久米島は琉球で一番美しい島という意味の「琉美島(くみじま)」と呼ばれていました。その名の通り実に美しい島です。最初は久米島博物館。風葬に使われた骨壷や、豚便所に興味津々!
プロペラ機で久米島へ!
久米島は那覇から100キロメートル、沖縄諸島で最も西にある島です。那覇空港から久米島空港までは飛行機で約40分。こんな可愛らしいプロペラ機で久米島まで飛びました。人口は8500人ほど。小さな島に思えますが、沖縄県では本島、西表島、石垣島、宮古島の次の、5番目に大きな島です。
『続日本記』にも登場
ここは久米島博物館(くめじまはくぶつかん)。館内の様子をご紹介しつつ、久米島についてご説明しましょう。久米島の歴史は古く、1万8000年前の幼児の骨の化石が発見されています。日本史においても『続日本記』に和銅7(714)年に「奄美、信覚、球美の人52人が南島から来た」と書かれています。
米どころだった久米島
その球美島が、久米島と呼ばれるようになったのは15世紀ごろであると考えられています。それは久米島が昔から米どころとして有名だったことに関係があるのでしょうね。久米島は岩の間から湧き出る自然の泉を「山の汁」と呼び、かつてはその山の汁を使って稲作を行ってきました。
名産の久米島紬
王朝時代は、中国、東南アジア、朝鮮との貿易寄港地として栄えました。久米島紬もそんな文化の交流の地として各国の影響を受けています。今も蚕からとった糸を原料に、手作業で織物が作られており、着物好きの間で人気の反物となっています。素朴な味わいが素敵なんですよ(超高級ですけどね)。
観光スポット・ハテの浜&イーフビーチ
久米島はハテの浜が一番の観光スポット。遠浅のエメラルドグリーンの海に、真っ白な砂浜。美しいサンゴの砂浜が5キロも続いていて、それはもう「この世の果て」かと思うほどの絶景です。また「日本の渚100選」にも選ばれたイーフビーチも2キロにわたって砂浜が続いています。

元は久米島自然文化センターでした
久米島博物館は特に珍スポットというわけではないのですが、島を訪れたらまず最初に足を運びたいスポットです。2000年06月01日オープン。以前は「久米島自然文化センター」という名称でしたが、2011年に「久米島博物館」になりました。
観光の前に立ち寄りましょう
「久米島の自然」「時代の移り変わり」「久米島の遺宝」「島の暮らし」をテーマに久米島の自然や歴史に触れることができます。観光の前にぜひ立ち寄ってみましょう。入館料も200円とリーズナブル。
見どころ1:厨子甕
興味深かった展示その1。厨子甕(ずしがめ:骨壷)。沖縄では風葬が昔から行われています。現在はもうなくなってしまった風習ですが、火葬のなかった時代に墓の中に遺体を安置し、白骨化させるという埋葬方法です。
池間苗さんに聞いた風葬
一定期間が経過したら遺体を取り出し、洗い清める洗骨を行い、骨を厨子甕に納めておくのです。以前、与那国民俗資料館に行った時、館長の池間苗さんに風葬について伺うことができました。

昔の沖縄のお嫁さんは大変!
昔は洗骨を行うのはお嫁さんの役割だったそうで、7年間墓に安置された遺骨を取り出して洗う作業が、それはもう怖くて怖くてしかたなかったとおっしゃっていました。昔の沖縄のお嫁さんは大変だったでしょうね。
見どころ2:豚舎(豚舎・豚便所)
これは博物館の外に展示してあるフール(豚舎・豚便所)は宇江城の集落にあった平良家の豚舎を移築したものです。少なくとも100年前に作られたものだそうですが、実際に豚便所として昭和20年代まで使われていたそうですよ。
豚の飼育小屋とトイレを兼ねたもの
豚便所というのは豚の飼育小屋と人間のトイレを兼ねたもので、もともとは中国から伝来したものです。私は日本国中、世界各国のトイレを見るのが大好きでして、豚便所の実物を見られたのがとても嬉しかったです。

素晴らしい大便リサイクル法
人間の消化吸収率はそれほど良くなく、大便には未消化の栄養素が50%も含まれているのです。人間がモノを食べ、それを豚が食べ、その豚を人間が食べる。実に自然の理にかなったリサイクルではありませんか!(2014年05月06日訪問)【麻理】
参考文献
地図&情報
久米島博物館(くめじまはくぶつかん)
住所 :沖縄県島尻郡久米島町嘉手苅542
電話 :098-896-7181
時間 :09:00~17:00
休業日:月曜・年末年始(※臨時休館日あり)
入場料:大人200円
駐車場:無料