お堂にみっちりつまった生首!? 夜中に遭遇したらぎょっとしてしまうかも。ここは神戸市東灘区のくび地蔵(花松首地蔵)。前回の小浜の首地蔵に引き続き、兵庫県の首だけ地蔵その2です。
前回の小浜の首地蔵に続いて花松の首地蔵
兵庫県宝塚市の小浜の首地蔵は、お地蔵様御本人(?)の希望によりお堂のない雨ざらし状態でしたね。神戸市東灘区JR住吉駅の住宅街にあるくび地蔵は、大きさ60cmほどで小浜よりかなり小さいのですが、しっかりしたお堂に首が納まっています。
お堂にみっちり、カラフルに彩色
にしても、ちょっとみっちりしすぎではないでしょうか? お堂の大きさとお地蔵様の首の大きさがほぼ同じなのでなんとも珍。さらにこちらは口紅やファンデーションを塗ったようにに彩色されているので奇妙な風味となっています。
首から上の病気に霊験あらたか
説明書きにもありますが、このあたりはもともと花松地蔵という石仏があり、首から上の病気が治るという評判で人々に崇められていました。大正6年に地元の方々によって首だけのお地蔵様が建立され、もとからあった花松地蔵に納めて花松首地蔵と名付けられました。
阪神淡路大震災で倒壊したものを再建
大正時代に作られたにしてはちょっとキレイすぎるなあと思ったら、お堂に彫られた文字から、阪神淡路大震災のために倒壊したものを平成7年(1995)の5月に再建したのだとわかりました。確かにこのあたりは大きく被災しましたものね。
逆パターンの「首なし地蔵」について
ところで全国を旅していると、首地蔵とは逆に「首のないお地蔵さん」をよく見かけます。これは明治時代の廃仏毀釈運動によって首から上が破壊されたり、また仏像の首を拝むとお金持ちになる、病気が治るといった迷信から、首だけが持ち去られてしまったりしたからです。
首だけのお地蔵様は結構レア
そのため首だけを祀ってあるお地蔵様はかなり珍しいと思いました。宝塚市小浜の首地蔵も、神戸のくび地蔵もはっきりと首だけを建立されたことが分かっていますが、ひょっとすると今も密かに持ち去られた首だけのお地蔵様が、日本のどこかで拝まれているのかもしれませんね。(2018年05月03日訪問)【麻理】
参考文献
地図&情報
くび地蔵(花松地蔵)(くびじぞう・はなまつじぞう)
住所 :兵庫県神戸市東灘区田中町5-3-6
時間 :拝観自由
入場料:無料
駐車場:なし