埼玉県加須市の住宅街にいやが上にも目立ってしまう、黄金の仏像が浮かんでいます。キラキラと輝く布袋様? これはいったい何!? 天道 聖明王院の信者さんにお話をうかがいました。
布袋様──ではなくて弥勒大仏様
近くで見ると、大笑いをしている福福とした布袋様。大きさは高さ3〜4メートルはあるでしょうか。でも実はこの像は布袋ではなくて弥勒大仏(みろくだいぶつ)だそうです。天道という宗教団体のシンボルとして祀られています。
「お気軽にご参拝ください」とあり安心しました
普通の民家のようなので、信者でもない私が入ってもよいものか迷いましたが、看板に「皆様お気軽にご参拝ください」と書いてあってホッとしました。こんにちは〜と声をかけるとお庭で作業されている信者さんが出ていらっしゃいました。いろいろとお話をうかがうことが出来ましたよ。
老子、孔子、釈迦、達磨などによって一子相伝で伝授
先程から、「宗教団体・信者」という言葉を使いましたが、天道は宗教というよりはある種の教えのようなものだそうです。パンフレットにはこうあります。
天道は、天地創造以前から存在し、万物万霊を生み給うた創造神・無生老(むせいらうむ:ラウム)様によって人の世に降されました。老子、孔子、釈迦、達磨などの聖人によって五千年もの間、一子相伝で脈々と継がれ、約百年前にようやく縁あるすべての方に伝えることが許されました。
す、すごい。とてつもなくありがたい教えのようです。
もともとは台湾から伝わったもの
「思いやりいたわりに満ちた太平の世を願う」と書かれているように、突然の訪問にもかかわらずにこやかに天道についてお話くださる信者さん。天道の総本山は兵庫県三田市の弥勒寺なのだそうですが、もともとは台湾から伝わっているそうなのです。弥勒大仏や乗っかっているお堂はコンテナ船で台湾から運ばれたんだとか。
実は全国あちこちにある弥勒大仏
しかも黄金の弥勒大仏は、兵庫、埼玉だけでなく全国にたくさんあるんですよ。これはいただいた弥勒大仏マップ。台湾には4ヶ所。日本は北は北海道、南は沖縄まで20ヶ所以上あります。し、知らなかった! 日本全国巡っているはずなのにノーマークでした。
見た目と違ってそれほど宗教色は強くない感じ
最初は巨大な黄金の弥勒大仏に気後れしてしまいましたが、農業立国を提唱し野菜づくり・米作りに取り組んでいたり、青少年育成のために奉仕活動を行ったりと、活動自体はそれほど宗教色がない感じ。むしろ道徳とかボランティアっぽいというか。
弥勒大仏は太っ腹な神様
弥勒大仏は、全ての魂が幸せになるように人々を導いてくれる神様。だから神道、仏教、キリスト教の方でも参拝可能です。ラウム様というのは、イエスや釈迦、ムハンマドなどを指す言葉だからなんですって。運気向上、商売繁盛、財運向上、良縁吉祥──と誰にでもかなり気前よくご利益を与えてくださる太っ腹。確かに布袋様のようなふくよかなお腹ですもんね。
台湾からはるばる海をわたってきた四天王
お堂の前には四天王の石像が中央を向いて4体並んでいました。人の背丈よりも大きめで、かなり精巧な作りです。これも台湾の職人さんが作ったもので弥勒大仏と同じくコンテナではるばる海を渡ってこの地に祀られました。天道は意外に大きな団体で信者さんも多いのかもしれませんね。
お土産までいただいてしまいました!
急にお邪魔して質問ばかりしてしまいましたが、ニコニコと笑顔でお答え頂きました。さすが天道の教えを実践していらっしゃるだけありますね。おみやげに祈祷済みの聖なる土までいただいてしまいました。庭にまくと植物がよく育つそうです。早速花壇に土をまいてみましたよ。(2016年07月17日訪問)【麻理】
参考文献
地図&情報
弥勒大仏(みろくだいぶつ)天道 聖明王院(てんどう せいみょうおういん)
住所 :埼玉県加須市上種足3443-1
電話 :0480-48-6309
関連URL:天道