財宝が埋まっている場所がポンポンと鳴る!?「ポンポン山」【埼玉】

ポンポン山・高負彦根神社
吉見百穴で知られる埼玉県比企郡吉見の北に、ポンポン山という面白い名前の山があります。この山頂に立って足を踏み鳴らすと「ポンポン」という音がするんですよ。いったいなぜ?

ポンポン山のある高負彦根神社

ポンポン山・高負彦根神社
吉見百穴から車で10分ほど北にある高負彦根神社(たかおひこねじんじゃ)がポンポン山のある場所。珍スポットの旅をしていると案内板も説明書きもなく「こんなに素晴らしい観光資源をなぜもっと宣伝しないのか」と苛立ちさえ覚えることがありますが、このポンポン山はあちこちに案内板があるので迷うことはありません。

コロポックルの家!? 明治の論争と軍需工場「吉見百穴」【埼玉】
岩山にあいた無数の穴。埼玉県吉見町の吉見百穴は、明治時代にコロポックルの住居かそれとも墳墓かと大論争を巻き起こしました。軍需工場にも使われた不思議な穴を見学しました。
地元の人にとってはあるのが当たり前、特に珍しくもないという感覚の事が多いからだろう。香川の八雲橋はホテルの目の前にあり毎日見ているはずのホテルマンに聞いても見たこと無いと言われ、山梨の丸石神が家の敷地内にあるにもかかわらず「長年住んでいるがそんなもの見たことも聞いたこともない」という住人の方もいらっしゃった。

標高38mの小さな山・玉鉾山(たまぼこやま)

ポンポン山・高負彦根神社
ポンポン山は正式には玉鉾山(たまぼこやま)と言います。山と言っても標高は40mもないぐらいの小高い丘。ほんの数分で登頂できますから体力に自身のない方もご安心ください。玉鉾山は高負彦根神社の神体山でもあるありがたい山ですよ。

710年創建の古社・高負彦根神社の奥へ

ポンポン山・高負彦根神社
高負彦根神社は実は和銅3年(710年)に創建されたと言われる歴史ある古社です。吉見百穴もありますし、このあたりの土地は奈良時代から栄えていたのでしょうね。入母屋造りの拝殿の脇、右の通路を奥に進んだ先がポンポン山です(※写真矢印の小道)。

地面を強く踏むとポンと音がする

ポンポン山・高負彦根神社
なぜここをポンポン山というのか、案内板にはこうあります。

社殿の後方の巨岩に近い地面を強く踏むとポンと音を発する。そこでこの山をポンポン山という。

なーるほど。タヌキが腹鼓を打ったからとかの伝説ではないのね。

ポンと音がするのはこのあたりです

ポンポン山・高負彦根神社
案内板には音のする場所の写真もあるのですがちょっとわかりにくいかも。音が響くのは写真の赤い楕円で示した場所。山頂近くの5m四方ぐらいのエリアです。

転ばないように気をつけて

ポンポン山・高負彦根神社
だいたいこのあたり。地面は苔むした岩でやや傾斜していますから、転ばないように気をつけて。地面が鳴るなんてオモシロ! なんかワクワクしてきた!

やったー! 音が鳴った!

ポンポン山・高負彦根神社
果たして音は鳴るのか? さあジャンプ!

……? あれ、鳴らないぞ。おっかしいなあ。あちこち5分ほどジャンプしまくって、ようやくかすかにポンポンという音が鳴るポイントを見つけました。やったー! ポンポンだーー!

かすかな音の違いなので一人で試した方がいいかも

ポンポン山・高負彦根神社
他の地面ではダイレクトに足に振動が伝わるのですが、ある地点だとかすかに遅れて響くような感触が足の裏に感じられるのです。音を文字で表現するのは非常に難しいのですが、他の部分では「ドンドン」、ある地点では「ポシン、ポシン」みたいな違い。かすかな違いなので大勢でわいわい試すよりも、辺りが静かな時に一人で試した方が良いでしょう。

長者が神のお告げで財宝を埋めた場所

ポンポン山・高負彦根神社
ある言い伝えでは、その昔長者が神のお告げによってこの山に財宝を埋めて、以来盗賊が山に登るとポンポンという山鳴りが止まらなくなりどうしても盗むことができなかったと言います。また別の説では財宝を入れたのは岩山の空洞なのでポンポンと音が響くとも言われています。

死者の魂を呼んだり、神の声を聴くため?

ポンポン山・高負彦根神社
民俗学的には、古代には死者の魂を呼んだり神の声を聴くために足を踏み鳴らす風習があったことから、たまたまポンポンという音がする岩山を見つけた人々が神の山として祀ったとも考えられます。真相はいかに? この庚申塔は答えを知っているのでしょうか。

実際になぜ地面を踏むとポンポンという音が鳴るのかは分かっておらず、今のところ地下に空洞があるという説と、関東ローム層と砂岩の間で音波が跳ねるという説などがある。

ポンポンという音は年々小さくなっているみたい

ポンポン山・高負彦根神社
昔ははっきりと「ポンポン」という音が響いたそうです。でも今は思いっきりジャンプしないと音の違いが分かりません。きっと長年の間に人々が何度も足を踏み鳴らしたため、岩の空洞に砂や土が詰まってしまったのでしょう。あなたがいつか試す時にもまだポンポンと聞こえますように。(2016年07月17日訪問)【麻理】

参考文献

地図&情報

ポンポン山・高負彦根神社(たかおひこねじんじゃ)

住所 :埼玉県比企郡吉見町田甲1945
電話 :0493-54-5027(吉見町地域振興課 商工観光係)
時間 :見学自由
入場料:無料
駐車場:無料

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