昭和の竜宮城と呼ばれた東京の目黒雅叙園。洋室は全室80平方メートル以上のスイートルームという、都内でも屈指の超豪華ホテル。ここのトイレは東京一の超豪華トイレなんですよ。
ホテル丸ごとが芸術品
目黒雅叙園(めぐろがじょえん)は昭和3年からの歴史があり、「百段階段」「十畝の間」「星光の間」と呼ばれる建築物は、国の登録有形文化財に指定されています。天井や壁を飾る日本画、彫刻などどれも美術品として一級の品々。ホテル丸ごとが素晴らしい芸術品なのです。
女子一人でのこのこ見学
そんなゴージャスホテルになぜ私がいるのか。非常に場違いな感じもいたしますが、どうしてもこの目で見てみたかったものがあったからなのです。それは目黒雅叙園のトイレ!
東京一の超豪華トイレ
お部屋の中は宿泊しなければ見られませんが、一階にあるトイレなら無料で入れます。「いくら豪華って言ってもただのトイレでしょ」ですって? いやいやあなどるなかれ。目黒雅叙園のトイレは超豪華トイレなんですよ。
トイレの中に川が流れている!
入ってすぐになんと、川が流れています! わお。トイレの中に庭園があるなんてびっくり。小川には朱塗りの日本橋がかかっています。橋を渡ると左手に洗面台、奥が個室。
螺鈿(らでん)細工に朱塗りの扉
個室の扉はこれも朱塗り。螺鈿(らでん)細工の模様が施されています。螺鈿というのはピカピカと七色に輝く貝を黒漆に埋め込んだ伝統工芸です。その螺鈿が贅沢にあちこちに使われているのです。
天井には金箔の美人画
ゆったりとした広さの室内は、やや照明を落として落ち着いた雰囲気。ふと見上げると天井には美人画が。美人画の周りは金箔が使われています。キラッキラ。
豪華すぎて落ち着かない
便座は最新式の暖房・洗浄機能付きですが、横にある棚は純和風。ここにももちろん朱塗りと螺鈿細工。一応記念で座ってみたのですが、あまりの豪華さに落ち着かないことこの上なし。女子トイレだけで一家4人ほどが住めそうな広さです。
客室エレベータも螺鈿がびっしり
「トイレで写真を撮影している不審人物」としてマークされる前に、早々に退散しました。ふと客室用のエレベータを見るとこれまた螺鈿がびっしり。日本建築・日本美術の粋を集めた意匠の数々に目を見張ります。
バブル時代に850億円かけて改築
トイレはもともと旧館にあったのですが、1991年に移築の上、改良を加えてさらにゴージャスに生まれ変わりました。さすがバブル期に850億円の費用をかけて館内改築しただけはあります。
バブルのうま味どころか就職氷河期で辛酸をなめた私は、もうちょっと早く生まれたかった。そして男子トイレに入れなかったのが残念です。どなたか男子の方、レポートしてくれませんか?(2006年03月10日訪問)【麻理】
【追記】目黒雅叙園の広報の方より
03月15日のFMラジオJ-WAVEでこのトイレをご紹介しましたら、目黒雅叙園の広報を担当されている方からご連絡がありました。「クレームでは……(または不審人物として通報!?)」とおっかなびっくりでしたが、あたたかいお言葉にほっ。
目黒雅叙園は一時期債務超過に陥ったこともありますが、現在は現在は復活し、今年はブライズルーム新設や宿泊・バンケットルームなどの大規模なリニューアルも予定していらっしゃるそうですよ。また現在、百段階段の見学会・お食事などのイベントも開催しています。ぜひあなたもお食事・宿泊に訪れてみてくださいね。
参考文献
地図&情報
目黒雅叙園(めぐろがじょえん)
住所 :東京都目黒区下目黒1-8-1
電話 :03-3491-4111
関連URL:目黒雅叙園