大分県豊後高田市の法華寺には全身極彩色の鬼子母神像が祀られています。あごにぐるぐるとおひげがかかれていて男顔。1000人の子供を持つたくましいお母さん像となっています。
カラフルな色合いが目立ちまくり
法華寺(ほっけじ)の境内、小高い山の上に立つ5メートルはあろうかという謎の仏像。カラフルな色合いで山の上にあるので遠くからでも目立ちます。さあ、階段を上がってみましょう!
女子の神様には見えない顔だち
ドーン! これが城城山鬼子母尊神(しろやまきしもそんじん)です。私はあらかじめ調べてから訪問したので知ってるんですが、このお顔を見て女性だとすぐ分かる人はいるんでしょうか。あごにもぐるぐるおひげっぽいものが描かれてますし、がっしりした顔だちは男らしすぎです。
鬼子母神とはどんな神様か
鬼子母神はインドから来た仏教の神様。もとは訶利底母(かりていも)と言いました。彼女は千人(500人という説も)もの子供を持つ母親でしたが、恐ろしいことに他の人間の子供をむしゃむしゃと食べる食人鬼でもありました。
お釈迦様によって改心する訶利底母
心を痛めたお釈迦様は、彼女が最も可愛がっていた子供・愛好を隠してしまいました。嘆き悲しむ訶利底母。たくさんの子供の一人がいなくなっても苦しいのだから、人間の親は子を食べられてどれだけ辛いか、お釈迦様は彼女に諭そうとしたのです。
自分が痛みを味わうことで他人の痛みが分かる
改心した訶利底母は鬼子母神と呼ばれるようになり、子供や出産・育児を司る神様となりました。鬼子母神は人肉のかわりにざくろを食べるようになりました。鬼子母神像の着物にもざくろが描かれています。
足下をびっしり覆う金のツブツブ
この鬼子母神像の足下をご覧ください。数百も並んだ金色の人形です。訶利底母の子供たちを表しているんでしょうね。遠くから見ると小さなツブツブがびっちり岩を覆っていてちょっぴり不気味。
作者の安部雅夫氏に関する情報求む
鬼子母神像の作者は安部雅夫さんという方だそうで。仏師の方が作ったというにはオリジナリティが溢れすぎている気がしますよね。ネットで調べてみると同姓同名の方が大分県豊後高田市で石工店を営んでいらっしゃるのですが同じ方なんでしょうか。ビンゴな予感。
もう一つの見どころも忘れないで
あまりに鬼子母神像がインパクトがあるので忘れがちですが、法華寺でぜひご覧になっていただきたいのが隣にある仏様。金色ですがやや小さめなので見落とさないように。
ヘタウマ感炸裂の仏像
お顔が実に珍な風味ではありませんか。コンクリで作られたヘタウマ感が、東海珍スポットの父・浅野祥雲氏を思い出させます。神々しく近寄りがたい感じではなく、隣のオジサン的で親しみが沸きますね。(2006年12月12日訪問)【麻理】
参考文献
地図&情報
法華寺(ほっけじ)城山鬼子母尊神(しろやまきしもそんじん)
住所 :大分県豊後高田市玉津磯町1026
電話 :0978-22-2495
駐車場:無料