石なんかどこが面白いの? 地学って地味でつまんなさそう──なんておっしゃるあなた、京都市上京区の石ふしぎ博物館へ行ってみましょう。石に対する見方がガラっと変わりますよ。
一件ごく普通の鉄筋ビルだけど……
石ふしぎ博物館は、財団法人・益富地学会館(ますとみちがくかいかん)が運営しています。博物館の外観はごく普通の鉄筋ビルですが中に入ると驚くべき石ワールドが広がっています。
アマチュア学者・益富寿之助博士の功績
創設者は益富寿之助(ますとみかずのすけ)博士(1901~1993)。彼は薬剤師だったのですが、地学好きが高じて研究に没頭し紫綬褒章までもらった学者です。階段には石の写真と益富先生の偉大な足跡ギャラリーが。
年間1万人が訪れる化石・岩石研究のメッカ
所蔵標本は2万点、数千冊の地学関係の研究書、研究用機器が収蔵されていて年間1万人の見学者が訪れます。私が訪問したときも3階の展示室で地学の研究会が行われていて、参加者にまぎれて地学講義を拝聴することができました。
不思議な石の数々に驚き
講義を邪魔しないようにそろりそろりと展示を見て回りましたが、思わず何度も「わあ!」と声を出してしまいそうになりました。ご覧ください、この不思議な石の数々を! グルグル渦巻き模様の孔雀石、ブタ肉そっくりのブタ肉石。
ピクチャーストーン、オケン石など
砂漠の風景を描いたような偽層砂岩(ピクチャーストーン)、ふわふわの毛が生えているオケン石。スゴイスゴイ!
暗い場所で光る石
研究員のお姉さんが、にこやかに石の解説をしてくださいました。この光る石、明るいところではごく普通のどこにでもある石。でも暗い場所で紫外線を当てると蛍光色に光るんですよ。緑、青、赤と様々な種類があるそうです。
石への愛を感じる博物館
私のような素人でも興味を持てるのは、この博物館には「愛」があるからです。それぞれの石には説明書きがついていて「ほら、石ってこんなに面白いんですよ」と語りかけてくるようです。きっと研究者自身が石を楽しんでいるからでしょうね。
遊び心あふれる楽しい展示
公的な博物館はただ展示してあるだけの冷たい印象のものが多いのですが、ここは暖かみのある展示でとても好感が持てます。左下にご注目。ハエのおもちゃがついています。こういう遊び心が展示を面白くしているんですね。
おみやげに珍しい石はいかが?
1階には採集器具や珍しい石の販売コーナーもあります。水晶や瑪瑙などきれいな石がいっぱい。私も下にある文字を写し出すテレビ石をお土産に買いました。
驚きを愛する人へオススメの珍スポット
石「ふしぎ」博物館の名前は伊達じゃない。不思議な石をたっぷり見られますよ。夏休み自由研究のテーマを探している小学生からセンスオブワンダーを愛する大人まで全ての方にオススメのスポットです。(2006年05月13日訪問)【麻理】
参考文献
地図&情報
石ふしぎ博物館・益富地学会館(ますとみちがくかいかん)
住所 :京都市上京区出水通り烏丸西入る
電話 :075-441-3280
時間 :10:00~16:00
入館料:大人300円(18歳以下無料)
開館日:土曜日・日曜日・祝日のみ開館(平日は閉館)
駐車場:なし(周囲に100円Pあり)
関連URL:益富地学会館|石ふしぎ博物館|岩石/鉱物/化石