羅漢がズラリ! ラカン愛いっぱいのお寺「五百羅漢寺」【和歌山】

五百羅漢寺
和歌山市五百羅漢寺をご紹介します。地元の方から奉納された羅漢がずらりと並んでいます。古く塗装がはげた像もあれば、原色で彩られた美しいものも。ばらつきがあるのはなぜ?

ちょっと見つけにくいお寺

五百羅漢寺
五百羅漢があるお寺にはなるべく寄るようにしていますが、ここはお寺の名前もズバリそのまま五百羅漢寺(ごひゃくらかんじ)。和歌山市内の結構分かりにくい場所にあります。というのもお寺は道路から見えるところにはなくて、トヨタカローラ和歌山店の隣にある細い路地を入らねばならないからです。

雨でびしょ濡れ

五百羅漢寺
訪れた日は生憎の雨。しかもかなりの土砂降り。一応傘を持って行きましたが、雨脚が強くてビタビタになってしまいました。ご住職にお話を聞けると良いのだけど……と祈るような気持ちで路地を山門へと向かいます。

2010年に修復された仁王様

五百羅漢寺
普通お寺の仁王様(金剛力士像)は金網越しにしか見られないところが多いのですが、ここは金網なしなので見やすいです。この木造の仁王様は、文化12年 (1815) に建立されました。以前は目玉のガラス玉が割れて片目になっていたり、継ぎ目の釘が飛び出していたりしたのですが、2010年に修復作業が行われたので元通りの眼光鋭い仁王様になりました。

足腰が強くなりますように

五百羅漢寺
仁王様の近くには大きな草鞋(わらじ)が吊るされていることが多いですね。仁王様は足腰が強いのでそれにあやかるためなんですね。足元には力石が置かれていました。珍スポめぐりは足腰が命。私も足腰が丈夫になりますようにと力石に乗りました。

ご住職にお話をうかがう

五百羅漢寺
本堂を訪ねてみると残念なことに閉まっています。お留守かしら。一応ダメ元で「ごめんくださーい」とご挨拶すると、しばらくしてご住職が出ていらっしゃいました。私がずぶ濡れだったこともあって「遠くからわざわざ」とお忙しい中、いろいろお話をしてくださいましたよ。

紀州徳川八代藩主・徳川重倫の祈祷所

五百羅漢寺
五百羅漢寺は曹洞宗の禅寺。注意深い方は気づいたかもしれませんが、2枚目の写真のお寺の名前の横に葵の御紋がありましたね。ここは紀州徳川家ゆかりのお寺なのです。建立は1764年。紀州徳川八代藩主・徳川重倫(しげのり)の祈祷所として建てられました。

450体ほどの木造羅漢像

五百羅漢寺
五百羅漢寺の一番の見所はもちろん五百羅漢。これらは1837年から5年ほどかけて御殿の女中や紀州の証人が先祖供養のために奉納した仏像です。五百──といいますが、実際に存在しているのは450体ほど。すべて木造の羅漢さんです。

新しい羅漢さんと古い羅漢さん

五百羅漢寺
ところどころカラフルな羅漢さんがいますね。新しく見えるものは近年になって和歌山近隣の檀家さんが奉納された羅漢さん。古い仏像を破棄して作ったのではなく、昔からあるものを修復したそうです。地元の方に愛されている羅漢さんなんだなあと嬉しく思いました。

いつかは全てを修復したい

五百羅漢寺
すべての羅漢さんの修復作業が進んでいるわけではなく、中には首がもげていたり、顔や手足がなくなっている仏像も。ちょっと痛々しいですね。でもご住職はいつかすべての羅漢像を修復したいと語っていらっしゃいましたよ。極彩色に輝く羅漢さんがずらりと並んでいたらさぞ壮観でしょうね。そんな光景をぜひ見てみたい!

喫茶店の名前まで「ラカン」

五百羅漢寺
ちなみに道路に面した側にはお寺の系列のラカンという喫茶店があります。先代のご住職の奥様が始めたそうですが、今は他の方に経営を任せているとか。ホットサンド美味しかったです。喫茶店の名前にもつけてしまうほどのラカン愛を感じるお寺でした。(2012年06月16日訪問)【麻理】

参考文献

地図&情報

五百羅漢寺(ごひゃくらかんじ)

住所 :和歌山県和歌山市和歌浦東1-1-6
電話 :073-444-2473(原則事前予約が必要)

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