レトロな珍建築! 大阪人の心のシンボル「通天閣」【大阪】

通天閣
大阪新世界エリアのシンボルといえば、もちろん通天閣です! パリの凱旋門にエッフェル塔を乗せたような珍建築で知られていますね。明治時代のルナパークの歴史とともにご紹介しましょう。

天に通じる高い建物、通天閣

通天閣
通天閣とは「天に通じる高い建物」の意味です。命名者は明治期の儒学者、藤沢南岳(ふじさわなんがく:1842〜1920)です。彼は名付けのプロとして様々な建築物に名前をつけています。たとえば大阪市の精華小学校、愛寿幼稚園、小豆島の寒霞渓など。当時の高さは75mで、日本一の高さを誇っていました。

現在の通天閣は2代目

通天閣
初代通天閣は明治36(1903)年に開催された第五回内国勧業博覧会の会場跡地に、明治45(1912)年に建設されました。当時の通天閣は昭和18(1945)年に火災で焼け落ちてしまいましたが、昭和31(1956)年に地元の方々の働きかけや寄付によって2代目通天閣が再建されました。

タワー内に点在する大阪人ギャグ

通天閣
入り口から飛ばしてます。大阪人というのはギャグを言わないと死んでしまう民なのでしょうか、あっちこっちに小ネタの笑いをチョイチョイ挟んできます。壁の注意書きも、入場券もこの通り。子供の頃に商店街のおじちゃんが「はい、○百億円」と商品を手渡してくれたのを思い出しました。

日立製エレベータの天井に注目

通天閣
通天閣には「社会イノベーションの日立」「社会に貢献する日立」とでっかく書かれてある通り、2台ある展望エレベータはどちらも日立製です。金のエレベータの天井には満月に浮かぶビリケンさん、銀の方は夜空に浮かぶビリケンさんが光っていますので、上を見上げてみてくださいね。

東京タワーとは兄弟

通天閣
2代目通天閣の高さは108m。2代目の設計者である内藤多仲氏は東京タワーの設計者でもあります。つまり通天閣と東京タワーは兄弟みたいなものなんですね。東京タワーは333mなのでお兄さんかなと思いきや、実は通天閣の方が先にできているんですよ。

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通天閣と言えば、ビリケンさん

通天閣
さて通天閣と切っても切れない関係にあるのがビリケンさんです。幸福の神様ビリケンさんは、アメリカのアーティスト、フローレンス・プリッツ女史が夢の中に登場した神様をモデルに1908年にデザインしました。ビリケンさんは世界中で大ブームとなり、はるばる海を超えて通天閣までやってきました。

足の裏をなでるとご利益があります

通天閣
通天閣のまわりの商店街、飲み屋街、通天閣の内部にいろんなタイプのビリケンさんがいます。ビリケンさんの足の裏を撫でると幸運が訪れると言われているので、ほうぼうで足の裏を触ってきましたよ。どうぞどうぞ、ご利益を〜。

3代目ビリケンさんとツーショット写真

通天閣
通天閣のシンボル、3代目ビリケンさんです。秀吉の黄金の茶室のようなゴールドキンキラキンの撮影スポットが作られていて、スタッフの方が次から次へと観光客を撮影していました。普通珍スポット探訪でこういった観光写真は購入しないのですが、金色大好き女の私はまんまと買ってしまいましたよ。よっ、商売上手!

明治時代・大正・昭和のルナパーク、通天閣の歴史

通天閣
個人的に大ヒットだったのが、通天閣内部にあるミュージアムです。明治時代から大正、昭和初期にかけてのルナパーク、通天閣の歴史をパネルやジオラマで学ぶことができます。当時の入場料は大人10銭、子供5銭。価格設定としてはかなり高めでしたが、連日入場者で大賑わいだったとか。

日本初のロープウェイをそなえた巨大遊園地・ルナパーク

通天閣
ルナパークはアメリカ風の遊園地として、通天閣の南側に作られました。噴水の庭園を中心に、演技館、音楽堂、メリーゴーランド、動物・鳥類舎がありました。先にも書きましたが、通天閣とルナパーク内のホワイト・タワーはロープウェイで結ばれていました。これは大阪初どころか、日本初の旅客用ロープウェイでした。

夜も光り輝く新世界

通天閣
当時のルナパークと通天閣を再現したジオラマ。通天閣の外側は約3万個のイルミネーションで飾られて、夜も光り輝いていました。まさに新世界の風景ですよね。当時まだ珍しかった円形エレベータで展望台まで昇ると、六甲、摩耶、生駒、紀淡海峡が見渡せたそうです。当時の人々はワクワクしたでしょうね。

明治時代の絶叫マシーン・サークリングウェーブ

通天閣
明治時代の絶叫マシーン、サークリングウェーブ。お客さんはこの円形の回廊状の部分に立って手すりにつかまります。するとぐるぐると円盤が回転しながら上下するというもの。現代の私達からすると公園の危険遊具レベルの感覚ですが、昔の人はこれで絶叫していたのであります。

浴場やプールまであった一大娯楽施設

通天閣
音楽堂(奏楽堂)と動物舎です。他にも演芸場、活動写真館、噴水浴場や温水プールまであった一大娯楽施設だったんですね。新世界のルナパークは1925年に閉鎖されました。その後1943年に初代通天閣も火災で消失。戦後になるまでしばらく、新世界は寂しい風景が広がっていたようです。

2017年にリニューアルされたライトアップ

通天閣
2017年に通天閣は全面リニューアルされ、ライトアップのカラーは12色となりました。毎月色が変わるんですよ。今月6月は深緑色に夜空に輝いています。また60年間アナログだった大時計もLEDデジタルビジョンになりました。夜の通天閣もぜひお楽しみくださいな。(2019年04月21日訪問)【麻理】

参考文献

地図&情報

通天閣(つうてんかく)

住所 :大阪府大阪市浪速区恵美須東1-18-6
電話 :06-6641-9555
休業日:年中無休
時間 :08:30〜21:30
入場料:800円
駐車場:周辺に有料駐車場あり
関連URL:通天閣 [公式サイト]|展望台・タワー|大阪のおすすめ人気観光スポット(天王寺・あべの・新世界エリア)

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