佐賀県武雄市。ここでは昔から道祖神のことを塞神(さやのかみ)と呼び、下の病気や妊娠・安産の神として信仰してきました。地元では道祖神(さやんかみ)さんとして親しまれています。
さやんかみさんはのぼりが目印
以下一般名詞となっている「道祖神(どうそじん)」と分けるために、「さやんかみさん」と書きますね。国道34号線沿いに道祖神と書かれたのぼりがいくつもたっています。これがさやんかみさんの入り口です。
武雄の花街から参拝者が足を運んだ
さやんかみさんは平原峠の登り口に祀られていました。その昔は武雄温泉の遊郭の人々のお参りが盛んだったそうです。武雄の花街は蓬莱町にありました。遊女もたくさん参拝されたんでしょうね。
ミニ鳥居をくぐると子宝・安産のご利益
入ってすぐにある鳥居。腰のべの鳥居と言うのだそうです。ものすごくちっさいです。高さ30cmぐらいでしょうか。ここをくぐることができると、子宝・安産のご利益があるんですよ。
絶対くぐりたい人はビニールシート持参で
日本一小さい鳥居は長崎雲仙市の淡島神社のミニ鳥居(30✕30✕27cm)が有名ですね。こちらも淡島神社と同じぐらい小さいです。しかしこの日は雪が降って地面がベタベタ。残念ながら断念しました。絶対にくぐりたいという方はビニールシート持参のこと。
道祖神とは何か?
道祖神は坂道や村の教会に、悪霊を防ぐために祀られた神です。最初は巨大な石だったものが、時代が下るにつれ生殖器の形や、男女が寄り添った像になりました。悪霊退散のために道の境に像を置く信仰は日本全国で見られます。
大小の男根・女陰石が点在
こぢんまりとした境内には男根、女陰を模した石が陰陽石が点在しています。私の他に参拝者はおらず、辺りはひっそりとしていました。
お社の奥には古い女陰・男根石
奥のお社にある女陰石(写真上方)と男根石(写真下方)。この女陰石は比較的古いものだそうで、石の割れ目も苔むしていています。一部欠けてしまったのか、補修の跡も残っています。昔はこちらの方がメインでお参りされていたのでしょうね。
お社に地元の方の奉納品
地元の方の奉納品もあるのでしょうか、お社の中には大小様々な男根石・女陰石が祀られていました。道祖神は後に猿田彦神、庚申信仰、地蔵信仰などと融合しているのでいろんな形をしているのです。
巨大なさやんかみさん
一番目立つさやんかみさんは、大きな女陰石の上に直立しています。私の背丈(159cm)と比較すると大きさが分かりやすいでしょうか。これは武雄市人形組合が奉納したもので一番新しい男根石です。
絶対にローソクを立てたらダメ!
道祖神は決していやらしいとか滑稽な神ではないのですが、この「道祖の上にローソクを立てないでください」の注意書きがどうしても笑いを誘ってしまいます。うん、確かに立てたくなる気持ちも分かる。でもロウが垂れたりすると、なんかトンデモなくヒワイな感じになってしまうので絶対立てたらダメ!(2015年01月02日訪問)【麻理】
参考文献
地図&情報
道祖神(さやんかみ)
住所 :佐賀県武雄市武雄町武雄
時間 :参拝自由
休業日:年中無休
拝観料:無料
駐車場:無料