優しい巨人のいる場所「大串貝塚ふれあい公園ダイダラボウ」【茨城】

大串貝塚ふれあい公園
牛久大仏に続いて、またしても巨大モニュメントを発見。遠くからでも見ることができる高さ15メートル25センチの白い大男。茨城県水戸市大串貝塚ふれあい公園のダイダラボウです。

ギネス認定! 身長120mの世界一の巨大大仏「牛久大仏」【茨城】
茨城県の牛久大仏の大きさはハンパじゃありません。身長120メートル、ギネスブックに認定された世界最大の大仏です。なんと自由の女神の3倍、奈良の大仏が手に乗る大きさです。

日本各地に残る巨人伝説

大串貝塚ふれあい公園
ダイダラボウを下から見上げてみました。でっかい! ダイダラボウはダイタッポウ、ダイダラボッチ、デーダラボッチなど様々な名前で呼ばれています。

『常陸国風土記』より

大串貝塚ふれあい公園
日本全国に巨大な男の伝説が残っていますが『常陸国風土記』にはこんな風に描かれています。

上古(いにしえ)人あり。体は極めて長大(たけたか)く、身は丘壟(おか)の上に居ながら、手は海浜の蜃(うむぎ)を摎(くじ)りぬ。其の食(くら)いし貝、積聚(つも)りて岡と成りき。時の人、大朽(おおくち)の義を取りて、今は大櫛の岡という。其の践(ふみ)し跡は、長さ四十余歩、広さ二十余歩なり。尿(ゆまり)の穴の径は二十余歩なり

巨人が食べた貝が積もって丘に

大串貝塚ふれあい公園
常陸国風土記の記述にしたがって計算すると、一歩は約1.8メートルだから足跡は72×36メートル、オシッコした時に開けられた穴が36メートル。彼は丘の上に座って海に手を伸ばして貝を取って食べました。大串貝塚はその巨人が食べた貝が積もって丘になったと言われています。

貝塚と巨人伝説が結びついた大串貝塚

大串貝塚ふれあい公園
浜乙女のCMのイメージからか海苔を作った巨人と思われがちですが、ダイダラボウが作ったのは主に山や沼。伝説のある場所には山、沼があることが多いのです。昔の人はきっと巨人が作ったのだと想像したのでしょう。でも貝塚と巨人伝説が結びついているのは全国でただ一カ所、ここ大串貝塚のみです。

アワビ・サザエ・ウニも食べる縄文人

大串貝塚ふれあい公園
大串貝塚は昭和45年(1970)に国の史跡として指定されました。貝塚が形成された時期は縄文時代前期(5500年前)であると言われています。貝塚のほとんどはヤマトシジミ。潜水によって採取されたアワビ、サザエ、ウニなどもあります。結構グルメなのね。

素晴らしい眺望が広がる巨人の展望台

大串貝塚ふれあい公園
ダイダラボウ像は土台の部分が展示室となっていて階段で上ることができます。巨大なダイダラボウの手が展示してあります。展望台からは素晴らしい眺望が広がっていますよ。ダイダラボウの像は『常陸国風土記』の伝説と比べるとミニサイズですが、周りに何もないので大きく見えますね。

古代の家の復元も見てみよう

大串貝塚ふれあい公園
ふれあい公園には古代が住居の復元された縄文広場があります。縄文とありますが、弥生時代、古墳時代の住居もあります。また縄文くらしの四季館という、展示施設もありますので覗いてみましょう。

気が優しくて力持ち

大串貝塚ふれあい公園
数多くの伝説はダイダラボウを良い巨人として描いています。気が優しくて力持ち。大きな体の自分が村人に迷惑をかけていないか心配したり、力仕事を手伝ったり、子供たちと遊んだり。村人を驚かそうとこっそり夜中に橋をかけたりということも。

巨人と共存する人々

大串貝塚ふれあい公園
古代の人々は神なるものを怖れ敬うだけでなく、オシッコもすれば貝も食べ散らかすという、人間くさく親しみを持てるものと考えていたのかも知れません。人間と共存して楽しく暮らしている巨人の姿を想像すると胸が暖かくなるような気がします。(2007年02月11日訪問)【麻理】

参考文献

地図&情報

大串貝塚ふれあい公園(おおぐしかいづかふれあいこうえん)

住所 :茨城県水戸市塩崎町1010
電話 :029-269-5090(水戸市埋蔵文化財センター)
時間 :09:00~21:00 園内施設は9:00~16:15
入場料:無料
休館日:年中無休 縄文くらしの四季館は月曜と年末年始
駐車場:無料

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