動画で見る! RPGダンジョン的ラピュタの島「友ヶ島」【和歌山】

友ヶ島
『天空の城ラピュタ』に出てくるような景色を見てみたい? 和歌山県紀淡海峡に浮かぶ友ヶ島は、明治時代から第2次世界大戦が終わるまで、軍事要塞として使用されていました。

和歌山の加太港から友ヶ島へ

友ヶ島
友ヶ島(ともがしま)は、沖ノ島、地ノ島、虎島、神島の4島を総称した島です。一番大きな沖ノ島に主な戦争遺跡があり、そこへは和歌山市加太港から出ている定期船で渡ります。

定期船で20分の船旅

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約20分の船旅。最初は曇り空でしたが、段々空が明るくなって晴れてきました。船の中はがらんとしていて、他にお客さんは4人しかいませんでした。

3.3キロの名所探訪コース

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友ヶ島に上陸しました。これは港の野奈浦桟橋にある友ヶ島(沖ノ島)の地図。名所をピンポイントで歩く約3.3キロの「名所探訪コース」(所要時間2時間半)、隅々までじっくりと回る6.1キロの「自然散策コース」(所要時間3時間半)があります。今回は名所探訪コースで歩いてみました。

【第2砲台】

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これは第2砲台。スタート地点から10分ほどのところにあります。ツタの絡まるレンガ造りの建物に心鷲掴みにされます。最初に友ヶ島は軍事要塞として使用されたと書きましたが、実は一度も実戦参加したことはありません。ですがあちこちレンガが崩れ落ちたり、壊れていたりして立入禁止となっています。

青い空、緑のツタ、赤いレンガ──

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というのも第2砲台終戦後に米軍によって爆破された上、高台にあるため雨風の影響で風化てしまったからです。しかしそれだけに廃墟としての風味が出ていて、もののあはれを感じる建物となっています。

青い空、緑のツタ、赤いレンガ──と色のコントラストが美しいですね。和歌山市の観光パンフレットの「天空の島」というキャッチフレーズの通り、まさにラピュタの世界です。

【第1砲台と灯台】

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第1砲台と灯台です。明治5年(1872)日本で8番目にできた洋風建築の灯台です。クラシカルな佇まいですが、今も稼働中の灯台なんですよ。この下に第1砲台もあるのですが、途中で立入禁止となっていて入れませんでした。

歩きやすい靴で登山

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友ヶ島の探訪はこのような山道の連続です。私は普段から1日2万歩近く歩いてトレーニングをしていますが、歩き慣れていない人はかなりハードな登山になるかもしれません。靴はハイヒールや革靴は不可。水が溜まっているところも多いですし、登山靴とまではいかないまでも歩きやすい運動靴が良いですよ。

【タカノス山展望台】

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タカノス山展望台です。標高119.90メートル。眼下に広がるのは紀淡海峡。天気が良いと、四国、六甲、和泉葛城の山も見えるんですよ。山登りのあと、清々しい風景を見ながらお弁当タイム。

そうそう、言い忘れましたが友ヶ島にはコンビニがありません。一応民宿や食堂もあるのですが、乗船前に食料・飲み物など買って展望台のベンチで食べるのをおすすめします。気持ち良いですよ。

【第3砲台】

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さあ、いよいよメインの第3砲台です。この風景はよく観光パンフレットやガイドブックに載っていますね。第2次世界大戦まで使われた島内6箇所の砲台跡の中でも最大級の規模。レンガの建物の上には木がこんもりと生え、ツタが壁を這っています。

まるで時間が止まっているような

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前日は雨降りだったので、排水口やツタから水が滴り落ちています。他に誰もいないので、水のピタピタという音、鳥のさえずりだけが聞こえます。木々の間からの木漏れ日、風が気持ちよく、時間が止まっているかのように感じました。この建物は弾薬支庫という弾薬などを貯蔵保管しておくためのもの。

弾薬支庫下の階段を降りる

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弾薬支庫の中は空っぽのホールになっています。中はもうもうとした霧が立ち込めていました。すごい湿度。雨が降ったときはどうやっていたのかしら? 当時はかなりしっかりと防湿対策していたのでしょうね。さて建物の下へ行ってみましょう。このような階段が下に伸びているので足元に気をつけながら降りていきます。

真っ暗な通路を一人歩く

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中は当然真っ暗。軍用マグライトで照らしてもかなり不気味です。言っときますけど、私一人っきりでこの中入ってますからね。全く霊感もない鈍感人間ですから、お化けが出たらどうしようとは思わないのですが、あたり一帯誰もいないので足を滑らして怪我するのが怖かったです。

地下の迷宮探検

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地下は回廊状になっていて、4つあるそれぞれの倉庫が人一人通れるぐらいの通路で結ばれています。まるで迷路のよう。暗く狭い通路を通って階段を登ったり 降りたりしていると、いったい自分がどこにいるのかよくわからなくなってきます。出口を探してあっちうろうろ、こっちうろろ。なんだかRPGゲームの主人 公になった気がしてきます。

【動画】RPGゲームのダンジョン的迷路

その様子を動画でご覧ください。6分近くあって長い上、足元が悪くかなり手ブレしているので、動画を見てご気分が悪くなりましたらごめんなさい。

マグライトと防水トレッキングシューズ必携

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お、ようやく光が見えてきましたよ。足元は水がたまってぬかるんでいます。もし第3砲台の地下ダンジョンを探検したい場合は、強力なマグライトと防水トレッキングシューズ必携ですね。

秘密の花園のような砲座

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うを、まぶしっ。樹木がうっそうとしている中庭のような光景です。これは砲座跡。昔はこの丸いところに大砲が備え付けられていたんですね。秘密の花園のようです。このような砲座のある空間が全部で4つあり、地下トンネルでつながっています。冒険気分が盛り上がって、ワクワクしました。

【将校宿舎跡】

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第三砲台を先に進むと、将校宿舎跡があります。当時の将校たちの憩いの場になっていた日本家屋です。かなり廃墟化が進んでいてボロボロ。中に入ることはできません。そろそろ船の時間が迫ってきたので、野奈浦桟橋へ急ぐことにしました。

野生生物もいっぱい

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3時間ほどの探検を楽しむことができる友ヶ島。写真のような野生生物の観察もできます(イノシシが出たら逃げてー!)。ラピュタのような風景あり、RPGゲームのようなダンジョン探検あり、明治期からの戦争遺跡ありと見所たっぷりです。

友ヶ島を見たら近くにある加太・深山要塞もぜひまわってみてください。諸君、しっかりと装備を固めて冒険旅行へいざ往かん!(2012年06月17日訪問)【麻理】

バイオハザードな風景をあなたに「加太・深山要塞」【和歌山】
和歌山県の加太・深山要塞は、まるでRPGゲームの風景。緑に覆われたレンガ造りの建物は、ノスタルジックでファンタジック。異世界に迷い込んでしまったような体験ができます。

参考文献

地図&情報

友ヶ島(ともがしま)

住所 :和歌山県和歌山市加太 友ヶ島
電話 :073-435-1234(和歌山市観光課)

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