岬の突端にそびえる堂々たる楼閣は超古代文明の遺跡のよう。千葉県の富津岬の端に建設された明治百年記念展望塔です。東京湾を一望できる見晴台に登ってみました。ただし暴風雨の中。
富津岬の最先端にある展望台
千葉県富津(ふっつ)市の富津岬は、北にある小糸川によって運ばれた土砂が細長く体積してできた洲です。岬にある県立富津公園は旧陸軍軍用地を千葉県が整備して昭和41年に開設されました。この壮大な展望台は公園からさらに進んだ岬の最先端にあります。
旧陸軍軍用地のなごりが点在
案内板を見ると分かりやすいですね。こんな風に細長い岬の端っこにあるんです。日本軍の軍用地だっただけあって、公園内には海堡(かいほ:人工島の上に砲台を供えた施設)など軍事施設が点在しています。ちなみに海保は上陸不可です。
五葉松をデザインの元にした建築
明治百年記念展望塔はその名の通り、明治100年を記念して1971年に建設されました。最上階の高さは21.8mもあります。ユニークな幾何学的デザインは、五葉松を元にしているんですって。盆栽などでよく見る松ですね。では早速登ってみましょう。
風が強くサーファーも断念
午前9時に私が到着した時、サーファーのみなさんが帰り支度を始めていました。薄暗い写真でお分かりかと思いますが、この日は曇りというだけでなくかなり強い風が吹いていたからです。海は波が高くこれではとてもサーフィンどころではありませんからね。
暴風の中展望台に登っている人は誰もおらず
明治百年記念展望塔は晴れた日には富士山がくっきり見えるため、関東の富士見百景にも選ばれているスポット。普段ならもっと観光客もいるはずですが、こんな大荒れの暴風が吹く中、展望台に登ろうという物好きは他に誰もおりません。
【動画】凄まじい風!
どのくらい凄まじい風が吹いているのか、ぜひ動画をご覧になってください。風の音がビュービュー鳴ってます。柵をがっしりつかんで踏ん張っていなければ身体が煽られてしまいそう。ううう、怖い……。
構造上の欠陥が見つかったため長らく立入禁止だった
実はこの展望塔は1971年の完成後すぐに欠陥が見つかったため、長らく立入禁止になっていました。でも2004年になって改修工事や塗装工事が行われてようやく一般公開されたという経緯があります。え…欠陥……? だ、大丈夫かな。
修復工事直前に登って大丈夫か?
けれども40年以上も海風にさらされ続けているため痛みが激しく、2016年12月03日から2017年3月末まで修復工事が行われることに。そして私が登っているこの日は、修復2ヶ月前の2016年10月09日なのです! よく見るとあちこちサビサビでボロボロ。……これあんまり大丈夫じゃないんじゃない?
風だけでなく雨まで降ってきた!
しかもものすごい風が吹きすさび、階段をのぼっているうちに雨も降ってきたではありませんか。もうあと少しで頂上だったのですが、まともに立って歩けないぐらい風が強くなってきたので、残念ながら途中で断念しました。命がけすぎる。
雨で滑りやすく階段を降りるのも一苦労
暴風雨の中「いえーい!」とかポーズ取ってますが、かなり顔がひきつってます。晴れた日中、または夕暮れ時なら絶景に癒やされるのでしょうが、心の中は恐怖でいっぱい。雨に濡れた階段で滑らないように手すりにつかまりながら、膝をガクガクさせて下りてきました。
2017年4月以降の生まれ変わった明治百年記念展望塔へどうぞ!
2017年04月からは新しく生まれ変わった美しい展望塔を楽しめるようになりました。こんな土砂降り&暴風の日ではなく、晴れ渡った青空の日や夕暮れ時のトワイライトタイムにぜひ頂上まで登ってみてくださいね。(2016年10月09日訪問)【麻理】
参考文献
地図&情報
明治百年記念展望塔(めいじひゃくねんきねんてんぼうとう)
住所 :千葉県富津市富津2280
電話 :0439-80-1291(富津市役所建設経済部商工観光課)
入場料:無料
駐車場:無料(100台)
関連URL:明治百年記念展望塔 | 富津市