埼玉県さいたま市の彩の国音かおりの里は、様々な音のしかけと香りを楽しめる公園。緑の中でいろんな音に耳を澄まし花の香りを吸い込めば、日頃のストレスが癒やされますよ。
一見ごく普通の公園だけど……?
音かおりの里は鴨川みずべの里というエリアの一画にある公園です。1997年にオープン。静かな住宅街にあるのでお子さんと一緒に訪れているお父さんお母さんの姿もちらほら。一見してどこにでもありそうな普通の公園ですよね。
音と香りをデザインしたサウンドスケープパーク
でもここが一風変わっているのは、音と香りをテーマにデザインされた公園だということ。サウンドスケープデザイナー田中直子による設計です。サウンドスケープデザインとは耳慣れない言葉ですが、直訳すると「音風景」。建築と音を融合させ、調和させた音の設計デザインのことです。
拍手が一拍遅れて聞こえる!
案内板に従って公園内を散策してみましょう。広場の真ん中に、足型が彫ってある大きな石があります。石の上に立って手を叩いてみると──。あれ!? 拍手の音が一拍遅れて聞こえてくる!
音を響かせる長い壁のしかけ
石の台から30メートルほど離れたところに長い壁が半円状に設置されています。なるほど音を増幅させて響かせる工夫がしてあるんですね。でも壁は不自然に置かれているのではなく、公園の木々と上手く調和されたデザインとなっています。
反対側の端の人のささやきが聞こえる
これはささやきの壁。壁の中央に溝が彫られていて、壁の端と端に人が座って話をするとささやき声でも聞こえるというもの。同行した旦那様とやってみましたよ。ほほう、小さな声でも良く聞こえます。壁のカーブや溝がその秘密かしら。不思議〜!
懐かしいような木の響きが楽しめる小道
木の小道は歩くとコトンコトンという懐かしいような木の響く音がします。これらの音は公園内だけでなく、すぐ隣にある高校のチャイムの音、子供たちの歓声、野鳥の鳴き声も計算して美しく響くように設計されているのですって。
竹のざわめきに癒やされる回廊
黄色の屋根が続いている音の架け橋というエリアでは、風による竹のざわめきや葉のすれる音を楽しめるようなっています。回廊に風が通り抜けて気持ち良いなー。大きな道路からはなれていて静かだからこそ楽しめる音ですね。
園内のハーブが鼻をくすぐる
香りを楽しむしかけは、園内にたくさん植えられたハーブ類です。風にのって鼻をくすぐるすっきりとした匂いや甘い香り。ひとつひとつの植物に説明書きがあって、丁寧に手入れされていることがわかります。
集音板で鳥の鳴き声や竹の音が聞こえるはずだけど
でもちょっと残念なことが。これは聞き耳のイス。案内板にはイスの集音板に反射して、鳥の鳴き声や竹のゆれる音が楽しめる──と書いてありました。あれ、でも頭の部分にあるはずの集音板がない……。
音のしかけが壊れてしまっている……
また屋根には、モーターで竹が振動するインドネシアの民族楽器アンクルンや、竹筒をバチが叩いて音を出すツインドラムスなどのしかけがあるはずなのですが、どれも壊れてしまっています。1997年のオープンからもう20年も経つんだものなあ。経年劣化は仕方ないのかしら。
自然の音を聴くぜいたくが味わえる公園
慌ただしい珍スポット旅行の合間のしばしの休息。そういえば自然の音をちゃんと聞くなんて、何年ぶりか。現代人が木々のざわめきや鳥の声をのんびり聴くなんて、すごく贅沢なことなのかもしれませんね。疲れたあなたにぜひ足を運んでほしい公園でした。(2016年07月18日訪問)【麻理】
参考文献
地図&情報
彩の国音かおりの里(さいのくにおとかおりのさと)
住所 :埼玉県さいたま市西区水判土地内 鴨川みずべの里
休業日:年中無休
時間 :散策自由
入場料:無料
駐車場:なし