別れたい人がいる方は京都の安井金比羅宮へどうぞ。人だけでなく、賭け事・お酒・タバコにも有効。碑の表から裏へ穴をくぐり抜けると悪縁を切り、裏から表へ通と良縁を結ぶのだとか。
悲劇の天皇・崇徳天皇
明治維新の後に安井神社と改称しましたが、第二次世界大戦後に安井金比羅宮となりました。この神社は崇徳天皇(すとくてんのう・1123~1141)とゆかりがあります。崇徳天皇は平安後期に生まれた悲劇の天皇。母親の待賢門院(たいけんもんいん)が叔父である白河法皇と通じてできた不義の子であると言われていました(真相は不明)。
怒りの末クーデターを起こす
父親の鳥羽天皇からはうとまれ、天皇の座から引きずり落とされ、異母弟である近衛天皇に呪いをかけて殺したと噂され、屈辱と怒りに燃えていた崇徳天皇。とうとう藤原頼長と共謀してクーデターを起こします。これが日本史の授業で習った保元の乱。
日本国の大悪魔になる!
結果クーデターは失敗し、皇族であるにもかかわらず讃岐に流されて軟禁されます。一度は仏教にすがり反省を込めて写本を朝廷に贈ったりもしたのですが「呪いが込められているに違いない」と突っ返され、ついにブチ切れ。舌をかみ切った血で「日本国の大悪魔になってやる」と書き、世の中を呪いながら亡くなったと言います。
崇徳天皇の呪い、恐るべし
とことんツイていないというか、全てが悪い方へ悪い方へと向かってしまった悲しい人ですね。その怨念のためか、都では大火事・疫病・大地震が起こり、人々は震え上がったと言います。
全ての欲を断ち切った哀しみが悪縁を断ち切る
この地にはかつて安井金比羅宮の前身である光明院観勝寺があり(応仁の乱で荒廃)、崇徳天皇の冥福を祈っていました。なぜ崇徳天皇が悪縁切りと関係があるのかというと、流刑に処せられたとき讃岐の金刀比羅宮で欲を断ち切って仏教に帰依したことが由来。
愛する寵妃・烏丸殿とも分かれねばならなかった崇徳天皇の哀しみが、男女の仲を裂く悪縁を絶ち切ってくれるのです。
男女の仲を裂く悪縁を切る
安井金比羅宮の見どころは縁切り縁結び碑(いし)です。社務所の前にある高さ1.5メートル×3メートルの巨石の真ん中に直径50センチほどの穴があいています。御札がわさわさしている様子は目を引きますね。
縁切り縁結び碑を通りぬける
まずはおふだに切りたい縁や結びたい縁を書きます。碑の表から裏へ穴をくぐり抜けると悪縁を切り、裏から表へ通と良縁を結ぶ御利益があるそうです。そして最後に御札を貼り付けます。
有名人の絵馬ギャラリーもオススメ
私もお願いしてみましたよ。安井金比羅宮には金比羅絵馬館という絵馬ギャラリーもあります。手塚治虫や水木しげるなど有名人の奉納した絵馬もありますから、ついでに立ち寄ってみましょう。(2006年05月14日訪問)【麻理】
参考文献
地図&情報
安井金比羅宮(やすいこんぴらぐう)
住所 :京都府京都市東山区下弁天町70
電話 :075-561-5127
時間 :絵馬館・ガラスの部屋10:00~16:00
休業日:絵馬館ガラスの部屋のみ月曜日・年末
拝観料:無料(絵馬館・ガラスの部屋は大人500円)
駐車場:無料(5台)
関連URL:安井金比羅宮