新潟県が実は石油王国だって知ってました? 新津油田は明治〜大正時代に日本一の産油量を誇り、1996年まで原油を組み上げていました。一帯には石油にまつわる産業遺産がたくさん残されています。ワクワクが止まらないロマンあふれる地です。
のどかな風景に点在する石油文化遺産
新潟市秋葉区の新津油田石油産業遺産群を見にやってきました。ビジターセンターや公園、博物館の他、道沿いや山中に残された昔の機械を見学できます。山間ののどかな土地で、ゴールデンウィーク中だというのに県道41号線は、他に走るクルマもほとんどいませんでした。
恐竜の形の休息所
「石油の里・古代館」と書かれた建物がありますよ。恐竜をモチーフにしたホールのようです。なぜ恐竜なのかというと、石油が生成された時代の生き物だからなんですね。中に入ってみましたが特に何も展示されておらず、ガラーンとした空間が広がっていました。単なる休息所みたいね。
首の下はアスレチックが楽しめます(危険遊具?)
首の部分を支えている鉄骨は、階段状になっていて上に登ることができます。実はアスレチックなんですよ、これ。結構な高さのある滑り台は迫力満点。子供が一人もいないのをいいことに私も滑ってきました。柵も何もないので都心なら確実に危険遊具になってしまいますが、新潟はおおらかで実にいいですなー。
1996年まで使われていた綱式機械掘り石油井戸
公園から道沿いを歩きながら、石油産業遺産群を見て回ることにしました。こちらは綱式機械掘り石油井戸。掘削年は1941年で、1996年まで使われていました。深度74mからポンプで原油を上に組み上げていました。結構最近まで石油を掘っていたのね。
メカメカしい赤のクリスマスツリー
こちらはクリスマスツリーと呼ばれる坑口装置です。わあ、めっちゃスチームパンクでかっこいいー! 昭和24年頃から使われました。ただし油層が浅くてガス量の少ないこの油田では石油が噴出するほどの圧力がないので、実際に使用する必要はなかったそうです。
石油井戸からの原油を集めるためのタンク群
集油タンクです。集油所からポンプで贈られた原油や、石油井戸から直接送られてくる原油が集められていました。原油はこのタンクからさらに水切タンクに送られて水が取り除かれます。
ツタにびっしり覆われているタンク
ツタがタンク全体を覆っていて趣がありますね。廃墟と緑の組み合わせが最高です。そう、この石油産業遺産群はスチームパンク趣味のある方にとっては絶好のロケーションなのです。しかも近づいて見ることができるから写真撮影の背景としても非常に映えるんですよね。
古びたレンガが美しい加熱炉
こちらは加熱炉。水切りされた原油からさらに水を取り除くためにここで70度に熱するんです。そして水と分離しやすくなった原油をまた水切りタンクに送って、完全に水分を除去。レンガ作りの炉の美しさと言ったら! 古びたレンガは退廃美がありますね。
明治時代の巨大なポンピング動力装置
山の中の散歩道を登っていくと、巨大な歯車が見えてきました。これは二段式ナショナルポンピングパワー1号機。名前からしてカッコいい。明治時代の1909年に設置された米国式の機械。石油井戸のポンプを動かすための動力装置です。この装置6台で、55の石油井戸の汲み上げを可能にするハイパワーのメカです。
モデル系スチームパンカーとスチームパンクフォトグラファーに
もうあっちこっち、こんなカッコいいレトロメカや廃墟ばっかりなんですよ! しかもロープなどもなく近づいて見ることもできるんです。モデル系スチームパンカー、スチームパンクフォトグラファーをまとめてここに連れて来たいほど。新潟のスチームパンカーが羨ましい。
くれぐれもクマに注意してくださいね!
ちなみにですが。この山の中はクマの目撃情報があり、そこら中に「クマ出没注意」の張り紙がしてありました。早朝や夕方や夜間に見学するのは控えて、単独行動はやめてくださいね。鈴を持参するなど自衛して、くれぐれも自己責任でお願いいたします。(2019年05月06日訪問)【麻理】
参考文献
地図&情報
新潟石油産業遺産群(にいがたせきゆいさんぐん)
※以下は産業遺産群近くの里山ビジターセンターの情報です
住所 :新潟市秋葉区金津1193番地
電話 :0250-22-6911
休業日:毎週水曜日(水曜日が祝日の場合はその翌日。5月・11月は無休)、年末年始(12月28日から1月3日まで)
時間 :09:00~17:00
入場料:無料
駐車場:無料
関連URL:石油の里公園(周辺施設案内) 新潟市秋葉区