右京区の木島坐天照御魂神社。読み方はこのしまにますあまてるみたまじんじゃ。地元の方は蚕の社、木嶋神社と呼んでいます。世にも奇妙な三本足の鳥居、三柱鳥居をご覧ください。
境内は子供の格好の遊び場
境内に入ると子供たちが元気に駆け回っています。この神社の隣には、このしま保育園があるのです。鬼ごっこをしている男の子が私の方に突進してくるので、おっととと身をかわしました。子供にとってこの神社はワンダーランドなんでしょうね。
呪術的な気が渦巻いているような
境内の奥へ向かうと、例の三柱鳥居が見えてきました。残念ながら柵に囲まれて近づけないのですが、遠く離れて見ても何やら呪術的な気が渦巻いているような神秘性を感じます。
秦氏が養蚕と織物の神を奉った神社
続日本紀(しょくにほんぎ)によれば、蚕ノ社の建立は7世紀頃。昨日レポートした天塚古墳でも出てきましたが、このあたりは渡来人の秦氏(はたし)の勢力地。この蚕の社も養蚕の技術を持っていた秦氏が養蚕と織物の神を奉った神社と言われています。
鳥居を三角形に組み合わせたような形
三柱鳥居は、鳥居を三角形に組み合わせたような形をしています。三角形の中心には石が積み上げられた神座(かみくら)があります。ここは宇宙の中心を表しています。神座というのは神が降臨する場所ですね。
キリスト教?ユダヤ教?諸説紛々の謎の鳥居
「キリスト教の『三位一体』と関係があるのでは」「ユダヤ教の『ダビデの星』の形状に似ている」などなどオカルティックな説もあり論争になっているのですが、現在もこの鳥居の由来は謎のままとなっています。
古代史の謎解きをしてみてはいかが?
ただし説明書きに書かれている「日本唯一」というのはどうも違うらしく、三柱鳥居は長崎、東京、奈良など全国に数基存在しています。子供たちの他、観光客もあまりいない静かな境内で、古代史の謎解きをしてみるのも想像力が刺激されて楽しいものですね。(2006年05月12日訪問)【麻理】
参考文献
地図&情報
三柱鳥居・蚕の社(かいこのやしろ)・木嶋神社・木島坐天照御魂神社(このしまにますあまてるみたまじんじゃ)
住所 :京都府京都市右京区太秦森ヶ東町50
電話 :075-861-2074