滋賀県野洲市の三上山は円錐の形をしています。その美しさから近江富士とも呼ばれますが、一説には人工のピラミッドではないかとも言われています。はたして真相はいかに?
標高432mながらも意外に目立つ形
三上山(みかみやま)は標高432メートル。それほど高い山ではありませんが、平野部にぴょこんと飛び出た山なので意外に目立ちます。表登山道、裏登山道、また花緑公園側登山道があり、登山ファンもたくさん訪れます。
古くから神の山として信仰の対象に
三上山は古くから神の山として信仰の対象となってきました。山頂には磐座(いわくら)があり神社も建っています。今回は登山はせずに遠くから眺めるだけでしたが、標高432メートルなら往復2時間ぐらいで登山できそうですね。
昭和の超古代史ブームを起こした酒井勝軍(さかいかつとき)
この三上山を人工のものだと主張しているのは昭和初期に超古代史ブームを巻き起こした酒井勝軍(さかいかつとき1874〜 1940)です。出た! オカルト好きならご存知であろうこの名前。酒井は広島の葦嶽山、富山の尖山、青森の黒又山など日本各地の山を人工ピラミッドであると述べています。青森の大石神ピラミッドもその一つ。
三上山がピラミッドといえる根拠は?
三上山北東の太郎坊宮と、三上山山頂を結ぶと夏至の日の出線・冬至の日没線とぴったり重なるというのが彼の「三上山ピラミッド説」の根拠。この日本ピラミッド説は賛否両論(否定者のほうが多い)で、私個人としても三上山に対しては否定派です。
日本こそがピラミッドの発祥地!?
ただ私は竹内文書にしても、酒井勝軍にしても文字を見ただけで心ときめくのです。古代ユダヤ民族と日本の超古代史とのつながりなんてロマンチシズムにあふれていてワクワクします。さすがに「日本こそがピラミッド(比彌廣殿)の発祥地だ」とまで言い切ってしまう酒井には、おいおいちょっと待てと言いたくはなりますが。
日本ピラミッドの3つの条件
酒井の言うピラミッドの条件とは
1:山が三角形をしている
2:太陽石や環状列石(ストーンサークル)を持つ
3:ピラミッドの麓に拝殿がある
確かに頂上には太陽石と見えなくもない磐座と神社があります。山の近くにはストーンサークルを持つ辻遺跡もありますし、拝殿となる御上神社もありますものね。
三上山の麓の御上神社
三上山の麓の御上神社(みかみじんじゃ)にお参りをしてきました。境内には今も手を合わせる人がたくさんいました。三上山がピラミッドであってもなくても、古くから信仰の対象となっていたことは間違いありません。実際に唐突ににょっきりとそびえる三上山を眺めると、確かに不思議な気持ちになりました。(2016年01月09日訪問)【麻理】
参考文献
地図&情報
御上神社(みかみじんじゃ)
住所 :滋賀県野洲市三上838
電話 :077-587-0383
時間 :参拝自由
休業日:年中無休
駐車場:無料
関連URL:御上神社公式ホームページ | 近江富士三上山の麓、悠紀斎田記念御田植祭、近江の古社・御上神社ホームページ