いったいなぜ? 名刹の中の珍でハイテクな像「須磨寺(すまでら)」【兵庫】

須磨寺
兵庫県神戸市の須磨寺は、平家物語にも登場する兵庫屈指の名刹です。でもなぜか境内に点在する像はヘンテコテイスト。数百体の石人形で表現された源平のジオラマもかなりユニークです。

源平ゆかりの古刹として全国的に有名

須磨寺
須磨寺(すまでら)の開山は仁和二年(886)。正式名称は「上野山福祥寺(じょうやさんふくしょうじ)」ですが、昔から須磨寺の通称で親しまれてきました。平家物語に登場する人物たちと深く関わり合いがあり、源平ゆかりの古刹として全国的に有名なお寺です。

平敦盛と熊谷直実の悲劇

須磨寺
例えば紅顔の美少年、16歳で命を落とした平敦盛(たいらのあつもり)と、その首を落とした熊谷直実(くまがいなおざね)の物語。古文の授業で胸を熱くした腐女子の皆様もきっと多いことでしょう。戦場で笛を奏でる美しい青年なんて、すごく絵になりますよね。

敦盛が愛した「青葉の笛」の展示

須磨寺
その平敦盛がこよなく愛していた「青葉の笛」は須磨寺の宝物館に展示されていますので、敦盛ファンの聖地巡礼の地としても人気の高いお寺です。松尾芭蕉、与謝蕪村、正岡子規などの歌人も須磨寺に足を運び、歌を詠んでいるんですよ。

目玉と首がまわる、ぶじかえる

須磨寺
ただそんな歴史のあるお寺なのに、なぜか境内にはヘンテコな銅像、石像が点在しているのです。こちらは「ぶじかえる」と題された石像。

ボクは目玉と首がまわる蛙です ビックリしたい人は目玉を、借金で困っている人は首をまわして下さい

と書かれています。ビックリしたい人なんているのかなあと首をかしげつつ回してみました。

みざる、いわざる、きかざる、おこらざる、見てござる

須磨寺
みざる、いわざる、きかざるに加えて、おこらざる、見てござるという5人のメンバーから成るモンキーズ。怒ら猿はいいと思うんですが、見てござるって、ただ見てるだけ? しかもセンターポジションだし、ナゾの大物感を出してます。

頭をなでると手が動くよ

須磨寺
このお猿さん頭を撫でると両手がセンサーで動いて、コマネチっぽい動き(古い!)をしてくれます。カワイイけどなんだかよく分からない像です。

きんぽとん童子って何だろう

須磨寺
左は「きんぽとん童子」。初めて聞く名前だと思ったら、きん(金太郎のように健康で)ぽ(浦島太郎のように夢をもって)とん(敦盛のように心優しく音楽を愛してほしい)と願いを込めて作られた像のようです。右ははこけし型の親子地蔵

音楽を奏でるシベリア抑留の慰霊碑のクマ

須磨寺
こちらのクマちゃんは頭に手を乗せると、「異国の丘」という音楽が流れます。なぜクマ? と思ったのですが、こちらはシベリア抑留の慰霊碑で、シベリアの大地に遊ぶクマを表現しているのだそうです。一絃琴のぴよ〜んという音が哀愁たっぷりです。

青葉の笛を演奏できるマシン

須磨寺
そして順番にボタンを押していくと、平敦盛をイメージした唱歌「青葉の笛」の曲を演奏できるマシン。遊びに来ていた子どもたちがめちゃくちゃに押して遊んでいました。順番を待って、その後に全部押してみました。悲しげな歌でした。

一の谷のいくさ破れ
うたれし平家の公達あわれ
暁寒き須磨の嵐に
聞こえしはこれか青葉の笛

お堂型のからくり時計

須磨寺
そしてからくり時計。定時になると小坊主さんが境内くるくる回りながら掃き掃除をします。和尚さんが念仏を唱えたり、お姫様が左右から現れたり、源平合戦絵巻が繰り広げられたり──となかなか凝った作りです。

これらの像やマシンは近年になって作られたものに間違いありませんが、ご住職の趣味なのかしら。

須磨寺小石人形舎の石人形たち

須磨寺
そしてもう一つの須磨寺の珍な見どころは、須磨寺小石人形舎です。源平一の谷合戦から800年目にあたる昭和59年に、故木島武雄さんという作家さんが寄贈した小石人形を展示してあるコーナーです。

須磨の浜辺の石で作られた人形のジオラマ

須磨寺
須磨の浜辺で拾ってきた小石を着物に見立てて、源平合戦の状況をジオラマで再現してあります。ふーむ、この発想はなかった。ガラスケースに何百もの人形たちがおさめられていてなかなかの迫力です。

歴史的文物とハイテクが混在する不思議なお寺

須磨寺
例の平敦盛が笛を奏でているシーンや、安徳天皇入水のシーンも。こちらもセンサーで作動する仕掛けがありました。須磨寺は歴史ある文物の展示と、ハイテクで珍な展示の両方を楽しめる不思議なお寺でした。(2018年05月06日訪問)【麻理】

参考文献

地図&情報

須磨寺(すまでら)

住所 :兵庫県神戸市須磨区須磨寺町
電話 :078-731-0416
時間 :8:30~17:00
拝観料:無料
駐車場:無料(35台)
関連URL:大本山 須磨寺