(閉館)旅の大先輩に学べ!「淡路ワールドパークONOKORO(1)兼高かおる旅の資料館」【兵庫】

淡路ワールドパークONOKORO1(兼高かおる旅の資料館)
『兼高かおる世界の旅』という番組を知っていますか? 1959年から1990年までの約30年間、TBS系列で日曜に放映されていた旅番組です。今回は兼高かおる旅の資料館をご紹介します。

2020年2月28日に閉館された施設です。追記参照のこと。大変残念です。楽しい想い出をありがとうございました。

淡路島のテーマパーク・淡路ワールドパークONOKORO

淡路ワールドパークONOKORO1(兼高かおる旅の資料館)
兵庫県淡路島にある、淡路ワールドパークONOKOROへやってきました。ONOKORO(おのころ)とは、イザナギ・イザナミの国生み伝説に登場するおのころ島=淡路島説に由来します。淡路ワールドパークONOKOROは淡路島で一番人気のテーマパークなんですよ。

TBS系列の『兼高かおる世界の旅』

淡路ワールドパークONOKORO1(兼高かおる旅の資料館)
広い園内で真っ先に駆けつけたのがここ兼高かおる(かねたかかおる)旅の資料館です。兼高かおるさんは1928年02月29日生まれ(閏年とは珍しい!)。1969年から始まったTBS系列の『兼高かおる世界の旅』という番組は1990年までの31年間に計1586回放映されました。彼女は我々旅を愛する珍スポットハンターの大・大・大先輩であります。

レポーター、ディレクター、ナレーターの3役をこなす才女

淡路ワールドパークONOKORO1(兼高かおる旅の資料館)
淡路ワールドパークONOKORO内にある兼高かおる旅の資料館は彼女が成し遂げた偉業を称えるために開設されました。取材で着た民族衣装、旅のお土産、フィルム、書籍などたくさんの資料を展示してあります。こちらは自ら編集作業を行う兼高かおるさん。彼女は旅のレポーターだけでなく、ディレクター、ナレーターまでこなす才女なのです。

1960年代のフィルム編集風景を再現

淡路ワールドパークONOKORO1(兼高かおる旅の資料館)
これは1960年代のフィルムの編集風景を再現しているんです。わー、懐かしー! 私は高校生時代はアニメ部、大学生時代は映画研究会(映創会)のメンバとしてこんなフィルム編集作業をやっていたんですよ。昔はフィルムを光に透かしながらパチパチとハサミを入れて、テープでつなぎ合わせていたんですね。今の若い子はフィルム自体をご存知ないかもですが。

1960年当時は手巻きのゼンマイ式カメラ

淡路ワールドパークONOKORO1(兼高かおる旅の資料館)
そしてカメラマンの撮影風景。彼が手にしているのは16mmフィルムカメラ・ベル&ハウエル。電動じゃありませんよ。手巻きでジーコロ、ジーコロぜんまいを巻いて撮影するんです。今ならスマホで簡単に撮れる動画も昔は手動のぜんまいじかけ。重くて大変だったでしょうね。

1ドル360円、1日のドルの持ち出しが17ドルという時代

淡路ワールドパークONOKORO1(兼高かおる旅の資料館)
展示ケースには兼高かおるさん自らが買い付けた世界各国のお土産品が並んでいます。1959年当時は1ドル360円で、1日のドルの持ち出しが17ドルという規制がありました。一般庶民にとっては海外旅行は夢のまた夢だった時代です。そんな状況で『世界の旅』という番組が放映できたのは、スポンサーであるパンナム航空のおかげです。

パンナム航空のおかげで実現した旅番組

淡路ワールドパークONOKORO1(兼高かおる旅の資料館)
たまたま超日本びいきだった極東地区広報支配人デビッド・ジョーンズさんのお力により、飛行機は全てファーストクラス、泊まるホテルは超一流──と最大限に便宜を図ってくれたのです。兼高さんはバイタリティがあるだけでなく、かなり強運の持ち主なんですね。

ベトナムのアヘン吸引器などという珍品も

淡路ワールドパークONOKORO1(兼高かおる旅の資料館)
当時ならではのお土産品もちらほらありますよ。こちらはベトナムのアヘンの吸引器。こんなものを持ち出せたのも、昔はのんびりした時代だったからでしょうね。他にも今では決して手に入らないお宝がたくさんあります。

私にとって兼高さんは「旅の女神」

淡路ワールドパークONOKORO1(兼高かおる旅の資料館)
紛争地帯や治安の良くない地域もたくさんあったでしょう。それに女性は生理もありますから男性に比べて肉体的ハンデもあります。海外旅行をする日本人がとても珍しかった時代に、女性がこれだけの長期間旅をし続けたことに心から感銘を受けました。旅好きの私にとって兼高かおるさんはは「旅の女神」と言っても良いぐらいの存在です。

北極点まで旅した兼高かおるさん

淡路ワールドパークONOKORO1(兼高かおる旅の資料館)
写真は1989年に北極点で30周年の旗を振る兼高さん。1990年の秋に『世界の旅』は惜しまれつつ幕を閉じました。長年の功績をたたえて、兼高さんには菊池寛賞と紫綬褒章が贈られました。番組終了のきっかけは、スタート時から応援していたTBS、スポンサー企業の幹部、カメラマンなどが短期間に10人も亡くなったからだそうです。

日本だけでなく多くの国にとっても貴重な資料館

淡路ワールドパークONOKORO1(兼高かおる旅の資料館)
こんな素晴らしい番組が放映されていたことに胸が熱くなります。半世紀も前の映像は日本だけでなく多くの国にとっても貴重な記録です。兼高かおる旅の資料館は今後もずっと存続してほしい、大切なミュージアムです。(2018年05月04日訪問)【麻理】

追記

昭和60年のオープン以来、35年間にわたって親しまれてきた淡路ワールドパークONOKORO【兼高かおる旅の資料館】は2020年2月28日に閉館となりました。詳しくは以下のサイトを御覧ください。
【兼高かおる旅の資料館】閉館について | イベント・お知らせ | 淡路ワールドパークONOKORO

参考文献

地図&情報

淡路ワールドパークONOKORO・兼高かおる旅の資料館(あわじわーるどぱーくおのころ かねたかかおるたびのしりょうかん)

2020年2月28日に閉館された施設です。追記参照のこと。大変残念です。楽しい想い出をありがとうございました。

住所 :兵庫県淡路市塩田新島8-5
電話 :0799-62-1192
休業日:年中無休
時間 :3月~9月 9:30(平日は10:00)~17:30 夏休み期間中は、9:30~18:00
10月~2月 9:30(平日は10:00)~17:00
入場料:大人1400円(乗り物料金は別)
駐車場:無料(1000台)
関連URL:★休日は淡路島へ!淡路島の観光-★淡路ワールドパークONOKORO【公式HP】淡路島 観光

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