宮古島のとある交差点に現れるという妖怪を知っていますか? それは全速力で走って人間を襲う片足ピンザ。ピンザとは宮古島方言でヤギのこと。知る人ぞ知るオカルトスポットです。
片足ピンザとは何か?
片足ピンザは、宮古島の子供たちの間でささやかれている一種の妖怪です。いろんなエピソードがあるようですので、2つご紹介します。(写真は宮古島の普通のヤギです)
その一。昔島のヤギが飛び跳ねて遊んでいたところ、誤って片足を折ってしまいました。そのヤギは夜中になるととある場所に現れては、そこにいる人の頭の上を飛び越えようと全速力で追ってくるようになりました。
そのニ。宮古島ではヤギを食べる習慣があるのですが、普通は喉を切って屠るのに、たまたま足から切断されたヤギがいました。そのヤギは脱走して化物になってしまい、以来人間を襲うようになりました。
飛び越えられると呪われる
どちらの話もヤギに頭上を飛び越えられたり、頭の上を跨がれたりすると死ぬ(魂を抜かれる・呪われるなどのバージョンあり)というのが共通しています。片足ピンザが現れる場所は子供たちに恐れられているみたい。
ガングルユマタに出没
片足ピンザが現れると言われるのがここ、ガングルユマタ(ガングリユマタ)と呼ばれる四つ角。ユマタというのは四つ角のこと。ガングルは諸説あるようです。「しょう爺あーっと宮古」というブログの記事にはこうあります。
「ガングリ・ガングリ」という音を出してどこからともなく現れるという説と歩く姿が「ガングリ・ガングリ」だという説とがあります。また、「片足ピンザ」とは関係なく、「ガン」は死者を運ぶ道具で棺のようなものでそれを納めていたガン小屋があったという場所という説もあります。
片足で歩く様がガングリ、ガングリというのはいかにも片足の足音っぽいオノマトペ(擬音語・擬態語)ですし、死者の棺も不気味なイメージですね。
普通の交差点に見えるけど
夕方の黄昏時を狙ってガングルユマタを訪れてみると、特になんの変哲もない普通の交差点です。結構交通量もあってとくに不気味な感じもしません。
オクマ理容の方が気になる
しばらくあたりをぶらぶらしてみましたが、珍スポット的に良い味を出している三味線のお店&床屋さん(?)のオクマ理容さんの方が気になりました。看板は右から読んでも左から読んでもオクマクオ。植木に囲まれて鬱蒼としてます。
怖くないけどさっ!
私はピンザが出るかなあとワクワクしていたのですが、夕食の時間が迫っていたので日が暮れる前に帰ってしまいました。べ、別に怖かったからじゃないんだからねっ!
訪れるときにはスニーカーで
片足ピンザは遅くまで出歩いている子供をしつけるための大人の方便かもしれません。または昔流行った口裂け女のように、子供コミュニティの中で共通の秘密事項として話されるうわさ話かも。どちらにしても現代でもこんなお化けのお話が生きているのは面白いです。
肝試しスポット、心霊スポットとして、夜に訪れる強者もいるみたいですよ。でもどうぞ革靴やハイヒールなど履いて行かないように。全速力で走れるスニーカーを履きましょう。(2011年04月18日訪問)【麻理】
参考文献
地図&情報
ガングルユマタの片足ピンザ(かたあしぴんざ)
住所 :沖縄県宮古島市下里732-7
時間 :見学自由
入場料:無料
駐車場:なし