沖縄久米島の七不思議の一つウティダ石(太陽石)。夏至から冬至までの日の出を観測し、日の出の位置によって季節の移り変わりを予知するための500年前のハイテクガジェットです。
堂之比屋が日の出を観測した石
ウティダ石は島の東北部の比屋定(ひやじょう)の松林の中にあります。今から500年ほど前の尚真王時代に、堂之比屋(ドーノヒャー)という人が日の出を観測した場所だと言われています。
太陽石、ウティダ石、ウガミ石(拝み石)などいろんな呼び方があります。「ティダ」は沖縄の言葉で「太陽」を意味します。(「ウティダ」の「ウ」は「御」にあたる接頭語)。
直径2メートルの石
ウティダ石は直径2メートル高さ1.2メートルほどの丸い石です。観光案内の看板なども目立つところにない上に、ただ大きな石が置いてあるだけなので見つけるのに苦労しました。石の向こうに青い海が広がっていて美しい場所です。
日の出の位置にで季節を予知
この石が置かれている場所から東方の水平線上に、粟島、渡名喜、慶良間諸島が一望できます。堂之比屋(ドーノヒャー)はウティダ石に寄りかかって、夏至から冬至までの日の出を観測し、日の出の位置によって季節の移り変わりを予知したと伝えられています。
昔は石の表面に線や文字があった
堂之比屋(ドーノヒャー)は台風や豪雨などの到来を予測し、稲の植え付けや収穫の時期を村人に教えていました。昔は石の表面に何本もの線や文字が細かく刻み込まれていたそうです。太陽の動きを観測するときの目印になっていたんですね。
現在石の文字は読み取れず
現在のウティダ石は風化が進んでおり文字は消えてしまっていいて、今は数本の線が見られるのみです。すぐ近くが海なので台風で少しずつ摩耗してしまったのでしょう。
沖縄人のルーツや文化交流の名残
同じような石はトンガなどの南太平洋の島々でも発見されています。昔の沖縄人の農業の方法だけでなく、沖縄人がどこから来たのか、どの国と文化交流があったのかもうかがい知ることができる貴重な資料です。
ウティダ石を見て奈良の酒船石などの奇石郡を思い出しました。昔の人々の知恵が石としてン残っているなんて、ワクワクするなー。(2013年11月02日訪問)【麻理】
参考文献
地図&情報
ウティダ石(太陽石)
住所 :沖縄県島尻郡久米島町比屋定110
時間 :見学自由
入場料:無料
駐車場:無料