かつての東京のシンボルと言えば東京タワー。その中に1970年から2013年まで異彩を放っていた名珍スポット・蝋人形館がありました。ずっとお蔵入りしていたレポをどうぞ。
以下の記事を読む前に
私はこの東京タワー蝋人形館を当ブログの書籍『日本珍スポット100景』の続編の書き下ろし記事として、再訪して撮影の許可を頂いた上で取材しました。
ところが『日本珍スポット100景』出版後の2008年に出版関連の事業の縮小、大規模なリストラが行われたため、もうこの先『日本珍スポット100景』の続編が出ることはないと思われます(担当の編集者さんも退職されたそうです)。しかしこの素晴らしい施設の写真が永久にお蔵入りになってしまうのは大変惜しいため、取材から時間がたってしまいましたが、ここで一部の写真を元に記事として発表させていただくことにしました。
もし状況が変わることがあれば、この記事を非公開にすることもあるかもしれません。以上のことご了承いただけますよう、よろしくお願い致します。
ファンが多かった名珍スポット・蝋人形館
東京タワーの建設は昭和33年(1958)。それに劣らず長い歴史を誇っていたタワー内の施設が3階の蝋人形館です。マニアだけでなく一般の観光客の中にもファンが多かった名珍スポットでしたが、惜しまれつつ2013年09月01日に閉館してしまいました。
なつかしの映画スタアがいっぱい!
蝋人形館は、映画、歴史、アート、ホラー、音楽関係のエリアに分かれています。最初に飛び込んでくるのが映画スタアの皆様の姿。説明書きがなくても誰だかすぐにわかりますよね。でもひょっとしたらお若い読者の皆様は「誰?」状態なのかしら。
このセクシーなお姉様は?
これは分かるでしょ? ほら、あの『氷の微笑』の取調室のシーンで足を組み替えてたシャロン・ストーンですよ! あのミニスカートの奥が見えるのか、見えないのか──と話題になったじゃないですか。セクシー!
才女の誉れ高い名女優のアラサー時代
第64回アカデミー賞で主要5部門を受賞の『羊たちの沈黙』。ジョディ・フォスターも蝋人形だからお肌ぴっちぴち。アラサーだった彼女も、今年2016年で54歳なのね。月日の経つのは早いわねえ。
120体以上の蝋人形は時々配置が変わっていた
映画のエリアの次は歴史のエリア。蝋人形館には120体以上の蝋人形が展示されていますが、配置は最初に歴史エリアがきてたり、アートエリアがきてたりと、時々入れ替わっていたみたいです。
蝋人形館で唯一撮影禁止となっている、ミュージシャンエリアのフランク・ザッパをいきなり見た人はぎょっとしたかもなあ。
政治家エリアにはジョージ・ブッシュ
第43代アメリカ合衆国大統領・ジョージ・ブッシュ。調べてみたら任期は2001年1月20日〜 2009年1月20日なんですね。ついこの間の大統領みたいな感覚なのに。
アートエリアの力作『最後の晩餐』
アートエリアはなんと2Dの名画を3D蝋人形のジオラマ化。ご存知レオナルド・ダ・ヴィンチの『最後の晩餐』ですね。ここは蝋人形館内でも最も大きいスペースを占めています。この合わせ、豪華すぎる!
名画『モナリザ』の制作風景
そしてその隣にはレオナルド・ダ・ヴィンチさんとモナリザさんによる『モナリザ』制作風景が展開されています。この入れ子感覚いいなあ。でも蝋人形のモナリザさんはちょっとイメージと違う気も……。
泣く子も黙る! 拷問エリア
さあそして次はいよいよ皆様お楽しみの、拷問エリア! なんせロンドンの本家本元マダム・タッソーの蝋人形館にはこの手のホラー系蝋人形がどっさりありますものね。東京タワー蝋人形館も負けておりません。
鉄カゴに入れられた男のやつれっぷりが嫌すぎる。東京タワーの長い歴史でいったい何人の子供にトラウマを植え付けてきたのでしょうか。
なんか、ベルセルクで見た!
『ベルセルク』で見たことある気がする! 明治大学博物館の拷問道具の展示も相当だったけど、私、1秒も耐えられません。すぐ白状します(そしてすぐ処刑)。よくこんな道具思いつくものです。人間ってすごい。
この蝋人形たちはいまいずこ?
そんな東京タワーの蝋人形化は老朽化とリニューアル工事のために閉館となってしまいましたが、いったい蝋人形たちはどこへ? その後六本木のロックの博物館・TOKYO ROCK SHOWCASEで一部展示公開されたりしましたが、他の人形はどうなったのかしら。ご存知の方がいらっしゃいましたらぜひ情報を!(2009年02月13日訪問)【麻理】
参考文献
地図&情報
東京タワー(とうきょうたわー)
住所 :東京都港区芝公園4-2-8
電話 :03-3433-5111(代)
時間 :09:00~23:00
休業日:年中無休
入場料:大人1200円(大展望台)
関連URL:東京タワー TokyoTower