さぁさぁ、お立ち合い。ご用とお急ぎのない方はゆっくりと聞いておいで、見ておいで。茨城県筑波山がま公園です。大道芸、落語おなじみのガマ口上を聴ける施設です。残念ながら閉鎖。
筑波山と言えば「四六のガマ」
筑波山と言えば「四六(しろく)のガマ」。前足の指が4本、後足が6本という変わったガマ(ヒキガエル)が生息しています。普通はガマの指は5本、5本なんですが、前足は1本が退化してしまい4本に、後足はコブ状の骨があって6本に見えることからそう呼ばれます。
筑波山はガマの大生息地
筑波山は雪が少なく、南面の中腹地帯にはカエルが生息しやすい湿地帯が広がっています。最近は松枯れ防止のための農薬散布でガマの数が減ってしまったものの、ガマの生息地としてまだまだ健在。
止血、麻酔、強心作用のある有効成分
ガマを原料にした軟膏は昔から万病に効くと言われてきました。江戸時代のガマの油は蟾酥(せんそ:漢方薬でガマの素という意味)をみつろうとごま油で練ったものです。ガマをしぼって集めた蟾酥には、塩酸エピレナミン、ブファリン、デスアセチールブフオタリンなど、止血、麻酔、強心作用のある成分が含まれます。
現在のガマの油は薬事法に基づいている
ブファリンにはコカインの90倍もの強力な麻酔作用があるから痛みもピタリと止まるってわけ。現在売っているガマの油は馬の脂肪から抽出した油などを使って、薬事法に基づいて作られているからご安心を。
園内は珍な見どころがいっぱい
がま公園には巨大なガマの置物、大道芸を行う香具師(やし)のマネキン、ホルマリン漬けのカエルなど魅力的な珍がたくさんあるんですが、一番の見物は実演・ガマの油売りです。
年配のみなさんに大人気のガマの油
ステージ前にはお年寄りがいっぱい。年取ると万病に効く、傷がすぐに治るなんて言葉に弱くなるもんです。実際にガマの油を買うこともできるのでみなさん熱心に聞いてますよ。
【動画】ガマの油の口上
ガマの油売りを動画でごらんください。ガマ口上はだいたい次の手順で行います。
(1)ガマの霊力・効能についての説明
(2)ガマの油の作り方を説明
(3)刀を取り出して切れ味を見せる
(4)刀で手を切る
(5)傷口にガマの油を塗る
(6)血が止まる
(7)ガマの油を売る
それを言っちゃあ、お仕舞ぇよ
空気が読めてないおじいちゃんが、隣のおばあちゃんに「あれはなー、刀に赤くなる薬品を塗ってるんだよ」と説明してました。おいおい、それを言っちゃあ、お仕舞ぇよ。でも香具師のおじちゃんも慣れたもので「秘密を言ってはならんぞー!」と笑ってました。
おみやげにガマの油売りテープを
私もおみやげにガマの油を買いました。店内には、ガマの油売りの口上を録音したテープ(1000円)も売っています。さぁーて、お立ち合い、隠し芸として練習したい方は買った、買ったー!(2007年02月12日訪問)【麻理】
参考文献
地図&情報
観光がま公園(かんこうがまこうえん)
現在閉鎖している施設です。ご注意ください。大変残念です。楽しい想い出をありがとうございました。住所 :
茨城県つくば市沼田1688
電話 :029-866-1110
休園日:年中無休 ※ガマ口上は日曜祝日のみ
時間 :09:00~17:00
入場料:大人500円
駐車場:無料