神になろうとした男・織田信長。安土城は日本の城郭の中でも異彩を放つ奇怪建築です。滋賀県の安土城郭資料館には精巧に復元された20分の1スケールの安土城模型が展示されています。
安土城から徒歩10秒の安土城郭資料館
安土駅で安土城天主閣を模したヘンテコ建築を見ようと思っていたのですが、残念なことに2015年10月に撤去。とぼとぼと帰ろうとしたところ、駅の南側に安土城郭資料館(あづちじょうかくしりょうかん)という建物があることに気が付きました。せっかくなので立ち寄ってみたらこれが意外にも(失礼)面白かったのでした。

信長の甲冑体験もできます
入口入ってすぐに信長の甲冑が置かれています。記念撮影(1080円)用ですが、なかなか良く出来ていました。ビロードのマントがカッコイイですね。足軽の衣装はお得な540円となっております。
天下統一の拠点・安土城
安土城は天下統一の拠点として、1576(天正4)年に創建されました。京都から関東へ向かう交通の要所であり、琵琶湖にも隣接していたため湖上の交通の便も良かったからです。畿内、東海、北陸から優れた職人を呼び集め、当時の最先端の技術で作られました。
20分の1スケールの安土城模型
安土城郭資料館では20分の1スケールの安土城模型を展示しています。お城を真っ二つに断ち割ったような模型で、精巧に作られた内部を見られるのが嬉しい。この壮麗な城が本能寺の変の後に焼け落ちてしまったのは本当に本当に残念です。
安土城はなぜ焼け落ちたのか?
安土城の出火原因ははっきりしておらず
■羽柴秀吉に攻めこまれた明智光秀が火を放った説
■信長の息子の織田信雄(おだのぶかつ/おだのぶお)が明智の残党を捕まえるために燃やした説
■落雷で出火説
──などなど様々な説があります。個人的には稲妻がピシャーンと落ちて焼け落ちる姿が絵的に美しいと思います。
ミニチュアの信長にも注目
黄金の屋根に朱塗り八角形の天主閣は当時の建築の常識から言っても異様なデザインです。現代に残っていないのは非常に残念。もし織田信雄が火をつけた説が正しいとしたらまったくもってがっかりな戦術ですね。後世でもバカ息子呼ばわりされている信雄。天主閣に乗っているミニチュア信長もしょぼーん。
安土城の天守閣は「天主」閣
ところで普通のお城は「天守閣」ですが、信長は「天主」と呼ばせていたようです。天主と言えば、普通は天にまします我らの父。キリスト教の神ですね。西洋文化やキリスト教に興味を抱いていた信長は、安土城の天主閣をキリスト教の宗教施設として作ったのでしょうか?
宗教施設? 神の住まう場所?
いやいや信長のことですから、自分自身を神として崇めよとばかりに、神の住まう場所として安土城を建設したのかもしれませんね。もっとも「天主」の字を使う城は安土城以外にも坂本城や高槻城など他にも文献に出てきます。当時は漢字が統一されていなかったので単なる偶然かもしれません。でもいろんな想像が広がりますね。
ギャラリーショップには戦国武将グッズ
安土城郭資料館の一番の目玉は安土城模型ですが、他にも再現された屏風や信長関連の資料なども展示されています。ギャラリーショップは戦国武将Tシャツにバッヂ、手ぬぐいなど武将グッズも充実していました。ここ数年の歴女の皆さんの探訪で盛り上がっているのでしょうか。
カフェで家紋カプチーノをいただきましょう
併設されたカフェでは安土城模型を眺めながらコーヒーを飲むことができますよ。私が頼んだのは家紋が浮かび上がっている家紋カプチーノ(550円)。ゆるキャラのらんまるくんが描かれた、らんまるカプチーノ(550円)もあります。のんびりした良い時間を過ごせました。(2016年01月10日訪問)【麻理】
参考文献
地図&情報
安土城郭資料館(あづちじょうかくしりょうかん)
住所 :滋賀県近江八幡市安土町小中700
電話 :0748-46-5616
休業日:月曜日(祝日のぞく)、年末年始
時間 :09:00~17:00(入館16:30)
入館料:大人200円
駐車場:無料(15台)
関連URL:安土町城郭資料館