架け替え工事をしたそうですが、かずらがぐるぐると巻きつけられた橋は、昔話に出てくるようなクラシカルな架け橋。
渡る前からすでに怖い
うっ……。高所恐怖症の私にとって、これはかなり怖い。渡る前から心臓バクバクです。他の観光客のみなさんも手で葛を掴みながら、そろそろと渡っています。
わかっちゃいるけど……
かずら橋と言っても、葛と板だけで作られているわけではありません。太いケーブルに葛が巻かれていますし、丈夫そうなワイヤーで橋桁などを補強してあります。安全性も十分です。
うん、分かってます。分かってはいるのだけど膝がカクカク震えて仕方ありません。ちょ、ちょっと板が割れてるところあるんだけど、本当に大丈夫なの?
足が小さいとよけいに怖い
それに板と板の間に隙間があって、下の川の様子が覗けるのが怖い。私の足のサイズは21センチほどしかありません。うっかり斜めに足をついてしまうと、隙間にズボッとはまり込んでしまうのです。大人の男性ならともかく、女性や子供は慎重に歩かないと隙間に足を取られかねません。
は、し、を、ゆ、ら、す、な!
へっぴり腰でふらふらしながら、ようやく橋の半分まできました。ううっ。川を覗きこんだだけでめまいがする。これ何の修行だよ。
葛にしがみついている私の横を、男性が何にもつかまらずにスタスタと通りすぎて行きました。ぎゃー! ちょっ、やめんか! 橋がぐらぐら揺れてるでしょーが!
橋の向こうには観音像
冷や汗かきながらようやく向こう岸にたどり着きました。向こうには観音様の石像がありました。穏やかなお顔を見てちょっとだけ心臓のバクバクがおさまったかも。ああ、でもこれからまたこの橋を戻らなきゃいけないんですよね……。
吊り橋理論の実践にぜひどうぞ
かずら橋は男女で渡ったらかなりの高確率で恋愛が芽生えるでしょうね。どっちも怖がりで手を握り合いつつ必死で渡るのも良いし、どちらかが「大丈夫だよ!」と励まして渡るのも好感度アップ。でも「これがどーしたの?」って高所も平気な人だとダメですけどね。狙ってる異性がいる方は誘ってみてはいかがでしょう。
おそばも楽しんでね
かずら橋でぐったりした後は、すぐ近くのそば道場で一休み。美しい日本庭園とかずら橋を眺めながら手打ちそばを堪能しました。おろしそばはさっぱりしてて美味し〜【麻理】(2011年09月25日訪問)
参考文献
地図&情報
かずら橋(かずらばし)
住所 :福井県今立郡池田町志津原
電話 :0778-44-8003(池田町総務政策課)
料金 :大人300円
営業期間:04月〜11月(※冬季閉鎖)
休業日:冬期(12月~3月頃)
時間 :09:00~17:00
駐車場:無料