長野県白樺高原にある蓼科牧場の近くに鳴石(なるいし)と呼ばれる奇妙な岩石があります。直径2mほどの岩が2枚重なっており、まるでどら焼きかハンバーガーのよう。UFOを呼び寄せるという説もある不思議な石を見学しました。
白樺リゾート〜池の平ホ・テ・ル♪を素通り
白樺リゾート──と言えば「池の平ホ・テ・ル♪」というCMソングが頭に蘇ってきます。長野県白樺湖にあるホテルで、温泉・プール、遊園地が隣接している一大リゾート地。そんなメジャースポットを華麗に素通りして蓼科牧場(たてしなぼくじょう)へGO!
5世紀ごろに作られた東山道の雨境峠
白樺湖、女神湖を通って雨境峠(あまざかいとうげ)へ。5世紀頃に大和朝廷が東国を制覇し交流・交易のために東山道を作りました。その東山道の途中にあるのが雨境峠です。昔は寂しい場所だったのですが、今は広大な牧場と美味しいアイスクリームが有名な観光スポットとなりました。
ソフトクリームのお店の奥の林へ
ソフトクリームのお店・牛乳専科もうもうを右手に、林の奥へと向かいます。この奥にある鳴石を見にはるばる蓼科高原にやってきたのですよ。ちなみにソフトクリーム屋さんの背後には広々とした牧場があり、良く時代劇の合戦シーンで撮影される場所なんだそうですよ。
古代の遺跡の中でもとりわけ重要視されている鳴石
鳴石(なるいし)の名前は、叩くとコーンとかキーンのような高い金属音がすることからそう名付けられました。この雨境峠には女神湖にかけて古代の遺跡が多いのですが、とりわけ鳴石は古代人が神聖視した巨石として知られています。
たくさんの勾玉が出土する勾玉原
昔からこの一体は勾玉が多く出土したため勾玉原(まがたまはら)と呼ばれています。勾玉は古代の日本の装身具の一つで、Cの形に削られた石のことです。胎児の形を模しているとも、魂の形を象徴するとも様々な説が挙げられていますが、なぜこんな形をしているのかははっきりしていません。
鳴石は古代の磐座だと考えられています
一説には勾玉を峠の神に捧げて旅の安全を祈る風習があったと言われています。交易のために東山道を通る人々が、無事を願って勾玉を奉納していたんでしょうね。そんなわけで鳴石は古代の祭祀に関係した遺跡・磐座(ばんざ)ではないかと考えられています。
残念! 石を叩くことはできませんでした
叩くと金属音がするという話だったので石に触る気満々だったのですが、ご覧の通り石の半径3mは鎖で囲まれていて立入禁止となっています。乗り越えようと思えば簡単に中に入れそうですが、そんなことをすればとんでもない天罰が下るので絶対に厳禁です。
石を割ろうとした石工が火の雨に打たれて死んだ──?
というのも、昔ある石工が鳴石を金槌で叩いて割ろうとしたところ、たちまち山鳴りがして天がかき曇り、天から火の雨が降って死んでしまった──と『蓼科山略伝説』にあるからです。なにそれ、怖すぎ。
UFOを呼び寄せる岩?
私が非常に信頼している科学文献雑誌()学研『ムー』の情報によりますと、鳴石の高音はUFOを呼び寄せるバイブレーションとしての効果があり、UFOからの怪光線により石工が死んだ──と解釈されています。わあ! ワックワクですな!
石は別の場所から運ばれ、加工されたもの
鳴石はハンバーガーや鏡餅のように2枚の岩が重なっているような形をしています。この2枚岩は1つの石が割れたものではなく、人工的に切断されて重ねられていることが分かっています。しかもそれぞれの石は別の場所からわざわざ運ばれてきたといいます。こんな巨石を古代の人々はどうやってここまで運んだのかしら?
牛乳専科もうもうさんの極上ソフトクリーム
ここは特に駐車場がないので、近くのソフトクリーム店・牛乳専科もうもうさんの駐車場を使わせていただきました。見学後に名物の牛乳ソフトクリームを食べましたよ。濃厚でしっかりとしたテクスチャ。牧場で搾りたての牛乳をミックスしているからなんですね。美味!
天気が悪くなるときは鳴石から音がするそうですよ
風が強く吹いた日や天気が下り坂になるときは、鳴石がキーンと音をたてるそうです。この日は晴れ渡った天気だったので、耳を澄ましてもとくになんの音もせず。空模様が怪しくなってきた時に雨境峠に来て音が鳴るかどうか試してみたいですね。(2019年05月25日訪問)【麻理】
参考文献
地図&情報
雨境峠の鳴石(あまざかとうげのなるいし)
住所 :長野県北佐久郡立科町大字芦田八ヶ野鳴石
時間 :見学自由(夜はお勧めしない)
駐車場:ないので牛乳専科もうもうさんでソフトクリームを食べつつ駐車場を使わせていただきました