新潟県柏崎市の妙智寺(みょうちじ)は越後三十三観音の4番札所。私が足を運んだのは御本尊の正観世音菩薩を拝むため──ではなく、このお寺に代々伝わる人魚のミイラを見せていただくためでした。ところが予想していなかったことが。
武田信玄公の叔母ゆかりの古刹
妙智寺の創立は永禄2年(1559)。由緒ある古刹でご本尊の正観音菩薩は行基の作と伝えられています。上杉謙信の叔母の小少将という姫がその観音像を安置したことから、小少将の戒名「慈照院光室妙智大姉」から「妙智寺」と言われるようになりました。
子供の頃に憧れてた人魚のミイラに会える!
私は子供の頃に学研『ムー』で妙智寺に伝わる人魚のミイラの写真を見て以来、私はいつかこの目で実物を見たいと願っていました。それは小さな30cmほどのミイラで腰から下が魚。ギョロリと目をむいて大きく口を開いた恐ろしい形相をしていました。子供心にワクワクしましたね。
人魚のミイラを見せていただくことに
私はこれまでも全国各地の人魚スポットを巡っており、ぜひ新潟に足を運んだ際は妙智寺を訪れようと思っていました。事前に問い合わせたところ、問題なく人魚のミイラを見せていただけるとのことでした。観光寺ではないのにありがたいことです。
残念ながらご住職は不在でした
玄関で声をかけるとにこやかなご婦人が出ていらっしゃいました。人魚のミイラを見せていただきたく──とお話すると快く私達を本堂まで案内してくださいました。ところが残念なことにご住職が法事でこの日はいらっしゃらないということでした。
虫干しの時に場所が変わってしまい見つからず
ご婦人は人魚のミイラが入った箱をあちこち探してくださったのですが、前回虫干しをした時にご住職が別の場所にしまい込んでしまったとのことで見つかりません。「この間までここにあったんだけど──」と困惑されていました。
きっといつかご縁があれば拝見できるはず
結局人魚のミイラは見つかりませんでした。ご婦人は恐縮されていたのですが、忙しい中訪ねてきてお手を煩わせてしまったことが申し訳なく、お礼を申し上げて早々にお寺を後にしました。まあこういうこともありますよ。ご縁があればきっとまた拝見できる日が来るでしょう。(2019年05月04日訪問)【麻理】
参考文献
地図&情報
妙智寺
住所 :新潟県柏崎市鯨波3丁目7-33
電話 :0257-23-6484