真紅の劇場(Red Theatre)とは英語で「ギロチンの刑場」のことです。東京の明治大学博物館は、ギロチンや鉄の処女など歴史的な拷問器具や貴重な資料を集めた真紅の博物館です。
身の毛のよだつ展示品がずらりと並んだ博物館
2004年にリニューアルされた明治大学博物館は昭和4年から続く由緒ある博物館。こんなおしゃれな外観ですが博物館の刑事部門は、身の毛もよだつような展示品がずらりと並んでいます。
江戸時代の拷問具・石抱き
手始めに、時代劇でおなじみ石抱きです。ギザギザの木の板の上に座らされ、1枚50キロもの石板を乗せられる責め具。これ拷問としては軽い方なんですよ。
それでもダメなら海老責と釣責の拷問
これで白状しないと、次は前屈姿勢のまま縛り上げられる海老責(えびぜめ)、さらに後ろ手に縛られて吊り下げられる釣責(つりぜめ)が待っています。私なら石抱きだけで何でもしゃべりますね。ちなみに釣責で吊られ続けると死ぬので、拷問には医者が付き添っていました。
磔柱(はりつけばしら)による処刑
この写真は磔柱(はりつけばしら)。柱にくくりつけられ、槍で突かれる処刑法です。鈴ケ森(品川)や小塚原(浅草)で行われていました。20回から30回ほど刺すのですが、たいてい数回で絶命しました。作法としては脇腹から肩へ突き通すのが良いそうです。
ニヤリと笑う女二人
さらし台は首が転げ落ちないように固定のための釘がついています。これに生首を固定すれば強風が吹いても大丈夫。案内していただいたのは初老の上品な女性学芸員。「さらし首の台はレプリカなんですが、この生首の写真は明治2年に外国人ダローサが横浜で撮影したホンモノなんですよ」とにこやかにお話されるので、つい私も笑顔で返してしまいます。
目玉拷問具「ニュルンベルグの鉄の処女」
次は超目玉展示品。レプリカがあるのは日本でもここだけというニュルンベルグの鉄の処女(アイアンメイデン)! 宗教的な罪・反逆者・親殺しの罪を犯した者に使用された拷問・処刑具です。
ニュルンベルグの鉄の処女の仕組み
犠牲者を入れて扉を閉めると内部の釘がぐっさり突き刺さります。死体の処理もお手軽。像の下が落とし戸になっていて、死体はナイフが取り付けられた地下の縦穴を滑り落ちます。死体はナイフにぶつかる度にミンチになり下水に流れます。単に罪人に見せて恐怖を煽るために使われたとも言われます。
ギョタンの処刑具・ギロチン
ギロチンは18世紀のフランス人医師・ギョタンによって発明されました。刃が斜めになっていて、首をすっぱり切れるように工夫されています。それ以前は首切り役人が失敗して処刑が長引くこともあり罪人の苦しみが不公平であると言われていました。
ギロチンは人道的な処刑具
ギロチンの開発によって速やかに、少ない苦痛で処刑できるようになりました。ギロチンは人道的な処刑具だったんですね。なんとつい最近の1981年までフランスで使われていたそうですよ。
貞操帯も拷問具の一種
一般に貞操帯は妻の不貞を防ぐ道具と思われていますが、これも立派な拷問道具。金属製の硬いベルトが食い込んで、歩くのも、排泄も困難。もっとも妻の方もしたたかで、夫に内緒で合い鍵を作っていたので、北イタリアの貞操帯の産地では合い鍵作りで大設けしたというお話も。
ミュージアムグッズ・アイアンメイデンTシャツ
ミュージアムグッズも充実。鉄の処女Tシャツや十手の携帯ストラップなどバッドテイスト炸裂のおみやげ、可愛い鉄の処女スタンプもぜひゲットしましょう☆(2006年03月10日訪問)【麻理】
追記:テレビ東京「マニアの叫び」ロケ
テレビ東京「マニアの叫び」で明治大学博物館を再訪しました。1時間ほど展示品を見学しながらロケをしたのですが、なんとご厚意で普段は非公開の、江戸時代の刺股(さすまた)を見せて頂いたんですよ。
本物の刺股を触ることができた!
しかもワタクシ実際に手で持たせて頂くという僥倖に恵まれました。でも放送ではカットされてしまいとても残念です。学芸員のTさんはじめ、みなさま大変ありがとうございました。(2006年03月10日訪問)【麻理】
参考文献
地図&情報
明治大学博物館(めいじだいがくはくぶつかん)・刑事部門
住所 :東京都千代田区神田駿河台1-1アカデミーコモン
電話 :03-3296-4448
時間 :10:00~17:00
休館日:夏期休業日(8/10~16)冬季休業日(12/26~1/7)(※臨時休館あり)
入館料:無料
関連URL:明治大学:明治大学博物館