阪神・淡路大震災の脅威に震える「人と防災未来センター」【兵庫】

人と防災未来センター
1995年1月17日午前5時46分。兵庫県淡路島北部を震源にM7.3の巨大地震が発生しました。神戸市中央区の人と防災未来センターは震災の経験と教訓を継承するための施設です。

人と防災未来センタービル壁面の数字

人と防災未来センター
ガラス張りのビルの壁面を御覧ください。「5:46 1995」と書かれていますね。これは阪神・淡路大震災の起こった時刻です。人と防災未来センターは震災から得た教訓を後世に伝えるための教育施設として2002年04月に開館しました。

4F震災追体験フロア:1.17シアター

人と防災未来センター

人と防災未来センターの最も素晴らしい展示は4Fの震災追体験フロア(1.17シアター)です。大型スクリーンに映し出される7分間の映像と、上映後に通り抜ける震災直後の街の実物大ジオラマは、地震の凄まじさをリアルに再現しています。実際私が体験した回では、お子さんがあまりの迫力に泣いてしまって親御さんと途中退場してしまったほどです。

また大震災ホールで上映された『このまちと生きる』(15分)という短編映画も上映されていました。私は兵庫弁で淡々と震災体験を語る主人公に涙をこらえることができませんでした。皆さん大変なご苦労をされたんですね。

なおあまりに衝撃的な映像であるため、小さいお子さんや妊婦さん、被災体験がある方はこのフロアをパスすることもできます。

4Fフロアの撮影はできませんでしたので、画像はフロアマップ・ゾーン紹介 | 人と防災未来センターよりお借りしました。

震災に関する記録・資料の3Fフロア

人と防災未来センター
3Fから2Fにかけては震災に関する記録や資料の展示コーナーとなっています。こちらでは展示品の説明をしてくださる地元のボランティアの方々がいらっしゃいました。お話をうかがいながら見学しましたよ。昔の記憶を語るのは辛いことでしょうに……。でも地元の方のお話を直接聴けるというのはとても貴重な体験ですね。

あの大震災から25年近く経つのか

人と防災未来センター
もう25年近く経つんですね。まだネットがなかったので、当時の主な情報源はテレビでした。この柱が折れた高速道路の映像を何度見たことでしょう。建物や道路が崩れた様子は繰り返し放映されましたが、SNSがない時代だったので、この地域に住む方々の生の声はあまり伝わってきませんでした。インタビュー映像のお話に、改めて震災の怖さを感じました。

震災当時から復興までの再現ジオラマ

人と防災未来センター
このコーナーでは震災当時から復興にかけての人々の様子をジオラマや再現映像、インタビュー映像などで知ることができます。阪神・淡路大震災は高齢化が進んだ人口密集地帯を直撃したため、6400人を超える尊い人命が失われました。

地震発生当時の様子

人と防災未来センター

地震当時に亡くなった5036人の、76%に当たる3842人は地震発生後1時間以内に亡くなりました。その9割が圧死、窒息死だったそうです。というのもこの地域には木造家屋が多く、倒壊した家屋の下敷きになってしまったからです。早朝だったこともあって就寝中の方が多かったのですね。

避難生活へ

人と防災未来センター
家が全半壊してしまった方々は近くの学校などの公共施設に避難して生活しました。仮設住宅が建設されるまでは、体育館や教室、また公園や自家用車で寝泊まりしている方々もいらっしゃいました。

精神的に辛いすし詰めの避難生活

人と防災未来センター
このジオラマのように避難所では人々がすし詰め状態で暮らしていて、公共施設での避難生活ではプライバシーを確保することが難しかったようです。ひとりぼっちで心細かった方はホッとしたでしょうが、やはりこれはかなり精神的に辛かったとガイドの方がおっしゃっていました。

仮設住宅建設から入居へ

人と防災未来センター
震災発生後1ヶ月ほどでプレハブの仮設住宅への入居が始まりました。けれども立地が郊外だったこともあってなかなか引っ越しが進まなかったようです。急に環境が変わって馴染めず、孤独死する高齢者の方々もいらっしゃました。

今では地震があったと思えないほど復興したけれど

人と防災未来センター
それでも少しずつ復興は進んでいきました。現在の神戸の近代的な町並みを見ると、ここで本当に巨大地震が起こったのだろうか──と思うほどの発展ぶりです。私はガイドの方のお話を聴きながら何度も胸が詰まるような思いをしました。この地震で得られた教訓を未来に活かせるよう、人と防災未来センターが存在する意義は大いにあると思いました。

日本で暮らすすべての人に訪れてほしい施設

人と防災未来センター
2011年03月11日の東日本大震災は阪神・淡路大震災を上回る1万8432人もの死者・行方不明者を出した巨大地震でした。日本で生きる限り地震からは逃れることはできません。ぜひともたくさんの方に足を運んでほしい施設です。(2018年05月04日訪問)【麻理】

追記:津波避難体験コーナー新設

2018年08月に津波避難体験コーナーが東館3階に新設されました。 津波避難体験の所要時間は8分で津波の実写映像とCG映像が広がります。 地震発生後に押し寄せる津波から高台にある避難施設を目指す想定で、体験中は歩行装置に乗り、水圧がかかる中での歩行がどれだけ困難かを体感できます。

参考文献

地図&情報

人と防災未来センター(ひととぼうさいみらいせんたー)

住所 :兵庫県神戸市中央区脇浜海岸通1-5-2
電話 :078-262-5050
休業日:月(祝日・振替休日の場合は翌日)
時間 :09:00~18:00
入館料:大人600円 ※毎月17日は無料(17日が休館日の場合は、翌18日)
駐車場:有料
関連URL:人と防災未来センター

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