宮古島の龍宮伝説・エイと契った男とは?「龍宮城展望台」【来間島】

龍宮城展望台
日本各地に伝わる龍宮伝説は沖縄にも存在します。でもその物語は内地の浦島物語とは違っていてユニーク。今回は来間島にある龍宮展望台と、宮古の龍宮伝説についてお話しましょう。

来間大橋を一望できる龍宮城

龍宮城展望台
龍宮城展望台は、龍宮城をイメージして作られています。来間島で最も高い標高60メートルの丘の上にあります。宮古島と来間島をつなぐ来間大橋が一直線に伸びている風景を一望できますよ。私が訪れたのは早朝だったので誰もいませんでしたが、昼間は喫茶店や売店などがオープンしています。

エイを釣り上げた漁師・湧川マサリヤ

龍宮城展望台
宮古島の龍宮伝説はこんなお話です。

昔宮古島に、湧川マサリヤという漁師がいました。ある日漁に出てエイを釣ると、エイは美しい女に変わりました。マサリヤは女と一夜を共にしましたが、夜が明けると女はいなくなっていました。

童子に誘われ龍宮城へ

龍宮城展望台
数ヶ月後マサリヤが漁をしていると、男の子が海から現れ「お父さんを龍宮にお連れします」と言ってマサリヤを海の中へと誘いました。龍宮城でエイの女と再会して歓待を受けるマサリヤ。けれども数日もすると海の暮らしにも飽き飽きして陸へ帰ることにしました。女は別れ際に酒の入った壺を渡しました。

壺の中の美酒

龍宮城展望台
陸では3年の月日がたっていました。マサリヤがもらった壺の中の酒を飲んでみると、甘露のような美味しさ。壺から尽きることのない美酒は村で飛ぶように売れ、マサリヤは金持ちになりました。

しかしある日マサリヤが「こんな酒はもう飽きた」と言うと、壺は白鳥になって飛んでいき、マサリヤはたちまち老人となってしまいました。

エイが変身した女・迎えに来る童子・土産の美酒

龍宮城展望台
このお話は宮古島をはじめ、離島の地域によって微妙に内容が変わりますが、エイが変身した女、迎えに来る童子土産の美酒という3点は共通します。内地の龍宮伝説にはこれらのキーワードはほとんど登場しないので、私は大変興味深く感じました。

女性器に似たアカエイの総排出腔

龍宮城展望台
一番興味をひかれたのはエイです。アカエイのメスには、生殖管、尿管、肛門が一つの穴になっている総排出腔という器官があるのですが、この総排出腔は人間の女性器に似ていると言われています。アカエイのことを別名・傾城魚(けいせいぎょ)と言いますが、これは城を傾けるほどの美女・傾城から名付けられてるんです。

画像は『素材辞典』Vol.28「ダイビング・海中編」より

エイにまつわる猥談

龍宮城展望台
よく船乗りの猥談で、エイを釣っては船上の性欲処理に使った──なんて話がありますね。嘘か真かはわかりませんが、エイはエロティックなイメージと結びつきやすいのでしょうね。ひょっとしたら昔、島の若者への性教育として使われたお話なのかもなあと想像が膨らみました。

画像は『素材辞典』Vol.28「ダイビング・海中編」より

来間小中学校の生徒さんの作品

龍宮城展望台
龍宮展望台のすぐ近くの塀にこんなメッセージが書かれていました。来間小中学校の生徒さんたちの共同作品のようです。可愛らしい素朴な絵と字に和みますね。「シ〜サ〜がぅがぅだよ!!」という文字に頬が緩みました。

キタ━━━━→(゜∀゜)

龍宮城展望台
おや、こんなところに「キタ━━━━→(゜∀゜)」の顔文字。島の子と言ってもやっぱり現代っ子なんだね。できれば次回は「キタ━━━━(゜∀゜)━━━━ッ!!」って書いてあげてネ。(2011年04月21日訪問)【麻理】

参考文献

地図&情報

龍宮城展望台・竜宮城展望台(りゅうぐうじょうてんぼうだい)

住所 :沖縄県宮古島市下地字来間
電話 :0980-73-1881(宮古島観光協会)
時間 :見学自由
入場料:無料
駐車場:無料

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